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お仕置き

会議室Aに僕は向かう。コンコンとノックし、失礼しますと言うと。

「入りなさい。」

という山本姉さんのクールな声。


彼女は向かい側に椅子に深く腰掛けて居た。僕は正面にチョコンとしょぼくれて座る。

しばらくの沈黙。


「で、立山さん。あなたあの教室で何をしたの。女子生徒が絶叫してたけど……。」


僕はかいつまんで、告白の言葉を生徒に教えたことを正直に話した。

山本の姉さんはため息をつくと。


「言葉の本当の意味がわかってないって恐ろしいわね。感情を込めて私にその言葉、言えるかしら?言えないでしょ。失言だったわよね。」


正直、状況を考えると曲解した生徒も悪いと思うがここは反省会である。答えは一つしかありえない。


「はい、失言でした。」

と若干不服だが言う。


その不服さを感じ取ったのだろう。山本は首を傾け。


「わかってないみたいね。感情を込めて私にその言葉言える。100回いってごらん?恥ずかしいから……。ね?できないでしょ?」


僕はつい意固地になり若干声を荒げて、


「I LOVE YOU.」


と言ってしまった。しまったな、これは。姉さん、すみません。


「感情を込めて。って私いったでしょ?好きな人にそうやって立山君はその言葉を言うの。もうひとつの言葉もいってごらん?どう言う言葉だか知らないけど。言えるの?」


山本さんにはBe mineの件は恐ろしくてボカして伝えていた。もういいや、言ってみるか。

なげやりな感じで僕は。


「Be mine」

といったあとしまったと思い。


「BE MINE!」

とうつむいて、ちょっと照れて言う。顔を起こすとそこには顔を真っ赤にして目をまんまるにしている彼女がいた。


「Why not!. why don't you tell me in Japanese! you are so naive!」


彼女は早口でそう言うと僕を置いて部屋を出て言ってしまった。

怒らせちゃったかな?


日本語で言えか……。

いつか言えるのだろうか。その時僕はやっぱり八海佳奈とは結婚したくないなと思ったのだった。山本姉さんと八海佳奈。どちらかを選ぶという決断自体を僕はとても先延ばししたかった。でも、きっと僕は八海佳奈と結婚することになるのだろう。だって、彼女は百戦錬磨で素敵な女の子であることも間違いないのだから。

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