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バイト仲間

マンションに帰ると僕は今までお見合いで会った女性を調べる。そこには確かに八海佳奈らしいとわからないでもない写真もあった。確信はもてないが、女は化けるものだ。いくら破談にしようとして居たとはいえ素の自分が全く出ないわけではない。八海佳奈が言うように確かに彼女はもう僕のことは良く知っているのだろう。今日はアルバイト。親父には頼りたくなかったから実入りのいい塾講師のバイトだ。


塾に着くと英語講師仲間の山本加奈子が慰めの軽口を叩いてきた。


「やほー、立山くん。お見合いお疲れ様ー。正直大学出たらすぐ結婚っていうのは悪い冗談だね?同情するよ。御曹司くん。」


「それが正直今回の相手は嫌な相手じゃないんだ。そのぅ。結婚は嫌なんだけどさ。」

しかし、まさか地味女の山本にファンだったセクシー女優のことを伝えるわけにも行かないしどう説明したものか。


山本は明るい声で励ます。


「嫌な相手じゃないなら、良かったじゃない?で、どうなの彼女のどこが気に入ったのかね?君は常々、良家のお嬢さんは嫌だ、レールを引かれた人生はごめんっていっていたのに、どんな心境の変化が?はーん。どうせ顔だろ顔。それともスタイルかね?あーこれだから男子は嫌だなぁ……。白状したまえ!!お姉さんに!」


男が顔とスタイルに弱いのは事実だけどさ。まぁ、認めざる得まい。

「はい、顔とスタイルです。」


と僕は棒読みで言った。


「でもさ、思い返すともう色々思い出もあって話すと楽しい子なんだよ。ま、山本姉さんと話しているほうがもっと楽しいけどな。」


山本は僕のほっぺを指でつつくと。

「お世辞言っても、シフトは代わってやらんぞ?とくにクリスマスはな。あきらめろ立山。ジャンケンはかくも偉大なのだ。」


とおそらく彼女の照れ隠しなのだろう。目をそらす。


「良かったじゃない話すと楽しい家庭的な子でさ?」


……まさかセクシー女優とは言えないな、これは。


「彼女が家庭的かどうかはわからないけど。はー、山本の姉貴と話すと気が抜けるなぁ。こういう気楽さが彼女にあったら、気楽なんだけど。そうも行かないよなぁ。」


「Fear always springs from ignorance.」


彼女は唐突に言う。


「恐れはいつも無知から来る。英語の名言ね。結婚と彼女について、まず良く知りたまえ!じゃぁな少年よ。授業授業っと。じゃね。」

    

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