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そして日常

ミナセから逃げるようにマンションを飛び出した僕は大学を終えると塾講師のバイトだ。

山本の姉さん、今は八海佳奈だとわかった彼女がメガネをかけてバイトしている塾だ。

そう。家は空けていても、こうして彼女と会うことができることを僕は心から喜んでいた。


「おーい、立山くん、正月の休みはどうするね?いつも通りジャンケンで勝負決めようか?」

山本の姉さん、もとい加奈子はいつもの調子を装って僕に声をかける。


そして、たとえ僕が勝っても、後出しとかいって難癖をつけ最終的な勝利をいつものように手にするのだった。


「ふふ、立山くん、ジャンケンは人生そのものだよー。私は勝者で君は敗者。ところで君、今日はマンションに帰ったあと、何を、するつもりだね?」


何をって、そうだ!帰ったらあの赤いベビードール姿のミナセが待っているのは間違い無いだろう。


「暇だったらこの年の瀬、徹カラとかどうかね。おっと、人生の敗者の君に拒否権は認めないよ。」


と姉さんは話を強引にまとめにきた。でも、正直ホッとした僕。これで人目も気にせずあの家に帰らずにすむのだから。え、いや、人目?


「お?お二人さん熱いね。クリスマスイブ二人で塾から行くとこ見ちゃったっ。」

と他の講師から、からかわれる。


そうなのだ。あのクリスマスイブの逢引から僕らは公式カップルとしてもうデビューしているのであった。


「みんなー、我々はカップルじゃないよ?勘違いしないでね。主人と下僕の間だからっ。」


うぅ。山本姉さんひどい。


塾の講義が終わると僕らは二人でカラオケに行った。そして徹夜で歌い尽くす……わけもなく、途中でやめ山本の姉さんの元の住居に引きずりこまれた。お持ち帰りされたというわけだ。


山本姉さんのマンションは綺麗目な女の子の部屋という感じで、コテコテの可愛い系のインテリアではなかったけど、いい香りがして僕はとてもリラックスすると同時に期待してしまった。


「この部屋にくる男の子は君が初めてだよ?」


と山本姉さんは言ってくれた。

それはとても純粋な女の子の素顔に僕には思えた。


「さ、今夜君はあたしの命令をなんでも聞くお人形さんに改造されちゃうんだぞ?意を結したら、シャワーを浴びに行きなさい。立山くん。」


僕は迷うことなく、シャワー室に足を向けるのであった。


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