捕らわれ詐欺師のスクールライフ
「おい!ここが俺の通う学校か?」
「そうよ。この天命学園高等学校は各界の ご子息、ご息女様達が通う学校よ」
「ちぃ!これだから金持ちはムカつく」
俺は通常の高校何十個分相当の学校とちょっとした町を開けるくらいの土地面積を見て舌打した。
「まったく!自分の立場をわかってるのかしら。サ、ギ、シ、さん」
「ふん!わかってますよーーだ!」
俺は監視役の女刑事、江夏恵巡査に舌を出してバカにした。
江夏巡査は歳は25才だが刑事とは思えない童顔で、黒髪ショートカットの目は大きめで、何より胸はかなり大きい!
「またバカにして~~」
なかなか可愛いデカパイ刑事さんだ。
「ただ、本当に上の連中もどうかしてるね」
俺は唇をニヤリとさせて
「この俺に司法取引なんてさ」
「本来あってはいけないことよ。本当にどうかしてる」
江夏巡査は呆れた表情だったが、俺は感謝してる。俺がこの学校の前にいれるのは一週間前のある出来事だった。
「くそったれが!あと少しだったのに下手をこいた。」
俺は金を騙すために大企業相手に詐欺をしていたが、そこの取引相手が元刑事だった。
脱サラしてんじゃねーーよ!!
捕まった時、俺は心から叫んだ
元刑事だけあり、ボイスレコーダ等を使い証拠を残して俺はあえなく塀の中におちて、裁判所から懲役30年をいいわたされて、俺の刑務所暮らしが始まった。
30年間の刑務所暮らしは長いので脱獄を考え始めていた。
「110番!!出ろ!」
「???」
ちなみに110番は俺の事。なんだよ!やめてよね!俺は脱獄計画中なんだから。あまり部屋とか見ないでよね!!
俺は内心焦りながら、牢屋から出て看守についていった。
着いた先には応接室があった。
「中に入れ」
だからさー優しく言ってくれないとなんか入る気なくすから。まぁ、入るけども
ドアを開けるとそこには看守長と警察署長が待っていた
「失礼します」
俺は頭を下げて二人の前に立つと、看守長がいきなり俺の個人情報を話始めた
「心堂夜見、20才の職業詐欺師の独身」
「なんですか?いきなり」
「メインターゲットは大企業。そして独身」
「何故に独身を強調するんですかー!」
やめてよ。20才だよ。独身に決まってるじゃないか。彼女もいないよ。どうもすいませんねーーだ!
「親や兄弟はいるのかね?」
「いません」
看守長と署長は二人で話をしていたが、俺の顔に笑顔はなくなった。
「なんすか。昔の事は勘弁してくださいよ」
二人は俺の顔を見ると真剣に
「今から話す事トップシークレットだ」
「君にも悪くない話だ。誰かに言ったら、わかるね」
「????」
怖い怖い怖いよーー!!もう脱獄しないから許してよーー!!ごめんなさーーい
「心堂夜見君。君は各界のご子息、ご息女様達の通う高校に潜入してもらう。」
「はい?」
「君と司法取引がしたい」
「えぇーーーーーーーー」
意味がわからないし、なんのドッキリ?
もしも詐欺師が高校に潜入したらどうなる的なやつかな??なにタリングだよ!
俺が驚きフリーズしていると
「実はある大企業の社長さんからの依頼で、ご息女様を天命学園の生徒会長にしてほしいとの話をもちかけられた」
「生徒会長?」
「あぁ。生徒会長だ」
「いやいや、生徒会長って」
マジで意味わかんねぇー。たかが学校の生徒会長にしてほしいと警察に頼む親もバカだけど警察関係者もかなりバカだろ。司法取引を使うまでのことかよ。マジでいかれてるなーと思ったのがバレたのか
「君が考えてる程甘くはないよ」
「各界のご子息、ご息女様達が集まる天命学園は跡継ぎ達が集まる学校。その頂点の生徒会長になるとはそれだけのハイリターンがある」
「犯罪者と司法取引をしてまで?」
俺は真剣に聞くと、看守長と警察署長は悪い表情で
「犯罪者だからいいんだよ。」
「はぁー!なるほどね。お嬢様にはハイリターン。犯罪者にはハイリスクがあるわけですね」
「詳しくは言えんがね」
「それに人を騙す事が多くなる仕事になるだろうし君にピッタリだ」
「成功報酬は?」
「君の罪は無罪放免になるようにする」
「その言葉忘れないで下さいよ」
「もちろんだ」
ハイリスクが気になるが、30年の刑務所暮らしはきついし、俺にはやることがある。このミッションやってやる。必ず無罪放免になってやるぜーー!!
そんなわけで俺はここにいる。後の詳しい事は、俺の監視役の江夏巡査にきいてくれとのことだった。
「まぁ、国の為に使われるのは釈然としないけど、このミッションで俺は無罪放免になるならやるだけだ。....」
俺は江夏巡査に笑顔100%でいうと
「とりあえず、あなたが詐欺師なのは一部の人間以外にはトップシークレットだからバレたらその時点で終わりだから慎重にね」
「了解でーす。さて、俺の未来と国の未来の為に頑張りますか!」




