表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
捕らわれ詐欺師とお嬢様  作者: モトキ
13/22

捕らわれ詐欺師とお嬢様

 俺は寮に帰宅後、青沢からの送られてきたLINEを読み安堵する。

 「うまくいったみたいだな」

 青沢からのLINEの内容は真木と友達になったとの報告だった。

 青沢もかなり嬉しかったのか、スタンプや絵文字を使い嬉しさを全面に出しているLINEだった。初めて自分自身で築いた関係だし浮かれもするだろ。俺にとっても喜ばしい。

 「まぁ、俺にはわからない感情だけどな」

 俺に友達はいない。友情なんてもんもよくわかならい。利用価値があるかないかそれだけ。目的を果たす為、価値があれば俺は相手を騙し演じる。それ以上でもそれ以下でもない。今までもこれからも。

 ……やめやめ!くだらないことを考えちまった。

 「さーて!明日に備えて早めに寝ますかね」

 青沢にLINEの返事を返し、俺は夕食を食べ風呂に入り早めに眠った。


 目覚ましがなり俺は起床するとゆっくりと学校に行く準備をし朝食を食べ学校に向かう。教室に入るといつもとは違い教室内がざわついている。俺は状況を確認する為周囲を確認する。

 「……なるほどね」

 俺は黒板を見て納得した。


 真木桐花の秘密!!親友の彼氏を誘惑し体の関係を迫る!


 黒板に大きくかかれており、それを見た生徒達はざわついている様子だった。本当か嘘かはわからないが人は他人の秘密が基本好きだ。

自分には実害はないからことさら面白い。特に男連中はお年頃だからね。かなりテンションがあがっている。

 「マジかよー!!」

 「うぉーー!!これはやばいだろ」

 バカなんです。男って生き物は。特にモテない男子はね。

 そして一番やっかいなのは文字じゃない。その横に貼られている写真だ。その写真には真木の下着姿が写っていた。

 最悪だ。文字だけならなんとでもなるが、写真となると真実味が増す。むしろ人を信じこませるのに十分な力がある。

 「しかけてきたな」

 俺は小声で呟くと、後ろから鞄が落ちる音がする。タイミング的に良すぎるよ。俺は確信を持って振り向く。

 「………………」

 ですよねー!!そこには黒板を無言で見ている真木と驚きを隠せてない青沢がいた。

 そして真木の存在に気づいた生徒達は一斉に冷やかしの言葉を投げ掛ける。特に男子!女子も軽蔑の眼差しをむけている。

 そして、ついてないことに花城が今だ登校してない事でこの場を制止する人物もいない。普段は早く来ているのだが。

 「う、うるさい!!あんたら黙れ!そんなの嘘に決まってんでしょ」

 周りのヤジに青沢が反応し真木を庇うが力のない青沢に誰も聞く耳を持たない。

 「いやいや、写真とかあるしー」

 「人の彼氏を奪うのはないわー」

 「てか、意外に真木っていい体してんのな」

 青沢はふざけんなとばかりに黒板をものすごい勢いで消す。そして写真をその場で破り捨てた。

 「あんたら!最低だ!!」

 青沢は声をあらげて怒鳴りつける。その本気の声にヤジが止まる。教室内が静まると青沢は真木に歩みより優しく声をかける。

 「大丈夫よ。私はあんなの信じてないから」

 「…………」

 真木は青沢の声に体が反応し、自然と別の方向に走り出した。

 「真木!!」

 青沢も真木を追いかけて走り出す。もちろん僕もこっそりとついていきますよ。

 

 真木が向かった先は別の教室。いきよいよくドアを開けると目的の人物に歩み寄り胸ぐらを掴み怒鳴り付ける。

 

 「一体なんのつもりよ!!」

 

 「いきなりなに?少し落ち着きなよ」

 後藤は驚くそぶりで真木に問いかける。周りにいた生徒達も驚き何事かと注目する。

 「ひ、卑怯じゃない!!わ、わたしがなにしたのよ!あの時だって……あの時だって」

 掴んだ手は怒りに震え、言葉も上手くしゃべれず、瞳からは涙が溢れていた。

 「いやいや、意味がわからないな。とりあえず離れてくれないかな」

 後藤は嬉しそうに真木の表情を見ると、掴まれている手を優しく払いのける。

 遅れながら青沢と俺が来た時には教室は修羅場になっており、明らかに真木が不利な状況にいることは明白だった。それもそうだ。いきなり違う教室の生徒が怒鳴り、泣きはじめたら誰だって頭のイカれた奴がきたと思う。

 「青沢。一旦、真木を連れて戻るぞ」

 このままだと本当にやばい。俺は青沢に耳打ちをする。すると無言で青沢は後藤の元に歩き始めた。

 「助けてくれ。真木さんの友達だろ。迷惑だから早く連れて帰ってくれ。」

 後藤は俺たちに気づくとあたかも困ってますアピールをする。普通にしらじらしいが今はのるしかない。

 青沢が後藤の所に着くと後藤に話しかける。

 「あんたがやったの?」

 「だからなんのことかわからない。いきなり情緒不安定で困ってるのはこっちなんだけど」

 「………………」

 「いいから連れて帰ってくれ。……友達なんだろ?」

 青沢は後藤の顔を無言で見据える。すると落ち着いてきたのか後藤のとりまきの女子達が声をあげる

 「なんなのよ!マジでやばい!てかきもい!」

 「後藤君になにいってんの?早く帰れよ!」

 それでも青沢は無言で後藤を見る。しばらくすると真木に話しかける。

 「……真木。とりあえず戻ろ。大丈夫だから」

 青沢は真木の手を繋ぎ優しく連れ戻そうとする。真木も唇を噛んで悔しそうに頷く。

 それを見た後藤は周囲に聞こえないよう青沢に耳打ちをする。


 「…………写真なら他にもあるよ」

 

 後藤はニッコリと嬉しそうに呟いた。


 「ふざけんなーーー!!」


 青沢は我を忘れ後藤の頬にビンタをする。正直わかっていた。真木がこれ程怒り泣いている。こいつがやったのはわかっていた。でも青沢も今おかれた状況はわかってたから我慢した。


 「絶対に許さないから!あんたは絶対に!!」

 

 もう制御がきくはずもなかった。青沢は再度ビンタをしようと手を振り上げる。


 「…………やめましょう」

 俺は青沢の手を無理矢理制止する。

 「……なんでよ」

 「後藤さん。本当にすいませんでした。この2人についておもう所はあると思いますが許して下さい」

 俺は深々と頭をさげる。そしてクラスの生徒達にも頭をさげた。

 「皆さんも朝から不快な気持ちにさせてすいません。少し勘違いがあり迷惑をお掛けしました」

 「はぁ!後藤君を殴って謝るだけなんてありえないから」

 「土下座くらいしなよ。ねぇ?後藤君」

 とりまきの女子達が喚きちらし後藤の方を向く。

 「もういいよ……誤解とはいえ俺もなにかしてしまったのかもしれないし。……だからお互いに水に流そう。」

 後藤は満面の表情で俺達に伝える。周囲は後藤の懐の大きさに驚き感銘をうける。

 「いえ!!スジはとおさないといけませんね」

 俺は正座をし手を前に出し地面に頭をさげた。


 「本当に申し訳ありませんでした」


 俺は後藤に対し土下座をした。うーん!!デコにゴミが!!汚いしなんか臭い。

 それを見た後藤や生徒達はマジかという目で俺を見てクスクスと笑い声も聞こえる。青沢達は呆れたと幻滅した表情を俺にあびせる。

 「プライドはないのかい?無様だね。まぁ、もういいから帰ってくれ」

 後藤は虫けらを見る目で俺を見下し手で合図をする。

 「はい」

 俺は立ち上がり無理矢理2人を教室から連れ出した。


 足取り重く教室に戻る最中、青沢は口を開く。

 「……宮場。見損なった。あんな奴に土下座なんてして」

 「…………」

 「犯人はあいつなんだ。それなのに」

 「……証拠は?」

 「あいつが私に言ったんだ。他にも写真があるって」

 「なるほど……なら録音はしたんだろーな」

 「はぁ!出来るわけないでしょ」

 「なら……証拠はないしお前と真木が暴れただけの事実が残るわな」

 青沢は痛いところをつかれ口ごもる。

 「たしかに犯人は後藤だろ。だがな立証できなければ意味なんてない」

 後藤は真木に対し風評被害をだしおとしいれ、真木、青沢をつかい自分の評価を高めた。

 「それでも謝る必要なんて……しかも土下座」

 「手をだしたら負けだ。正しくても負けになる。それにあの場でお前らは謝れないだろ。なら……それは俺の役目だ。」

 プライドなんてのは時に捨てる。あの場でスジをとおさなければ納得しないだろう。安いもんだ。

 「それと真木!」

 俺は酷く心が不安定になっている真木に問う。

 「……お前の心にある問題。そろそろ教えてくれないか?」

 真木は俺の言葉に体が反応を示す。

 「あんたね!今の状況わかってる?」

 すかさず青沢の制止がはいる。少し口調が強い青沢さん。

 「今だからだろ。本当か嘘かわからないが一部の生徒がこの件を知ってしまった。はっきり言ってどんなに否定しても遅いぞ。なら、真実を知らないと対処もできない」

 こんな状況だからこそ聞き出せる。人は弱い生き物だ。心が不安定だからこそ誰かにすがりたくなる。

 「それ……でも」

 「大丈夫。青沢さんには話すつもりだったし、それに青沢さんと一緒にいる宮場君なら……」

 真木の表情は浮かないが覚悟を決めた目で俺達を見る。

 「……真木」

 「ホームルームが始まるが場所を変えよう。今さらサボることに抵抗はないよな?」

 俺はニヤリと笑い、それを見た2人は顔を見合せて少しだけ笑う。


 場所を屋上に移し真木は深呼吸をし瞳を閉じて思い出す。真木の心の闇。俺達は真木が話すのを焦らずに待つ。

 しばらくすると真木は瞳を開けて話始める。


 「中等部時代の話。私には親友と思っていた子がいた。名前は川瀬夏見。小さい頃から仲がよくて、本当になにをするにも一緒だったしかけがえのない人だった」

 真木はゆっくりとあの頃を思いだし穏やかな口調で話す。

 「たまたま3年の時同じクラスになってね、嬉しかったし、毎日が楽しかった。でもそのクラスには後藤太一がいた」

 真木は唇を噛み悔しそうな表情を見せる。

 「当時から後藤はあの容姿で女子生徒達から人気もあった。私は男性に興味がなかったからよくわかんなかったけどね」

 「…………嫌な野郎だよ」

 「あんた……嫉妬してんじゃないわよ」

 青沢は軽く軽蔑の目を見せた。クソ!!俺は悪ない!!悪はリア充!

 「でも夏見は少し後藤を意識してたみたいだった。初めて夏見から恋の相談されたりもしたし応援もした。まぁ、私達は目立つタイプじゃなかったし、夏見自身も実際にアプローチはできず遠目から見てたくらいなんだけどね」

 「そんな毎日も楽しかったし恋をしてる夏見を見るのもなんか嬉しかった」

 すると突然真木の口調が暗くなる。

 「でも……あの日から全てがおかしくなった」

 真木は何かを考えるように口ごもる。

 「……後藤は真木に告白してきた」

 俺は真木に問いかける。

 真木は俺を見ると小さく頷く。

 「……なんで私にと思ったし、夏見の事もあったから私はすぐに断ったわ。まぁ、興味もなかったしね」

 「でも……後藤は怒りをあらわにした。たぶんプライドが傷ついたからかな。……そこから後藤は私と仲のよかった夏見にアプローチをかけるようになった。夏見は本当に嬉しそうだったから、なにかおかしいと思ったけど私は言えなかった」

 「程なくして夏見から後藤と付き合うことになったと打ち明けられた。複雑な気持ちだったけど親友の恋が実ったのだから喜んだ。でも甘かった」

 真木は強く手を握りしめ震える。

 「ある日、私は後藤から呼び出され数枚の写真を見せられた。そこには夏見の裸の写真や後藤とおよんだいかがわしい写真が写ってた。そして後藤は笑いながらいった」


 「これが表にでたら大変だね。まぁ、君が僕と遊んでくれたらこんな写真は捨てるけどね」

 

 「………………」

 「…………クソ野郎」

 青沢は激しい怒りが込み上げる。今にも隣の俺を殴り飛ばす勢いだ。

 「あいつは私が断ったことの復讐の為に夏見に近づいただけだった。私が従わないと夏見の写真をばらまき夏見と別れると。後藤は夏見には優しく理想の彼氏を演じてたこともあり、夏見は心底惚れていたし、ましてや写真がでれば夏見は……」

 真木は震えながら悔しそうに。そして瞳から涙が溢れる。

 

 「なるほど…………体を許してしまったのか」

 俺は無情にもその言葉を口にした。配慮がたりないのはわかる。でも真木の口からは決していいたくない言葉だろ。

 「…………」

 真木も小さく頷く。そして必死に言葉をつなぐ。

 「後藤は私との関係が終われば、写真は捨て、夏見と後腐れがない別れをしてもらうこと。そして、私達には関わらないと約束をした」

 俺も青沢も同じ事をおもう。

 「……でも約束は果たされなかったんだな」

 「…………」

 

 「後藤は私と夏見の仲を壊す為に私との事を夏見に話した。しかも隠しカメラでとられてた……私の写真も夏見に見せて……しかも私が無理矢理にって嘘までついた」

 「…………」

 「…………」

 彼女が抱えていた心の闇は計り知れない。好きでもない男にいいようにされ、結果守りたい大切な人も守れない。

 「……夏見はもちろん怒り、泣きながら私を断罪する。私は必死に夏見に本当の事を言った。最後は私を信じてくれる。……でも遅かった。夏見は後藤を信じ私を切り捨てた。……小さい頃からの親友だった。大切だった。でも一瞬でなにもかも終わった」

 真木にとってこれ程辛いことはなかっただろう。もしかしたら自身の体が汚されることより辛かったかもしれない。

 「後藤は満足したのか、嫌がる夏見と別れ、なにもなかったかのように日常を過ごしたわ。夏見はすべてにやる気をなくし外部受験をしてちがう高校に進学した。もちろん私達の関係が戻ることはなかった」

 

 「……なるほどな!だから川瀬夏見はこの学園から去ったのか」

 「クスン…………許せない」

 納得した。当時表にでなかったのは互いにバレたらやばい案件だったわけだ。てか……青沢さん!泣きすぎ!顔がやばいよ!

 「それから私も人を信じることをやめた。一人ならこんな思いはしなくていい。それに後藤も私が一人でいることを望んでいるみたいだった」

 真木が楽しそうにしてるのが気にくわないのだろう。真木から全てを奪いつくしたのに。

 すると真木は大粒の涙を流し今まで抱えていた想いをはきだす。

 「私達がなにをしたの?あの男のせいで当たり前だった日常が壊れた。思い出したくないのに思い出してしまうの。あの男の卑劣な笑い声や顔やすべてを!私はあの男を許さない」

 「真木!!」

 青沢は真木を優しく抱きしめた。

 「ありがとう。話してくれて。大丈夫だからね。私は真木を何があっても信じるし守るよ」

 青沢は力強くはっきりと真木に伝える。

 「…………うん」

 そんな光景を見て俺は心で自分自身に問いかける。俺も詐欺師として人を騙し生きてきた。だから騙される方がバカなんだと思う。でもなんだろう。正直かなり不愉快だ。吐き気すらある。

 「真木」

 俺はバカだ。らしくない。やめろ。でも……自然と言葉がでる。

 「よく頑張った。本当に頑張ったな。……もうおまえは報われていい番だ」

  今だけは俺も嘘偽りなく言える。

 

 「後藤太一は俺が排除する」


 俺の言葉に真木は大きく頷き、少し肩の荷がおりたような表情を見せ「ありがとう」と俺に伝えた。


 時間もかなり経過し一時間目が終わる頃。真木と青沢は先に教室に戻るように伝える。戻ればかなりの風評被害にあうだろ。何を言われても否定するように真木に言う。また青沢も真木の近くにいるように伝えたが、そこは心配ない様子。真木にベッタリと離れない。

 2人が屋上から出ていくのを見ると、俺は電話を一本かけてある場所に向かった。

 

 教室に戻った真木と青沢は他の生徒達からあることないこと言われる。幸いなのが花城がうまく立ち回り教師や他の生徒にこれ以上騒ぎが起きないようにおさめてくれていた。たぶん花城にとって真木の件は見ていて不快だったのだろう。

 教師達からも事実確認の為いろいろと詮索されたが強く否定をする真木をとりあえずは様子見をする感じだ。他クラスに行った件も後藤が何故か真木を庇いその件も処分はなしだった。なにか思惑があるに違いなかったが正直ありがたい。

 ただ真木に向けられる視線がいきなり変わることはない。居心地の悪さは言うまでもないが青沢がいることで真木もなんとか耐えることができた。

 そんな毎日が続く中、後藤が動きを始めた。授業が終わり帰宅準備をしている青沢に一通の手紙が届けられる。放課後に校舎裏にくるように書かれていた。

 「…………あのクズ。上等じゃない」

 青沢はその手紙をぐしゃぐしゃにしてゴミ箱に捨てると颯爽と校舎裏に向かう。

 「青沢さん!!」

 真木も青沢の様子をみるや後を追いかける。


 校舎裏につくとすでに後藤が待ち構えていた。青沢は後藤をみるや怒りが込み上げ怒鳴りつける。

 「このクズ野郎!!なんの用だよ!!てか、真木に死んで詫びろよ!!」

 青沢はこれでも我慢していた。後藤のまわりにはいつも女子がいた為、殴り込みたい気持ちを抑えていた。真木に迷惑をかけたくなかった。

 「はぁ?バカか?お前が……いやお前達が用があって呼び出したんだろーが!」

 青沢の後ろから真木が走って追いかけてきた。

 「青沢さん…………なんでこの男がいるの?」

 真木は後藤を見ると睨み強い口調で言う。

 「睨むなよ。……まぁいいや」

 後藤は嬉しそうに青沢と真木を見る。

 「てか、真木!!さては青沢に昔の事話したな?」

 薄気味悪い笑顔を真木に向ける。

 「………………」

 すると真木は昔の事がよみがえり体が震え始める。

 「大丈夫だから」

 青沢は真木の手を握ると少し落ち着く真木に後藤は明らかに楽しそうな顔を見せる。

 「いやーよかったな!!友達ができて。てかお似合いか。青沢なんて今や、くそ底辺だし!!」

 高笑いを決め込み挑発をする。

 「……私は底辺だけど、真木は違う」

 「いや、売春女だろーが!!」

 その言葉に青沢はキレ、後藤の顔目掛けて殴りかかるが後藤に止めらる。

 「あぶねーあぶねー!俺様の顔に傷ができたら洒落にならんだろーが!てか、忘れてないからな。俺にビンタしたこと!」

 「死ね!謝れ!あんたのせいで真木がどれだけ心に傷が出来たと思ってんだ。真木に振られたからって真木の友達を利用して最低な事をしやがって!大切な友達だったんだぞ。お前なんかが汚していい筈ないだろ!!写真も返せ!真木を自由にしてやってよ……お願いだから」

 青沢は泣きながら嗚咽を吐きながら、それでも後藤に食い下がる。

 「ハハハハ!マジでバカだわ。友情だねー!てか知らねーよ!俺様を振った罰だろ。マジでうけたわ。川瀬だっけ?少し優しくしたら真に受けてよ!てめーなんか眼中なしだっての。あげく俺の嘘を信じて真木との関係も壊れたな。いやいや、楽しかったぜ。」

 後藤は心底楽しそうに真木と青沢を見下す。

 「まぁ、本題はこれからだぜ」

 後藤は懐から写真を取り出す。

 「まぁ、俺も真木には飽きてきたからな。写真とネガは返してやるよ。黒板に書いた件も俺がうまく揉み消してやる」

 後藤はニヤリと笑い青沢の全身をなめまわすように見る。

 「ちょっと!待って!」

 真木は後藤がいようとしてる事を瞬時に理解する。

 「青沢ー!お前の顔とスタイルは評価してるぜ。お前が黙って俺に抱かれるなら今言ったとおりにしてやるよ。……真木の友達なら助けてやれよ」

 「ふざけないで。青沢さんは関係ないじゃない。お願いだからそれだけはやめて!」

 真木は必死に懇願する。

 「ハハハハ!ならよ!やめてほしいならもう一度俺に抱かれろよ」

 「………………」

 真木は膝から力が抜けて崩れ落ちる。すると青沢は覚悟を決めた目をして後藤と向き合う。

 「わかった。あんたの言うとおりにする。だから真木を解放してあげて。なんでもする」

 「あ、青沢さん」

 真木は自分が情けなくて仕方がなかった。それでも怖くて今にも逃げだしたくなるのを押し殺すのがやっとだった。

 「フン!違うだろ。青沢。勘違いするな。お前ごときを俺が抱いてやるんだ。土下座で頼むのが筋じゃないか?ククク」

 「………………」

 青沢は地面に膝をつけ手をつける。

 「青沢さん。やめて」

 「ほら、言うことがあるだろ?」

 青沢はニッコリと真木に笑いかけて首を横にふる。

 「……私を抱いて下さい」

 頭を下げる青沢。プライドとかそんなのは今はいらない。後悔もしない。青沢自身が決めて答えを出した。真木を今度こそ救いたい。だって友達だから。青沢の覚悟は本物だった。

 その時だった。


 「いやー最低ですね!!」

 一同その声の方に振り向く。

 「宮場」

 青沢はおもわず呟く。そんな青沢に手を差し出す。

 「……悪い。遅くなった」

 俺は真剣な表情で謝り、地面から立たせた。

 「な、なんだよ!おまえ!いつからいた。」

 後藤は想定外の俺にテンパっていた。

 「いやいや、なかなかの演説でした」

 「…………?」

 「青沢!自分のポケット見てみなよ」

 俺は青沢にポケットをみるように促す。ゴソゴソと青沢は探すといつの間にかボイスレコーダーが入っていた。

 「今の録音されてますよ!」

 「な、な、ふざけんな!返せ!!」

 ゆでダコに見たいに顔を赤くして取り返そうとつかみかかる。

 「暴力反対だよ」

 俺は逆に締め上げる。いつも愛らしい僕だけど、これでも裏の人間だからね。護身術は身につけてるのさ。

 「は、離せー!」

 暴れる後藤に俺はいい放つ。

 「条件は3つだ。まず真木及び川瀬夏見の写真とネガの廃棄。それと金輪際真木に関わるな。最後に今回の件はお前が揉み消せ」

 「クソ!……わかったから!ボイスレコーダーは消してくれ」

 「駄目だ。お前は信用してない。安心しろ。お前が約束を守れば流れたりはしない。……お前の得意分野の約束だ」

 「……わかった」

 後藤は観念しヨボヨボになりながらこの場から立ち去ろうとする。

 「あ、ごめん!まだ用件があったわ」

 「え?」

 後藤が振り向くと

 

 「このクソ野郎がーーーー!!」


 俺は右手に力を込めておもいっきり後藤の顔面を殴り飛ばす。後藤はそのまま地面に倒れこむ。


 「てめぇーは男じゃない!卑怯な事ばかりしやがって!誰が認めても俺はお前を男と認めない!女はてめぇーの道具じゃない!真木に死ぬ気で謝りやがれ」

 このクズを殴った所で真木の過去は消せやしない。でも願わくば今日を境に前を向けたらいい。ただ、やっぱり今の俺はらしくない。自分がきもいなー!!

 「宮……場君……ありが…と…う」

 真木は心から自然と言葉がでる。その姿を見た俺はたまにわいいかと思う今日この頃だった。

 「うわぁーー!!すいませんでしたー」

 そして後藤は半べそになりながら逃げ出すように立ち去った。


 

 

 

 

 


 


 



 

 


 


 

 

 

 



 

 


 

 

 



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ