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025話 グランダム・サタン・アスタロッド(05)
意外にもグランダムさんは素直に私の言うことを信じてくれました。
「だが、何かがおかしい。少し違和感がある。お前の中にお前じゃない誰かの存在を感じる。瞳にはあらわれず、眼には見えないが何かを感じるのだ……。
いや。すまない。それは俺の勘違いかもしれない。少しお前の態度がおかしかったので、そう思っただけかもしれないな」
私はドキリとしましたが、グランダムさんは自分で自分に言い聞かせ、自己完結してくれました。
「俺も少し疲れていたのかもしれん。お前のようにな。何せお前さえも倒れる程だ。俺が少し疲れたと弱音を吐いても責めてくれるなよ?」
そういってグランダムさんは苦笑いをされると、肩をまわして関節をゴキゴキとならされました。