表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/23

仲間は、ピンチに現れる。

 「大丈夫!?」

 「あ、はい…」

 ちょっと間抜けな声で答える。

 誰だろう。この人。

 「危なかったわね、勇者アディル」

 …へっ⁉

 なに!? 陽彩(ひいろ)のお知り合い!?

 彼女と陽彩(ひいろ)を交互に見る。

 「モンスターの気配がしたから来てみたら。まさか、アナタがいるなんてね」

 「君は…」

 「アナタと一緒に魔王を倒した、魔法使いのミカリエよ。覚えてないの⁉」

 少し怒ったように、ミカリエと名乗った少女が頬を膨らませた。

 黒髪ストレートロング。白く透き通った肌が、その髪によって美しさを際立たせていた。背だって、スラリと高い。

 (うわあああ。美人さんだあ…)

 「ゴメン。ちょっと記憶とつながらなかっただけで。覚えてるよ。雷使いのミカリエ」

 陽彩(ひいろ)のその言葉に、少女が少し笑った。

 「今は、二宮花蓮(にのみやかれん)よ。こちらの世界では、そう呼ばれているわ」

 「オレも、菅原陽彩(すがわらひいろ)だ。再会出来てうれしいよ」

 陽彩(ひいろ)が握手を求め、花蓮(かれん)と名乗った少女がそれに応じる。

 「でも、転生してきているのは、君だけか!? 騎士のラウルや、神官のルーニアは!? 彼らに会ったことはないのか⁉」

 「残念ながら、私はまだ」

 少女が目を伏せ首を横に振った。その仕草すら美人さん。

 「でも、この世界のどこかにいるかもしれないわ。この世界でもアナタを助けるようにと私たち、女神さまから言われているから」

 「そうか。でも、君が協力してくれるなら、心強いよ」

 「アナタ、魔法は苦手だったものね」

 「う~ん。それを言われるとツラい」

 陽彩(ひいろ)が、ポリポリと頬を掻いた。

 そして、またまた二人で笑いあう。

 …って、あの~。

 私、おいてけぼり…なんですけど!?

 二人の会話を、ポカンと眺めるしかない。

 とりあえず、会話から察するに、二人は前世で一緒に魔王さまを倒した仲間で。それぞれに、この世界に転生してきてて、こうして再会出来たってこと!? そして、仲間はまだ他にもいて、この世界のどこかにいるかもしれなくて。今のところ、陽彩(ひいろ)のフォローを、この花蓮(かれん)さんが、得意の魔法でしてくれるってことでいいのかな⁉

 陽彩(ひいろ)の前世が〈アディル〉という名前だったことを初めて知り、私は、なんとも言えない気分になっていた。

 だって。

 そんなことも、私、知らなかったんだもん。

 陽彩もわざわざ教えてくれなかったし、私、スライムで特に名前がなかったから、前世の彼に名前があるなんて考えもしなかった。

 (そっか。前世も人間だったんだもん。名前ぐらいあるよね)

 当たり前のことに、今さら気づく。

 「ねえ、アディル。そちらの方は!?」

 不意に自分に話題が振られて、一瞬キョトンとしてしまった。

 え!? 私のこと、言ってる⁉

 「ああ。彼女はオレの幼なじみ。瑞浪(みずなみ)てまり」

 「初めまして。瑞浪(みずなみ)てまりと言います」

 紹介されたからには、頭を下げる。

 「二宮花蓮(にのみやかれん)よ。セントアンナ女学院一年。よろしくね」

 「あっ、はいっ!!」

 スゴい。お嬢さまじゃん。白を基調とした制服がまぶしいっ!!

 「そんなに硬くならなくても大丈夫よ。同い年…でしょ⁉ 花蓮(かれん)と呼んでくれないかしら」

 そんなこと言われても。

 「アディル、てまりさんは前世と何か関係あるの⁉」

 「いや。てまりは、なにも。オレのモンスター退治につき合ってくれていただけだ」

 「そう。じゃあ、てまりさんは、この世界での新たな仲間ってわけね」

 陽彩の時と同じように握手を求められる。

 「よろしく…お願いします」

 「ふふっ。そんなに緊張しないで⁉」

 「いえ。あの、さっきはありがとうございました」

 危ないところを助けてもらったのだ。キチンとお礼を言わないと。

 「アディルを助ける仲間なのだから、気にしないで⁉」

 少し困ったように、花蓮さんは言うけれど…。

 緊張しないでっていうのは、ムリッ!!

 サラサラストレートの黒髪美少女。そのうえ、陽彩が頼りにするほどの強力な魔法使い。性格だって悪くなさそう。

 それに比べて、前世スライムで勉強そこそこ、フワフワクセッ毛でちょっぴりチビの私では…。月とすっぽん!? 象と蟻!? 比べることすらおこがましい。

 …って、あれ⁉

 ふと、自分の髪が気になって頭を押さえる。

 フワン、フワフワ…。ポフンッ。

 (ああ、やっぱりっ!!)

 さっきの雷が起こした静電気で、髪が、フワフワのパチパチになってるっ!!

 なるべく気づかれないように、さりげなく直そうとするけど。強情なクセ毛は、なかなか言うことをきかない。

 (―――あ)

 その様子を、バッチリ陽彩に見られた上に、クスリと笑われてしまった。

 うう~。

 危険を脱することが出来てうれしいけど、とばっちりを受けたのは納得いかない。

第10話です。わーい!

ここまで連載することができました。

PV、ブクマをつけてくださった方、本当にありがとうございます。皆様のおかげで、なんとかやってこれました。

作品自体は、全23話で投稿する予定です。

よろしくお願いいたしますm(__)m


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ