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異世界魔王の日常に技術革新を起こしてもよいだろうか  作者: おかゆまさき
第2章 【異世界承認編】 続いて異世界“魔族”の日常に技術革新をおこしてもよいだろうか
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49話 女神的女子を秘書として手元においてもよいだろうか



「「モモチャーノ!?」」



叫んだのはクラーラとリーゼル!?


えっ!? どういうこと!? なんで双子がモッチーのこと知ってるの!?!?



「若。見目は若いモモチャーノですが、彼女はフィスト家直系の分家であるエレス家の逸材。

 若くしてこの『十二連会議』に出向していた精鋭です」



「え!? ち、違うでしょ!? これはモッチー! おもちゃの女神でしょ!?」


「どういうこと!? なんでフォースタス、モモチャーノのこと知ってるの??」


「それは俺のセリフだよ!?」



 俺が混乱。



 するとモッチーに激似、瓜二つの女の子は、両手を頬に当て、クラーラに、



「クラーラ様、実はフォースタス様とは、偶然、昨日の夜……」


「き、昨日の夜、なにがあったの!? 二人の雰囲気、なんかただごとじゃないんだけどっ!」



「な、なにもないからっ! ほんとうだよ? ちょ、これどういうことモッチー! なにやってんの!?」 



「フォースタス様をサポートする人材そのいち……、美少女秘書の、モッチーですっ!」



嬉しいっ!



視界の中には相変わらずねんどろいどモッチー! そして、目の前にも秘書モッチーがいるんだけどッ!!

二人そろってなに? それ、決めポーズ!?



「……で、でも、どういうこと……?」



《# はい! あの温泉で、富士雄と直接会えた日、ですが……》



【情報化視界】の中、二頭身ぷにぷにモッチーはもじもじしながら、



《# 私、もっともっと富士雄のそばにいたくて、いろいろ考えて……あの時点から14年前に戻って、

   フィスト家の魔族として分霊体エイリアス受肉インカネーションさせたんですっ!

   いわゆる、私も転生したんですっ!》



「ですから、この私は、実に14年ぶりに、富士雄に会えたわけでして……」



なにそれすごい……!

これが並列思考ってやつなのだろうか!?


実体を持つモッチーと、俺の視界の情報化モッチーが完全にリンクしてる!!

女神様すごい。



「と、ところで、なんでモッチーとクラーラ達は、知り合いなんだ?」


「知り合いもなにも、モモチャーノとは子供の頃から一緒に育った幼なじみというか、親友よ?

 私たちが魔術大学に行っちゃったから、すごい久しぶりだけど、モモチャーノ、こっちにいたんだ」



「は、はいっ。お二人にお会いできるのも、すごく楽しみでした……」



ん……? モッチーの顔が、どんどん赤く……?



「ふ……あ、う、ぅぅうっ、と、ともあれ、……こ、これからも、よろしく、お願いいたします、

 フォースタス……様……」


「え、あ、あれ? なに?」


「どうしたのよモモチャーノ」



リアル秘書モッチー、突然クラーラの背後に隠れるようにして、うつむいて……!?



《# す、すいません富士雄……っ、なにしろ、秘書モッチーは14年ぶりに、富士雄に会えたわけでして……

   14年ですよ!? 逢えて、嬉しすぎて、素直になれない気持ちが混ざり合って、

   すごい……ドキドキなんですっ! も、もう、知りません……!》



モッチーがすごい初々しくなってるぅ……っ!?


でも、なんか俺もすごい鼓動激しいんですけど……!



「よし、いますぐ温泉にいこうモッチー」


「だ、だめですっ! これから予定はぎっしりなんですよっ!?」


「やだやだやだ! だってモッチーとしては14年ぶりなんだよね!? それを考えただけで、

 俺はもう――へぐぅーん」


「ヨーハンさんとクラーラ様とリーゼル様も見ていますっ!!」


 

なんでモッチーその書類ファイル、盾みたいな鉄板が入ってるの!?

そんなのでぶたれたら痛いのに!


 

「(私も本当は今すぐにでも二人きりなりたいです……! でも……富士雄っ!)」


「(わ、わかった……!)」


 

壁際まで追い詰められ、切羽詰まったモッチーが耳元ささやきに、俺は一周して我に返りました。



「そ……それでは、フォースタス様。まず、城下町の顔役の一人であるリオンペィガさんという方と、

 主だった町の有力者や学園関係者のみなさんが、この扉の向こうのホールでお待ちです……」



「ね、ねえモモチャーノ、いいんだけど、私の後ろで服をつかんで、うつむいたままなのは、

 フォースタス様の秘書としてどうなのよ」



「しばらくこうさせてくださいクラーラ様ぁぁ~。だって、だってあのフォースタス様なんですよぉ……?」


「まあ、気持ちはわかるけれど……」



「え……? ど、どういうこと?」



モッチーに避けられ気味な態度を取られ、動揺する俺に、



「あんた自覚ないの? そっちが驚きだわ」



呆れた顔で、俺を見上げてくる双子。



「師匠は突如フィスト家に現われ、並み居る十二家の変態魔王達を退けた余裕の狂人、『十二斂魔王』ぞ」


「それだけでも驚天動地、とんでもないことなのに、さらに一夜にして、こんな宮殿を作り上げたのよ?

 今までの常識なんて全部ふっとんだわ」



《# それに私は、こうなることはわかっていましたけれど、それでも14年間、

   魔族の常識の中でそこそこ平凡に暮らしてきちゃったんです。

   富士雄がすごいことは充分知ってましたけど、でも、ずっと客席で富士雄のこと見てて……

   すごく、かっこいいなって思うの、仕方ないじゃないですかっ》



「フォースタス、あんた今、魔族の間ですごいことになってるのよ」



「い、いや、俺はできることだけを、やっただけなんだが……」



「だから大変なコトになってるって言ってんの」



クラーラが、ホールに通じる扉を勢い良く開ける。



「これを見なさいよ」



「……は?」



「お待ちしておりました、フォースタス様!」



「フォースタス兄貴! 遅いぜホントによぉっ!」



イケメン魔将軍フィリップ、そして脳筋将軍バンベルグがそこにいた。



「な……」



そして二人の背後に、なんかたくさんの魔族の人々がいるんだが……!!


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