9話 無人の街
俺は風呂が空いたことを伝えに、イアの部屋の前にまでやってきた。
ついでに自室から、昨日貸してもらっていた昔話も持ってきている。忘れないうちに、返しておこうというわけだ。
『コンコンコン』
俺は扉を3回、ノックする。すると、すぐに中から反応があった。
「いいわよ~どうぞ」
「お邪魔するぜ~」
そう言い扉を開ける。イアはベッドに腰掛けていた。
「あら、リョーガだったの。てっきりルビーかと思ってたわ」
んまあそう思うよな。
イアの部屋は、間取りとしては俺の部屋とまったく同じだった。家具類も、元々あった物は同じだろう。
しかし、やはり何年も具竜荘に住んでいる先輩というだけあって、部屋にはイアの個性が滲み出ていた。
ベッドの布団なんかの布類は、基本的に青系統で統一されているし、床にはトレーニング器具のような物が無造作に置かれている。
本や小物が特別多いわけでもなく、女の子の部屋というよりかはスポーツ選手の部屋といった感じだ。
「なんか色々と物が散乱してるな……」
イアの部屋は片付いているというよりかは、散らかっているという印象の方が強めに感じる。
「ああ~……私片付けとか苦手なのよ。逆にルビーは凄く几帳面だから、部屋に塵一つないけどね」
「確かに、ルアはそんな感じするな」
双子でも、やっぱり内面は全然違うんだな。
「それで、今回リョーガは何の用?」
「ああそうだった。これ、昨日貸してもらった昔話。忘れないうちに返しておこうと思ってな」
「あら、親切にありがとう。そこの机にテキトーでいいから置いといて」
「了~解。あと、風呂空いたからどうぞ~って伝えに来た」
「そう。それじゃあシャワーに行くわね。……洗面所には立ち入らないでよ?」
「紳士の俺がそんことをするはずがないだろ!」
机に本を置きながら、ベッドから立ち上がるイアに言う。
こちとら、そこら辺の常識はちゃんと守る聖人ですよ。
「自分のことを紳士と言う人程、信用ならないけど……まあ私の方が強いし、問題ないわね」
「そうそう、誰が半殺しにされると分かっていて入るかよ」
「それもそうね。流石のリョーガも、そこまで馬鹿でもないだろうし」
「なんか馬鹿にされたような気がしたけどそのとおり!」
あれ、俺いつからいじられキャラに転職したっけ?
「あっあとそうだ。また何か別の本を貸してもらえたらありがたいんだが、いいか?」
「全然構わないわよ。リョーガって読書好きなの?」
「いやそういうわけじゃないけど、なんもやることなくて暇でな」
「なるほどね。それなら──」
そう言い、本棚を漁ったイアが手渡してくれたのが
「『暗黙の掟』?」
「そそ、オミクロンで人気のミステリー小説よ。それなりに長いから、いい暇潰しになるんじゃないかしら」
「へぇ、俺ミステリー読むの初めてかも。早速部屋で読ませてもらうよ」
「ええ、読み終わったら感想でも聞かせて」
「分かった。それじゃあありがとな」
手を振るイアに背を向け、俺はイアの部屋を後にした────
◇◇◇
昼食を食べ終え、俺たちはいよいよコスミマへ出陣する。
感染症対策のため、一応全員が、出かける前にマスクを着用した。これで100%安心というわけではないらしいが、まあ気持ちの問題ということで。
そんで──その5分後には、俺たちは大都市コスミマにいた。
しかし────
「昨日は気にしてなかったけど、町に活気が全然ないな」
辺りを見回しながら、俺は思わず呟く。
人はいるが、それも数人程度だ。感染症が原因にしても、少し静かすぎる。
「魔王に支配されてるんだから、当然でしょ?」
あっけらかんとした口調で、イアが言う。
支配とか、力が上の者に殺されるかもという恐怖とか、そういったものに馴染みのない俺としては、なぜそこまで気楽でいられるのかが分からない。産まれた頃からずっとこういう環境で生きてきたから、もうそれが当たり前なのだろうか。
「じゃあ、空が濁っているのも魔王のせい?」
「心が濁っている人には、空も濁って見えるんですよ」
「あーはいはいなるほど……じゃねーわ! 俺の心は、ダイヤモンドのように輝いてるさ! で、本当のところは?」
「魔王の仕業です。魔族は、あまり光を好まないので」
「へぇ~。そういや、魔族って具体的にどんなのかっていう定義はあるのか?」
「はい、結構ざっくりしてますが。人間以外の主な種族のことを、パラミシアでは魔族と呼んでいます」
──今更ながら思うが、基本的にRPGゲームの知識さえあれば、なんとかこの世界の常識についていけそうだ。
「じゃあさじゃあさ、魔族って、人間とよく似た容姿の奴とかいたりするか?」
「います。魔族の7割程は、ドラゴンやゴブリンなどといった、the魔族という外見ですが、残りの3割の容姿は、人間と大差ありません。それも、パッと見では分からない程です。そういった魔族を人型と言うのですが、人型の魔族は今話した7割の“下級魔族”とは桁の違う強さを持つ、“上級魔族”と言われる者たちです」
「リョーガも、よくもまあそんなすいすい疑問が出てくるわね」
「あ~、俺のいた世界には、“ゲーム”っつーものがあってだな。そのゲームのジャンルで、パラミシアみたいな世界を冒険するゲームがあったんだ。俺はそのジャンルのゲームが好きだったから、ちょっとしたこのパラミシアでの常識にもついていけてるっていうわけ」
そのジャンルというのはもちろん、RPGだ。
「へぇ~凄い。リョーガの言うゲームは、トランプとかダーツとか、そういう系統のものではないのね?」
「ああ、世間一般的にはそれもゲームって呼んでたが、それとは色々と次元が違う。いわば、架空の世界を自分の分身を操作して楽しむって感じ」
「……その架空の世界が、パラミシアに似ているんですか。僕らのいるこの世界が、創られた世界みたいに思えて、なんだか少し怖い話ですね」
……あっ、そっか。ルアたちにとっては、そういう感情になっちまうのか。
「あ~悪い、気分暗くしちまったか?」
「……いえ、興味深い話が聞けて、面白かったです。リョーガからは、まだ質問ありますか?」
ルアが話を戻す。
「あるっちゃあるな。その人型魔族と人間の違いとか」
「じゃあそれは私が説明するわ。といっても、そんなに違いはなくて、あるとすれば体のつくりね。大まかな部分は同じだけど、細胞一つ一つの寿命などが、魔族は人間と比べて桁違いに長いの。身体能力なんかも、魔族の方がずば抜けているわ。細胞の寿命が長いから、当然魔族は寿命も長い。普通に1000年位生きたりね」
「1000年?!」
昨日のランビリスさんショックを軽く凌駕した。
「と、魔族の説明は終わり。そろそろ本題、コスミマの案内に入るわよ」
あっそうだ、コスミマの案内をされに来たんだった。魔族とか、全然関係ない話ししてたな。
今俺たちがいるのは、お店がずらっと並んだ一本の通りだ。ほとんどの店が、シャッターで閉められてるけど……
「ここはコスミマの商店街。必要な物は大抵ここで買えるわ。普段この時間なら、全店舗開いてるんだけど、今は感染症にかかった店主が大勢いてお店が閉まっちゃってるわね」
「お陰で、賑やかった面影のまったくない、物悲しいシャッター街と化してしまいました」
「ん~元々そんな賑やかだったのか? 言っちゃ悪いが、まったくそんな雰囲気はないけど」
「真実です。食材の買い出しで毎日のように利用していた僕が言うのですから、間違いありません」
「おお……そこまで言うならマジなんだな」
けれどはやり、この数人程度の客と店主しかいない商店街からは、そんな風景を想像するのは難しい。
一応ここが、オミクロンで一番の大都市であることを忘れてしまいそうだ。
「はいじゃあ次、こっちよ」
しんみりした雰囲気を打ち破るように、イアの透き通った声が無音の商店街に響いた。
俺たちを手招きして、商店街の入り口とは真反対の方向へ進んでいく。
ついていくとそこにあったのは、昨日俺たちが利用したアップルカフェだった。俺がそちらに視線を持っていかれていると、イアが
「案内したい場所はそっちじゃないわよ。本命はあっち」
そう言われイアの指差す方向へ視線を移す。
そこには──めっちゃくちゃでっかい、レンガ造りの建物があった。
「な、何この存在の主張が激しい建物?!」
並みのデパートくらいの大きさはあるぞ?!
というか昨日の俺、よくこんな建物があったことに気が付かなかったな!?
「ここは“ヴィヴリオスィキ”。パラミシアで一番の規模を誇る図書館よ。パラミシアに存在する本の大半は、ここで読めるわ」
「歴史書であろうが“術書”であろうが、何でも読めます」
「規模のでかさが次元越えてませんかね?!」
存在する本の大半を読めるって……読めるだよ?! ヤバくね! ヤバイよね!
国立国際図書館でも全部は読めんよ?!
「歴史書が読めるって、破れたりする心配は大丈夫なのか?」
「ああ、それは問題ないわ。図書館の本には全て“防護の呪文”がかけられているから、絶対に破れないの。それにそういう重要な書物は、流石に貸し出ししてないからね」
「防護の呪文? なんか凄そうな感じだな。さっき言ってた術書とも、そういうのって関係あったり?」
「……リョーガの口から出る言葉のほとんどに『?』がありますよね。疑問製造機リョーガに改名されてはいかがですか?」
「いやなんだよその謎名は……改名になってねぇし!」
「あら、少しは改名する気があったの?」
「ねぇわ!」
「で、疑問製造機リョーガの疑問である術書についてだけど」
「俺改名してないからね? 改名しないからね?」
「術書というのは“呪文の記された本”。術書の呪文を使うことを“呪術”と言うわ。呪術の特徴は、“才能さえあれば普通の人間でも使える”ことね」
スルーされたし……あと術書と呪文と呪術……『じゅ』が多いわ! 早口言葉じゃねぇんだから。
「呪術は、“魔法”が使えない人にとっての魔法のようなものよ」
魔法もあった?! 聞きたいけどヤバイ……また疑問を言ったら今度こそ、あだ名が疑問製造機リョーガで定着しそう……
それに頭もパンク寸前だし、また近いうちに時間があったら聞いておこう。
「……頭から湯気が出てきそうな程、目が回ってますね。これ以上の知識の追加は止めておきましょう。リョーガが壊れてしまいます」
俺の心情を華麗に読み取るルア。これこそ、宝魔の力お陰だろう。
あだ名はリョーガに戻ってるが、扱いが機械のままなんだが……
「確かにそうね。それじゃあ次の施設、ついてきて」
そう言いまた歩き始めるイア。
続いて目に入ったのは、白いドーム状の建物だった。これまた、存在の主張が激しい。おまけに、濁った空の太陽光が反射していて、神々しいときた。
「ここは闘技場“グロスィヤ”」
「闘技場って、大都市にんな物騒な……」
「まぁ闘技場というよりかは、魔王の支配によるストレスを発散したい人たちのたまり場ね。勝てば賞金も稼げるし、一石二鳥というわけ」
「へぇ、イア詳しいのな」
「サファイアは、グロスィヤの常連ですから」
「常連?!」
衝撃の事実だった……
「まっ、機会があればリョーガも、近いうち一緒に訪れましょう」
「俺、争い事苦手な平和主義者なんですが」
「じゃあ魔族の餌食となって死ぬ?」
「申し訳ありませんでしたよろしくお願いします!」
「よろしい」
「12歳の女の子に頭を下げる、17歳の青年(笑)ですね」
ルアの毒舌矢が、俺のガラスハートを粉々にブレイクした、その直後────
『ゴーン──ゴーン──ゴーン──』
聞こえてきたのは、胸の奥に響いてくる程の大音量で鳴る、鐘の音だった。十五夜の鐘と、教会の鐘の音を、足して2で割った感じ(分かりにくい?)
不意をつかれた俺は、驚き本能的に肩を震わせた。
こういうの、ほんと心臓に悪いから止めてほしいって……
ちらり、とイアの方を見た。そしてそのイアの様子を見て、俺は更に驚く。
「鐘が……鳴った──?」
イアはある一点の方角に視線を向け、表情は明らかに狼狽の色を見せていた。
ここまでイアが同様することがあるのかと、かなり意外に思う。
「な、なあ……鐘が鳴っただけで、どうしてそんな驚いてるんだ?」
耐えきれずに聞いてみた。
するとイアは──まるで自分自身を落ち着かせるように胸を上下させ、真っ直ぐな瞳をこちらへ向けた。
「……ほら、あれを見て」
そして、さっき見ていた一点を指差す。俺はそちらへ視線を向けた。そこに────
「んなっ?!」
そこにあったのは、時計塔だ。
普通ならそこまで驚くことないだろう。だが──俺が前に見た時、そこに時計塔なんてなかったはずなのだ。
時計塔の高さは、見上げても頂点が見えない程で、こんな規格外に高い時計塔があれば、流石の俺でも忘れない。
「この時計塔の名称は“カメーロパルダリス”。コスミマのシンボルマークなのだけど、鐘がなる時しか姿を見ることはできないの」
「……そして、鐘の鳴る時間は不定期。1日に何度も鳴る時もあれば、1か月で1回しか鳴らない時もあります。噂ではありますが、カメーロパルダリスの鐘が鳴った後は、必ず不吉なことが起こるとも、言われています」
「──あの時計塔にそんな話がなぁ……」
なんかもう壮大というか、異世界要素たっぷり過ぎて頭がついていけてないけど。
鐘が鳴る時しか姿を現さない時計塔とか、どういう原理でそうなってだよ……
最近、俺の脳みそにかかる負担が大きくね?
「前回あの鐘が鳴った時は、他の大陸である“イプシロン”で“大厄災”が起きました。……偶然かもしれませんが」
「大厄災?! え、それについて詳しく説明を頼む」
これ以上脳みそへ負担はかけたくないと思いつつ、やはり大厄災だ。そんな名前だけで分かるヤバイ事件、詳細を聞くしかないだろ!
「僕たちも詳しいわけではありません。何しろ、別の大陸で起きたことですから。──判明していることだけを話すと、ある場所を中心とした半径5㎞内で、そこにいた生命体が全て死滅したという事件です」
「なあっ?! それって集団死ってことか。原因は?」
「分かりません。調べるにしても、パラミシアはそういった方面の技術に疎いので。それにイプシロンは、パラミシアで最も小さな大陸で、半径5㎞というのは大陸のほぼ全体であり、生存者からの情報も集まりにくいようです。彼らの死因すら、まだ判明には至っていません」
「つまるところ、真相はまだ闇の中ってことか」
「そういうことです。まぁよそ者の僕たちが、とやかく言うことではありません。大厄災があったと、記憶の片隅に置いておくだけで十分です」
「そうだな……って! ということは今鐘が鳴ったということは、また大厄災みたいなことが起きるってことか?!」
「──気付くのが遅いわ。そのとおりよ」
ルアの説明の間、ずっと無言だったイアが言う。その声は、なんとか絞り出したように弱々しかった。
よく見れば、顔を少し青ざめている。
ルアもこれには驚いた様子で
「サファイア、大丈夫ですか? 顔色が優れませんが、どこか具合が悪かったりは──」
ルアの言葉が終わる前に、イアは首を横に振った。
「……大丈夫。少し不安になっただけ」
その答えに、ルアは腑に落ちなさそうにしながらも、それ以上は聞かなかった。だから俺も、追及はしない。
ルアはさっき偶然かもしれないと言っていたし、鐘が鳴ると不吉なことが起こるというのは、決定的な根拠はないのだろう。
なのにそれに対してここまで不安を見せるのは、イアらしくないと感じた。
「そろそろ戻りましょう。感染症が収まったら、改めてちゃんとコスミマを案内するわ」
「──ああ」
俺はそれに頷くしかない。
俺たちが立ち去る時もカメーロパルダリスの鐘は、まだコスミマ中に鳴り響いていた。
◇◇◇
具竜荘に戻った俺たち。なんかもう、既に実家のような安心感がある。
イアの調子も、いつもどおりに戻っていた。顔色も健康的だ。
具竜荘内に入った途端、俺はマスクを秒で外した。こういうの、息苦しくて苦手なんだわ。マスクを外した瞬間の息のしやすさといったら、もうヤバイ。
「そういえばリョーガ、私から武術の稽古を受けるつもりでいるのよね。あなた体力はどれくらいあるの?」
マスクをゴミ箱に捨てながら、イアが聞いてきた。さっきまでの不安さは感じられない、はっきりした口調だ。
おっ、早速稽古してもらえるのかな?
俺は今までの自分を振り返りながら答える。
「ええっと、ここ最近はずっと家にいたから……腹筋30回が限界☆」
「……それ、本気で言ってる?」
イアに思いっきり睨みつけられた。
我ながら、確かに少しヤバイ。
「俺はいつでも本気だぞ?」
俺のあっけらかんとした返答に、イアは何かを考え込むようにして
「…………ルビー、今の時刻は?」
「丁度申の初刻を過ぎたところです」
「つまり15時過ぎね。──リョーガ!」
「は、はっはい!」
突然大声で名前を呼ばれ、背筋を伸ばして返事をする。
そしてイアからの無理要望。
「今から森の方でトレーニングするわよ。私に剣の稽古を受けるなら、ここ数日で最低でも10㎞は余裕で走れるようになってもらわないと!」
「今から?! しかも10㎞?! い、1㎞の間違いじゃなくて……?」
「10㎞よ! 1㎞なんて、子供でもできるわ」
「いや無理むりムリ! 俺言ってなかったけど今日筋肉痛の真っ只中だよ?! 血反吐吐くから~~!!」
「血反吐くらい普通に吐くわよ」
「いやいや普通は吐かねえよぉ~?!」
しかし俺の悲痛の言葉は無視されて
「と、いうことで行ってくるわ」
行ってくるわじゃねーー!
「行ってらっしゃいませ。今晩のメニューはムニエルですので、お腹を空かせて戻ってきてくださいね」
「ええ、楽しみにしているわ。さてリョーガ、地面這いつくばって逃げようとしてないで、さっさと行くわよ」
「無理~~! 多分死ぬ~~?! 死ななくてもぶっ倒れる~~!!」
「死にはしないしぶっ倒れもしないわよ。……多分」
「そこははっきりと肯定してほしかった!」
「大丈夫大丈夫。ほら暴れてないで」
俺は必死で逃げようとしたが、イアは俺の服の襟を持って引きずっていった。
明らかな体格差のある俺を、サッと引きずれるイアの力が凄い。ってそんなことじゃなくてーー!
「嫌ごめん待ってごめんなさいマジで死にますから!」
何に謝ってるのか自分でも分からんが、とりあえず命の危機を感じる。
数日で10㎞を楽々とは、並大抵の稽古でないのは確実だ。
それに今のイアからは、悪魔の角でも生えてるのかっていう程のオーラがビンビン伝わってくる。
そうこうしてるうち、外に出て森にまで来た。
「大丈夫。人間、そう簡単には死なないから」
根拠も何もないよね!?
「嫌ーーーー!!」
抵抗する俺の叫びは、エメラルドグリーンの森の中へ消えていった────
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