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愛猫  作者: TRD
3/6

ドア

部屋のドアを開ける時、いつも下を見るクセがついている。


帰宅して部屋のドアを開けると、入口すぐのところにシリウスが居て、「寂しかったよ」と言うようにひと声鳴いてからテーブルに上がり、私が顔を近づけるとスリスリしてくれたね。すぐに屈まないでいると、立ち上がるようにして前足を私の身体に付けて「屈んでよ」と催促されたね。顔が毛だらけになるくらいスリスリしてくれた後はごろんとヘソ天して、撫でてと催促して来て…そんな姿にとても癒やされていたよ。

時にはドアを開けた途端に脱走する事もあったね。別の部屋に行ったり、階段を降りたり。そんな事も有って、いつもドアを開ける時は下を見てシリウスの居場所を確認していたよ。


今、部屋のドアを開ける度に、シリウスが居ないんだと実感してしまって、つらいよ。


食べられなかったご飯も、お水も、トイレもそのまま残ってる。夜、いつもシリウスがお水を飲む時にお皿に前足を乗せてお水を出す音がしたね。シリウスはほんとは居るのかな?見えないだけかな?なんて思うけれど、ふわふわの身体に触れない。可愛い高い鳴き声が聞けない。やっぱり居ないんだ、と悲しくなる。


いつになったら悲しみは薄れるのかな。ふとした瞬間に涙が出てくるけれど、いつか出なくなるのかな。

泣いていると不思議そうに顔を覗き込んで匂いを嗅いで来たシリウスを思い出すよ。

帰って来て、なんて言うとシリウスが安心出来ないよね。でもいつか、生まれ変わって帰って来てね。

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