表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/83

024話 グランダム・サタン・アスタロッド(04)

 そ、それで本当に大丈夫なのでしょうか……?


 私は心配になりました。


 グランダムさんは精悍なお顔と言えば聞こえが良いですが、言い方を変えれば強面(こわおもて)で、とても威圧感があります。

 身長も高く、筋肉質で腕などは私の胴回りもありそうな程の逞しさです。

 このような殿方を下手な嘘で怒らせたら私なんか割り箸のようにいとも簡単にへし折られてしまいそうです。


(いいから言い張れ! (わらわ)はネフェルであると!)


 お母様にそう促され、私は覚悟を決めました。


「な、何をいうか。私は───いえ、(わらわ)はまごうことなきネフェルです───じゃなくて、ネフェルだ」


 私はできるだけ毅然とした態度でお答えしました。


 そうお答えするとグランダムさんはますます私にお顔を近づけ、ギュッと焦点を絞るように私の眼を見据えました。


「本当にネフェルだと申すのか?」


 ち、近いっ……! お、お顔が近いですっ……!


 強面(こわおもて)ではありますがグランダムさんのお顔はとても端正なので、そのような殿方のお顔がこんなにも近くまで寄せられると困ってしまいます。


「は、はい! ネフェルです! ほ、本当です! ほ、本当なのでどうか信じて下さい~!」


 そう訴えるとグランダムさんは益々お顔を近づけ、さらに私の眼を凝視しました。


 ひぇ~。もうお顔の距離が───距離が限界ですっ……!


「ち、近いですっ……!」


 思わず私は声に出してしまいました。


 するとグランダムさんはハッとして、今まさに唇さえも触れ合いそうな距離まで顔を寄せ合っていることに気づかれたようです。


 グランダムさんはパッと私と距離をとりました。


「す、すまなかった、ネフェル。そうだな。確かにその美しい瞳。まるで吸い込まれてしまいそうなその深い色合いはネフェル以外の何者でもない。別人が化けていたり、何かに憑依されていたり、操られているような異変もなかった。お前は間違いなくネフェルだ。疑ってすまなかったな」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ