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二人きり

水瀬が帰り、僕はつかの間の平穏を得た。

とはいえ明日になれば山本の姉さんは帰り、水瀬が戻ってくる。


二人きりのうちに山本の姉さんに聞いておかないといけないことが色々とある気がする。


「その山本さん、って呼べばいいのかな。色々なことがありすぎて僕の頭は今とても混乱しているのだけど。えと、姉さんが八海佳奈でセクシー女優というのがどういうことなのか、よくわからないんだ。」


山本の姉さんは、いつもの山本の姉さんの調子には戻らない。

「智史さん、なぜ私が引退したか聞きたいですか?」


智史はうなずく。


「男はロマンチックで女は現実的なの……。智史さんのことは講師仲間としてよく知っていたし、だから智史さんとお見合いしてたときも楽しかった。ただの御曹司だったら引き受けなかったよ。」


彼女のセリフは暗に智史が御曹司であることも理由だと言っていた。それはそうだろう。高額の報酬が得られる女優業をやめるのだから。


「僕は御曹司じゃない自分を山本の姉さんに好きになってもらいたいけど……。甘えなのかな?」


山本の姉さんはジーと僕をみて、んーと声を出すと。

「じゃぁ、智史さんは私が色気のないただの地味な女の子だったとしても好きできてくれます?」


「もちろんだよ!」僕は即答する。


すると彼女は

「ふふ、嘘だとしても嬉しいです。私も御曹司じゃない智史さんも好きですよ。でも御曹司の智史さんはもっと好きだし、智史さんも私がセクシーなのは嬉しいでしょ?」


結局、ありのままを好きになるというのは幻想にすぎないのだ、と智史はなんとなく感じ取った。いったい人はどこまでがありのままだというのだ。現実には智史は御曹司でそれを辞めることなどできない。そして、もし智史が、勘当されたら山本は僕に幻滅するのだろうか?という疑問がわき、そして同時にあの親父ならやりかねないなと思った。しばし黙っていると。


「智史さんは山本の姉さんである私としたい?それとも八海佳奈としたいのかな?」

と彼女はたずねた。


「八海佳奈としたいけど、佳奈が山本姉さんだともっとしたい。」

現実に仕事仲間がセクシー女優だったということは僕の煩悩のブレーキを完全に解除してしまう。正直とても興奮する。


「ほら?そうでしょ?それがありのままの加奈子だから、とても嬉しいよ。」

彼女は僕の服に手をかけた。


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