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10話 報告

小説ページから私の名前をクリックで作者のページにいけるようになりました。

よろしければどうぞ!


 休みたいところだがせめてあの子の状態を確認しないと。


 特に縛られたり拘束されているってこともなさそうだな。見る限り怪我もないみたいだ。息もしているし気絶しているだけでよかった。

 ……長い時間戦闘ばかりしてたからかな、だけって言うが気絶って全然よくないよな普通。元の世界なら病院行きレベルだよ。


 しかし起きる気配がないなこの子。横であれだけ暴れてたってのに、担いでいくしかないか。ゴブリン共の素材や武器も持って帰りたかったんだが諦めるしかないか。ゆっくりしてると血の匂いで他の魔物も寄って来てしまう。


「よっ」


 俺は少女を背負い洞窟の出口に向かって歩き出す。


「うわぁ…我ながらこれは酷いな」


 一本道の洞窟の通路に足の踏み場もないくらい所狭しとゴブリンの死体が転がっている。それだけならまだいいのだが、如何せん使った得物が悪すぎた。こう、グチャって感じに……ね?


「これは寝ててもらって正解だったかな」


 途中で起きられても堪らない。特に何も起きず早足で脱出する。

 洞窟を出てからの森でも魔物に見つからないよう注意しすぐに街に戻った。


「ん?おい、お前昨日の昼にここを通った坊主じゃないか?」

「え?あぁ門番のおっちゃんか。って昨日の昼?マジかよ日付変わってたのかよ」


 道理で出たときより明るいと思ったよ。さっさと寝たい。


「だからおっちゃんって言われるような歳じゃねえよ。それよりどうした、血だらけだし何よりその背負ってる女の子は?」

「この子はゴブリンに連れ去られてたのを助けたんだ。ただ最初から気絶してて名前とかは何も分からないんだよ。そうだ、俺はこれから冒険者ギルドに行くからこの子は衛兵の方で預かってくれないか?」

「あぁそれは大丈夫だ。それにしてもゴブリンに攫われて満足に助けるなんてお前さんすげえじゃねえか!冒険者ギルドには事情の説明に?」

「そのつもりだ。さっさと終わらして休みたいよ」

「はっはっは、お疲れさん。この子も一応衛兵の詰め所に常駐の医者に診てもらうから安心してくれ」

「ホントか?ありがとう」


 本当にいい人だな、このおっちゃん。前回会えなかったのが残念だな。いや前回のことは関係ない!今度は自由に楽しむって決めたんだからそれで問題ない!


 と、着いたな冒険者ギルド。

 昨日来た時とあまり変わらずそんなに人が多くないな。ちょっと時間感覚狂ってたけどもう昼前なんだな。


「あ!?ユウジさん!」


 ん?冒険者登録してくれた受付けさんか。慌てた様子だけど何かあったのか?


「昨日はどうしたんですか!?そんなに時間が掛かるような依頼ではなかったはずなのに来られなかったから心配したんですよ!」


 ……なるほど、そういうことか。危なかった。簡単な依頼も出来ないやつと思われるところだった。


「ちょっとイレギュラーがあって時間が掛かってしまったんですよ。とりあえず依頼分の薬草2種類とギルドカードです」

「え?あ、はい。確認します。後ほどお話をさせてもらいますからね」


 ふう、確認が終わるまでのんびりさせてもら……

 

「ユウジさん!こちらに来てください!」


 ……なんか今回になってこんなんばっかだよ…。


「どうしたんですか?薬草の数合ってませんでしたか?」

「それは問題ありません!それよりカードに記録されたゴブリンの討伐数の多さと、なによりゴブリンロードの討伐記録があるのは何があったんですか!?」


 あんまり大きな声で言うのは止めて欲しい。少ないがギルド内にいる冒険者にも聞こえてざわつき始めてるじゃないか。


「ゴブリン討伐の依頼をこなそうと思ってたら少女がゴブリンに連れて行かれてるのを見つけて、助けるためにやつ等が入って行った洞窟に乗り込んだら居たんです。どうにか殲滅出来たからその群れからの被害は今後はないはずです。あ、その少女は門番の人に預けましたから大丈夫だと思いますよ」

「そんな!なぜすぐにギルドに応援を要請しなかったんですか!?」

「そんな悠長なことしてたら手遅れになるだろうが」

「ッ!?そ、それは……」


 だめだ。この件に関して神経質になってるみたいだ。つい口調が荒くなってしまった。


「すみません、俺も応援を呼ぶことは考えたんですが焦ってしまって」

「こちらこそ申し訳ありません……無事でよかったです」

「いえ、そう言えば言い忘れてました。心配してくれてありがとうございます」

「え、あ、いや、え……………どう…いたしまして……」


 こんなに心配してくれるなんて門番のおっちゃんといい、やっぱりいい人が多いな~。それなのに当たるような言い方をして悪いことをしてしまったな。

 顔を赤くしてぷるぷる震えてるし怖がらせてしまったみたいだしどうしよう。


「えっと、依頼達成の報酬はどうなりますか?」

「は、はい!依頼は文句なしで達成です。まず本来の依頼分の報酬がそれぞれ大銅貨一枚ずつになります。別途で魔物討伐分になりますが、スライム一匹とゴブリン六十七匹、ゴブリンナイトとゴブリンメイジ、ゴブリンロード一体ずつで、一万五百四十フランになります」


 『フラン』と言うのはこの世界の通貨のことだ。一般的な宿の一泊の宿泊費がおよそ十フランくらいになる。

 それを考えると結構な額になったみたいだな。やっぱりゴブリンロードが高かったのだろうな。素材を持ち帰れなかったのが悔やまれる。


「ギルドに預金することも可能ですが如何なさいますか?預金額はギルドカードに記録され別のギルドでも引き出すことが可能になっております」

「いえ今回は大丈夫です」

「かしこまりました。そしておめでとうございます!今回依頼達成によりランク昇格となっております」


通貨などのお金に関する点はあまり気にしないでください。

基準を途中で変更する可能性があります。

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