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捕らわれ詐欺師とお嬢様  作者: モトキ
4/22

捕らわれ詐欺師のスクールライフ

俺はほみか先生の後に続いて教室に入ったが、教室の生徒の雰囲気は静寂に包まれていた。

 そして生徒の大半が俺を品定めするかのような目で見ていた。とりあえず、目だけ活発に上下左右に動かしてる姿はストップ&ストップでよろしくです。

 「皆、今日から新しい友達がきたぞー」

 ほみか先生が嬉しそうに声を発すると

 「宮場、自己紹介をして、なんか笑いのネタとかあるならやっていいぞ」

 本日はネタが完売しております。

 「鹿児島から転校してきました宮場翔貴といいます」

 俺は最低限生徒全員に聞こえる優しい声と笑顔で自己紹介を始めたが、もちろんネタは披露はしません。

 俺のここでのキャラ設定は基本みんなに敵視されない程度に大人しくかつ誰にでも優しい男だ

 「皆さんと仲良くできたら幸いです」

 目立つのは今は避けたいからな

 「よろしくお願いします」

 俺は頭を下げたまま生徒のリアクションを待っているとパチパチと拍手の音が聞こえたので急いで頭を上げると一番前の女子生徒が叩いており、他の生徒もつられるように拍手を俺に贈る。

 「自己紹介もすんだし、宮場は一番後ろの空いてる席に座れ」

 「はい」

 俺は自分の席に向かう途中に一番最初に拍手をしてくれた女子生徒をチラリと見た。

 クラスの中でも上の立場かな?………空気を読める力、他の生徒が彼女に続いて拍手をした所を見るとクラスの信頼もある程度はありそうだな。まぁ、チェックしときますか。

 口元を緩ませながら自分の席に座り、隣の女子生徒に挨拶をした。

 「宮場です。これからよろしくお願いします」

 「………………………」

 え、え、え?俺の声小さかったかな?ごめんね。

 「宮場です。これからよろしくお願いします」

 「………うざい……話しかけんな」

 先生……とりあえず席替えがしたいです。俺の想像してるお嬢様の姿はそこにはなかった。現実はいつも厳しいね。

 何故にそんなに不機嫌なのかはわからないが、彼女は後で、もう一度話しかけるとして周囲の観察でもするか。

 なるほどねー。俺含めて男子15人、女子15人の合計30人のクラスか。たしか1学年に4クラスあったな。結構いるなー。まぁ、青沢彩夏を見つけないと始まらないか。 

 考えてる間にホームルームが終わりほみか先生は職員室に戻っていた。次の授業が始まるまで時間があるみたいだし、情報収集でもするか。

 「おい!転校生」

 おやおや、二人組の男子生徒が話しかけてきてくれたよ。行く手間が省けてよかった。あざーす。

 「はい?なんでしょうか?」

 「おまえさー。なんか田舎くさいよな」

 「てか、成り上がり感がハンパないな」

 クラスで必ずいたりするんだよな。転校生に嫌な意味で絡んでくる奴。

 「すいません。僕は皆さんと違って田舎者ですし、僕自身も突然の転校で困惑してますよ」

 俺は苦笑いをして返答した。

 「覚えとけ。ここは権力主義だから、田舎者は俺達の命令をきいて小さく生きていけ」

 「わかったな」

 ドヤ顔がうざいし、モブ臭が凄いなこいつら。たぶん……これ以降は出番は少ないだろうし、優しくしてあげよ。

 「ありがとうございます。二人のご意見ありがたく胸に刻んでおきます」

 「へ、俺は木村涼だ。偉大な医者の息子だ」

 「俺は伊藤裕太。俺の父も偉大な医者」

 かぶってる。お前らキャラも設定もかぶってるからな。

 「凄いですねー。やっぱり立ち振舞いからして違いますね」

 こいつらは持上げると喜ぶタイプだな。適当に気持ちよくさせて情報を聞き出すか。

 「まぁーな。お前達とは違うからな」

 なんだ?お前達?

 「お前達ってなんですか?」 

 「あぁ、おまえは知らなかったな」

 二人はニタニタ笑いながら、俺の横の席の女子生徒を見て

 「このクラスにはもう一人いるんだよ」

 「そうだよなー。青沢」

 「え!」

 俺は不覚にも驚き横を見ると、明らかに不機嫌な顔をして二人の言葉を聞いている女子生徒がそこにいた。

 「会社がピンチになる前は調子にのってたが、今じゃ大人しくなったじゃねーか?え、青沢さんよ」

 「…………」

 こいつが青沢彩夏かよ。まさかの展開だし、神様もイタズラ好きですね。まぁ、あのデカパイ刑事が顔を確認させてくれてたらよかっただけの話だけど、顔を知らない方が初めて会うときに自然に怪しまれないからと言ってたけど、ファーストコンタクトは無視されたし、むしろ知ってた方がよかったよ。俺の心が傷つかずにすんだ。

 「つまり、お前達二人はお似合いの席だったわけだな」

 「落ちこぼれ同士な」

 いえてるわ。俺達にとって最高の席に違いない。しかも、俺は詐欺師ですから、落ちこぼれもいいとこ。ただ、青沢彩夏に挑発するのはやめていただきたい。現在彼女は体全体をプルプルさせて、爆発2秒前な感じだから。……だが、ここはバカ二人にのっとくのも手かもな。

 「やめてくださいよ!田舎者の僕だって、青沢さんの会社の事は知ってます。終った企業の娘さんと一緒にされたくないですよ」

 俺は嫌そうな顔をしながらいった。

 「新人君も言うねー」

 ケラケラ笑うバカ二人が楽し気に言った。

 「バン」

 机を叩き

 「……言ってろ」

 今にも人を殺すんじゃないかと思わせる目線を俺達に浴びせ、青沢は怒りをあらわにし教室から出ていった。

 「………」

  あの子を生徒会長にするのか。やれやれ、なかなか大変な仕事だな。まぁ、犯罪者の俺が文句は言えないけども。

 「うけるわー!図星つかれてキレやがった」

 「宮場ー、仲良くやれよー」 

 バカ二人は青沢を見下して満足したのか、嬉しそうに自分の席に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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