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愛猫  作者: TRD
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出会いから看取るまで

愛猫を看取りました。


2020年9月25日生まれのメインクーンの男の子。


2020年12月29日、ペットショップで見て、あまりの可愛さにケースの前から動けなくなりました。めっちゃ可愛い。でもメインクーンかぁ…主人は犬派だしメインクーンは大き過ぎるやろ!って言ってたなー、などど思っていたら、犬の方を見ていた主人が来て、やはり可愛さに動けなくなり…。飼おう!となり、その日のうちに家に連れて帰りました。夕方に契約して家に帰り、慌てて子供達とケージのスペースを確保して組み立てて…。両手で包めるくらいに本当に小さくて、耳が大きく見えました。翌日、ストレスからなのか急に吐いた時にもトイレに向かう賢さに驚きました。

初めての猫。勝手が分からず、紐や手にじゃれつかせて遊んでいました。


2021年4月20日、去勢手術の際に、タマタマが体内に有るので開腹手術になる、位置がわからないので何日かかるか開けてみないとわからないと聞いてとても不安になりました。幸い、浅い位置に有ったので翌日退院出来ましたが、エリザベスカラーを越えて傷口を舐めれてしまう身体の長さに驚き、エリザベスカラーを大きくするとケージに入れないので水とトイレに困る…という事でマナーウェア(オムツ)をして、更に包帯を巻いて傷口をカバーして…それでも舐めてしまいそうだからと、抜糸まで数日、次男が寝ずに見ていました。


それからは毎日、驚きと笑いと癒やしを家族に与えてくれました。家族に体調が悪い人が居ると、その側に行ってそっと見守ってくれる優しい子でした。お部屋から脱走して別の部屋に行ったり階段を降りたりしましたね。困った行動はそれくらいで、他は全く無かったとても賢い子でした。爪も爪とぎ以外では絶対研がないし、水分補給もたくさんする子。身体が大きくなっても声は高くて、留守番させてしまって帰ると、ドア前で待ち構えていて、顔が毛だらけになるほどスリスリしてくれるのがすごく嬉しかった。


困った行動をほとんどしなかった子が、トイレ以外で粗相(大)をしてしまった事が何度か有りました。後から思えばこの頃から病気を発症していたのかも知れません。

2023年6月17日、開口呼吸をしているのを、熱中症かと思ってシャワーを浴びさせてしまった。どうもおかしいと慌ててかかりつけの動物病院に連れて行ったら、おそらく心臓の病気だろう、エコーの取れる病院に行って欲しいと…。幸い近くに病院が有り、電話をしてすぐに連れて行き、肥大性心筋症が発覚しました。原因不明、手術は出来ない病気です。それからは投薬治療をしていましたが、2024年3月4日明け方にひどく鳴いて、下肢が動いていない事に気付き、救急病院に行きました。

血栓症による下肢の麻痺と言われ、この後どうなるのだろうと不安になりました。しかしその日の夕方には立てるようになり、翌日には高いところに飛び上がれる程に回復しました。救急病院から帰って、無理に高い場所に上がろうとしたら危ないからとケージの上半分を外し、トイレも上って上から入るタイプだったのを、子猫の頃に使っていた小さいトイレを置いていたのですが、トイレだと認識せずにその中に入って寛いでいました。身体が支えられるから楽なのかな、と見ていましたが、病院から帰って以降ご飯も食べず、お水も飲まず、不安になって何度か指を水に濡らして口元を濡らして舐めさせたりしました。トイレの代用にと、百均で四角い食器の水切り受けを用意してそこに砂を入れても、子猫の頃のトイレからそちらに移って寛いでいました。その後、ケージの外で砂を掻く仕草を見せては場所を移して掻き、とトイレの様子を見せたので、トイレは此処だよ、と水切り受けに連れて行くと、あれ?と砂を何度か掻いてようやく用を足せました。その直後にお水をがぶ飲みして、ご飯も食べて…もしかしたらトイレが無いと思って、お水やご飯を我慢したの?と驚きました。


その後は今まで通り、なるべく負担をかけないように努めました。ストレスになるので、嫌いな爪切りもブラッシングも控えていました。何度か、下痢をしてトイレに間に合わず、粗相をしてしまった事も有りました。

今までと同じように、帰ると高い声で鳴いてスリスリしてくれると、仕事の疲れも癒やされるようでした。

日向の匂いのする背中、小麦の焼けた匂いの肉球、たまらない匂いの後頭部。薄くてちょっとひんやりした耳も、ふわふわの尻尾も大好きです。撫で過ぎると噛まれるけれど、それも愛情表現だと受け取って、毎日笑顔が溢れました。


2024年4月13日夕方から元気が無く、吐きました。猫はよく吐く生き物です。でも珍しく3回吐いて、呼吸の様子がおかしいかなと気にしていました。翌日は私は仕事でした。昼、やはりいつもと違うと主人が病院に連れて行くと、肺炎と肺水腫を併発している様子でそのまま預かってもらったと。私が仕事を終えたら家族みんなで迎えに来て欲しいと言われたと連絡が入りました。

仕事を終えて動物病院に行くと、腎臓の数値が限界で、心臓の状態も゙悪く、治療の術が無いとの事…。家に様子連れ帰って予後を見届けるか、病院で安楽死かとの選択となりました。

愛猫はもうご飯も食べられず立ち上がれず、呼吸も苦しい様子。家で誰もいない中で一人で逝かせる恐れも有る、これ以上苦しい思いを長引かせたくない、と安楽死を選びました。

最期に家族みんなでたくさん撫でて声をかけてから、薬の投与を家族で見届けました。苦しそうな顔が、すっ、と穏やかになり、お空に旅立ちました。2024年4月14日19時22分。3歳半にも届かない、早いお別れでした。


安楽死を選んだのは人間のエゴなのか、もっと生かせてあげた方が良かったのか、後悔もあります。たくさん謝罪の言葉が出ました。

今、目の前には亡骸がいます。静かな、安らかな顔をしていて、今にも起きて伸びをして動き出しそうですが、もう身体は硬くて冷たくて、生命は無いのだと知らされます。


たくさんの思い出をありがとう。シリウス。もう苦しい思いはしていないよね?毛皮もそのままでも着替えても良い、もっとわがまま言って困らせても良い、だけど出来れば病気はお空に置いて、またいつか、家に来てね。

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