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022話 グランダム・サタン・アスタロッド(02)
「体調はどうだ?」
「あ、はい。お気遣いありがとうございます。おかげさまでもう大丈夫です。昨晩はいろいろご尽力いただきまして本当にありがとうございました」
私がそうお答えするとグランダムさんは「そうか」と言いつつ、とても怪訝そうに私をジロジロと観察されました。
「昨日だが───なぜあのようなことができた?」
───あのようなこと?
はて? あのようなこととはなんでしょう?
なんのことかまったくわかりません。
そこで私は素直にグランダムさんに訊いてみることにしました。
「あ、あの───あのようなこととはどのようなことでしょうか? ───うみゅ?」
するとまたしてもグランダムさんは人差し指と親指で私の顎を挟み、頬をキュッと摘まみました。
そしてアヒル口となった私はまたもや「うみゅ?」と間抜けな声を漏らしてしまったのです。
「あのようなこととは……このようなことだ!!!」