黒いスウェット
こんな生活はあと何年続けられるだろう
秋の空、自転車にまたがりバイト先から家に帰る。
少し冷たくなった空気は、頬をかすめながら金木犀の匂いを運んでくる。
受験勉強を頑張った甲斐があって、国立大学に入学することが出来た。
高校生に戻りたいと思う事はあっても
大学に入ってからの生活は日々、充実していると思う。
授業に真面目に出ているとはいいがたいが、
単位を落とさない程度には授業にも出ている。
一年生の頃は、まだどこか浮ついたところもあって
どことなく、構内をうろうろとしていたが、
最近では、サークルの部室にいる時間が増えている。
入学式の時、上回生の勧誘の波にもまれていたが、
ついこないだは、自分が上回生となって、勧誘の波の一員になってしまった。
サークルの仲間たちは、性に合っていると思う。
さほど、派手ではないが、面白い仲間たちだ。
いまのバイトは半年前から始めた。
店長が突然、ブラックジョークを言ってくる以外は、戸惑うことなく、続けられている。
先輩には、変な人もいるが面白い人も多い。
特に今日は同世代だけのシフトだったので、終始雑談をしながらバイトをしていた。
授業、サークル、バイト
こんな生活はあと何年続けられるだろう。