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異界保育園ティルナフォム  作者: 寛天茶屋
2/7

異世界落下(2)

「なん・・・なに?これは?」

 思わず、というか当然、何度も見てしまう。

 少なくとも日本・・・ではないと感じる。

 どちらかというと、この前ネットサーフィンしてる時に見た地中海とかの家並みに近いように感じる。

 というか地球ですらないかもしれない。

 なにしろ太陽が二つ見える。この目で見た、それは事実だ。


「そうだ・・・携帯・・・」

 ふとポケットにスマホが入っていたことを思い出す。

 落ちた時に割れたのだろうか?画面にひびが入っている。

 画面は割れていたが電源ボタンを押すと起動した。

 デジタル時計は午後3時33分を指していた。

「・・・あれ?俺が片付けしてたのも、そのくらいの時間だったような。」

 丸一日・・・それ以上?気を失っていたのだろうか?


 その時である。窓の反対側からコンコンと扉をたたく音がして、若い女の声が聞こえた。

「あら?もう起き上がっても大丈夫なんですか?」

 スマホをポケットにしまい、振り向くとそこには修道服を着た若い女性が立っていた。

 よかった、普通の人だ。だがなぜ、コスプレをしているのだろうか?

 頭に羊のような巻き角と腕と首回りにふわふわとした毛をつけている。

「あの・・・ここは?」

「ここはフォム教の教会、ティルナフォム教会です。」

「フォー・・・フォム?」

「そうです!いやぁ、お洗濯をしてたら空からあなたが降ってきてびっくりしましたよ!」

「は・・・?え・・・?」

「あれ?覚えてないんですか?あぁ、でもすごい高さから落ちてましたもんねぇ。記憶の一つや二つ飛んでも仕方ないかもしれないですね。」

 女性がニコッと笑う。

 それにしてもフォム教・・・聞いたことのない宗教だな。


 というか降ってきたって?

「えーと・・・降って・・・降って来たんですか?」

「ええ!ピューって感じで。ドッスーンと干してあった藁束の上に降って来たんです!」

 もう一度さらりと言われる。一体どういうことなの?

「あっ、そういえば自己紹介していませんでした。私、ワーシープ族のシーラと申します。」

 ・・・ワーシープ?シープ・・・羊?

「えーとワーシープ?って何ですか?」

「はい?」

 キョトンとした顔をするシーラさん。

「何って?どういう意味ですかね?普通に私の種族を紹介をさせてもらったのですが・・・?」

「えーと・・・」

 なんと言えばいいのやら・・・ヒトじゃないってことなのか?

「落ちたショックで混乱しているのかしら・・・?自分の種族とお名前はわかりますよね?」

「俺の名前はスギタ ヒロトです。種族・・・種族?はヒト・・・人間です?」

「スギタヒロト?変わったお名前ね?」

「あっヒロトでいいです。」

「それに種族がヒト?・・・うーんごめんなさい聞いたことない種族だわ。」

 シーラさんは申し訳なさそうに言った。

「あっそうだ!ヒロトさんと一緒に落ちてきたものがあったんでした。今とってきますね!」

 シーラさんが立ち上がりパタパタと部屋を出て行った。

 完全に出て行ったのを見届けてから考える・・・

 今の数分だけでフォム教、ワーシープ・・・知らない単語と疑問ばかりが増えていく。

 ここはどこなのだろう。俺はどうなってしまったのだろう。

 俺は家に帰れるんだろうか・・・

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