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18話 理由

「本当は登録が終わったら護衛依頼でもでっち上げて王都まで行ってもらおうと思ったんだけどね」

「やけに王都に行かせたがるな。そもそも王都までこんなに近いんだから護衛なんていらないだろ。どっちにしろ戻る気はないけどな」


 王都に留まりたくなくて出てきたのにすぐに戻ったら意味がないからな。


「近いからって甘く見るんじゃないよ。それで護衛を付けなかった商人が盗賊に襲われた例もあるんだからね。と、帰そうとした理由だったね。一週間ほど前から王都とは反対方向の森の様子がおかしいんだよ。それまで見かけることがなかった強力な魔物が現れたりしてる。それでか何人も行方不明になっちまってるんだ。死体が見つかってるやつもいるが、やっぱり力量が足りない新人の割合が大きいのさ。だから原因が分かるまでは登録を控えようと思ってたのさ」


 そんなことがあったのか。前回もこの町に寄ったがそんな話聞かなかった。半年経ってたからすでに解決していたのかもな。しかし、王都のギルドと情報交換しているって話だったが何も聞いてないぞ。そこは教えておいてくれよイレーシアさん。


「ん?ってことはゴブリンロードも関係あるのか?」

「関係ないんじゃないかい?あったとしたらこの異常で住処を追い出されたかだね」


 おいおい、あんなのが群れごと追い出されるようなやばいやつがいるのかよ。


「強力な魔物が現れたら基本的にそこのバッカスを筆頭にバカ共に体張ってもらってるよ。あんなのでもBランクだからね」

「Bランク!?ご主人より上…」

「俺はまだ冒険者になったばかりだから。それに俺より強い人なんてたくさんいるし、バッカスは強いよ」


 今はまだ、だけど。前回の旅で分かったことだが、勇者のスペックはかなりのものだ。強くなる速度が他の人に比べて相当速い。少し集中して魔物を狩り続ければすぐにバッカスを追い抜くことが出来るはずだ。


「謙虚なのはいいことだよ。まぁ坊やなら無謀なことはしないだろうし大丈夫だろうね。坊やがEランクだからDランクの依頼まで受けられるけどどうするね?」

「討伐系の依頼ってある?」


 目的はまずランを強くすることだからな。もちろん俺も強くなる必要がある。さすがにその強力な魔物ってのは今はまだ無理だが、目標はそいつをラン一人で倒せるくらいにすることだな。


「そこのお嬢ちゃんもいるからね。とりあえずコボルト十匹、ポイズンスライム五匹、オーク一匹の討伐くらいがいいんじゃないかい?」

「……全部Dランク依頼の依頼じゃねえか」

「坊やがいればなんとかなるだろ。パーティなんだしお嬢ちゃんのポイントにもなるんだから丁度いいだろ?」

「うん。たくさん魔物倒して強くなる」


 はぁ、ランもやる気になってるし水を差すのも気が引けるな。やばいと思えば無理矢理にでも逃がせばいいか。

 依頼を受注したあとバッカスにも軽く挨拶してギルドを出た。やっぱりランが睨みつけるもんだから少し悲しそうな顔をしていた。ちゃんと説明しておくから今は勘弁してくれ。




 入ってきたのとは別の出入り口から町を出て森の方に向かって草原を歩きながらランと依頼の内容や魔物との戦闘について話す。


「さて、ランが待ちに待った魔物との戦闘をこれからしに行くわけだが、覚悟はいいか?」

「うん。任せて」


 とは言うが魔物との戦闘は初めてだ。まずはゴブリン辺りと一対一で闘わせてみて慣れてもらうのがいいだろう。ゴブリンはどこにでもいるからな、ちょっと探せば見つかるだろう。

 草原にいる内に一回闘っておきたかったんだが森に着いてしまったな。


「ん、何かいる」

「え?何かって?」

「分からない。ご主人、こっち」

「あ、ああ」


 俺には分からない何かを感じ取ることが出来るのか、迷うことなく森の中をランは進んで行く。奴隷になる前に歩き慣れていたのか、それとも獣人としての本能なのか危なげなく、その上で音を立てないように静かに先行していく。

 そして百メートルくらい進んだくらいでランは止まった。


「いた。あれ」

「おお、すげえな…」


 狼の獣人って皆こんなに凄いのかな。半端ない索敵能力だ。たかが百メートルくらい、なんてバカに出来ない。これだけ遮蔽物がある森の中で魔物の場所が分かるってのはかなりのアドバンテージになる。

 それに丁度いい。四匹と少し数は多いがゴブリンだ。武器も棍棒と大した物は持っていない。初めての戦闘にはうってつけだ。


「じゃああのゴブリンを倒すぞ。俺が三匹を足止めするからその間にまず一匹を仕留めるんだ。訓練も兼ねてるから暗殺じゃなくて正面から倒すんだ。出来るか?」

「大丈夫」


 少し心配していたが緊張はしてないみたいだな。

 合図を出して俺たちはゴブリンたちに突っ込む。

 ゴブリンたちも俺たちに気付き武器を構えるが驚いているのか腰が引けているように見える。あまり一方的になると逃げ出すことがあるから殺してしまわずに先頭にいたゴブリンの棍棒に剣を合わせ軽く押して転ばせる。慌てている内にランが一匹と向かい合う状況を作る。

 よし、これで残りがランに向かわないように上手いことコントロールしないとな。


サブタイトルにテキトー感が滲み出ている・・・

付いている方が好きなんだけどもっと凝った方がいいんでしょうか・・・


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