エクストラ2 (クラーラとリーゼルが趣味で解説する現在のフォースタス・フィストのステータスのコーナー)
「ここではフォースタス様のステータスの、ここまでの主要な変更点を解説するわ」
「だめぞクラーラ。前にも言ったけど、それ、フォースタス様しか見えてなくて、他の誰も知らないやつぞ」
「いいじゃない、ここ、外伝的趣味のスペースなんだから」
「そもそもフォースタス様が当たり前のように意識しているスキルの概念すら、魔族や人族は知らぬ存ぜぬぞ?
この世界では、本来なにかの偉業を達成すれば『リワードボーナス』としてスキルを獲得ぞ。
けれどそれを自覚せず、うまく使いこなせない者が普通なところを、
フォースタス様は【情報化視覚】と【天の声】によって認識ぞ。
これがフォースタス様のアドバンテージの一つぞ」
「あら? でも玉璽さまはスキルのこと、知ってたみたいだけど」
「あのヒトは例外ぞ」
「ともかく、フォースタス様の所持スキルについては、大きな変更点はないわね。
十二斂魔王になった時点から増えたのは、フォースタス様が勝手に研究解析した
【魔術分解樹】くらいかしら。
新しい『十二斂魔王宮』のモデルになったやつよね。二段重ねのウェディングケーキみたいな」
「新取得スキルでまだ唯一使ってないのは、【魔族十二家支配】ぞ」
「魔族のステータスにいちいち、 【魔族十二家支配】:非適用 って
あるのが小憎らしいわよね。
これ……もし、私たちに使われると、どうなるのかしら」
「まだ謎ぞ。けど、だいたいクラーラの大体予想通りぞ」
「……そ、そんな、不潔よフォースタスっ!! み……見損なったわっ! だ、だめよまだ、そんなの……っ!
ばか! ばかぁ……っ!」
「本人の預かり知らぬところ変態認定していくスタイルぞ」
「一応、この話の最後に、スキルは前回の『おまけ』とは別ソートして再掲載しておくから、
見たい人は見るといいんじゃない?」
「変更されたステータスの代表は、〔戦〕〔謀〕〔非〕の値ぞ」
「減ったのよね。ガクンと」
「こんな感じぞ」
■ ■ ■ ■
フォースタス・フィスト ステータス
〔戦〕 35000 → 24500
〔謀〕 19000 → 13300
〔非〕 250 → 175
■ ■ ■ ■
「これは【心魂契約】の契約外行使の代償ぞ」
「魂を吸わなかった代わりに、フォースタス様はペナルティを受けたって感じなのよね。
入手するはずだったフィスト家の魂を元に戻すには、イレギュラーなエネルギーが必要で、
そのフォースタス様のエネルギーを受けて変質した魂が、フィスト家返還時にみんなをパワーアップさせる
副作用になっちゃったのね」
「おかげでクラーラも我も、フォースタス様の力が流れ込み、〔戦〕〔謀〕〔非〕が増えて
なにより魔術の深淵、【魔素知覚】と【魔素契約樹知覚】のスキルを入手ぞ。
今頃、『十二斂魔王宮』に来ていない故郷のフィスト家も突然のパワーアップに大騒ぎぞ」
「フォースタス様には感謝してもしきれないわね……」
「ここから先は、さらに趣味の領域に進攻ぞ」
「魔術の設定云々に興味の無い人は、読み飛ばしてOKよ」
◯
「まず認識すべきなのは、そもそもフォースタス様は、魔術を、詠唱、無詠唱で『唱導』せず、
【玩具創造】、正確にはそのデミスキルである【再構成】を使って
本来の魔術発動工程を再現しているに過ぎないという現実ぞ」
「あれって【再構成】の『物体の構成を組み替えて形を変形させる』を使って、
【魔素契約樹】を無理やり形成、
そこに【魔素】を流し込んで魔術を使うっていうイレギュラーもいいところの使い方なのよね」
「さらには一度見ただけであらゆる【魔素契約樹】を再現できて、
樹形図の細部の役割まで直感でわかるのは、フォースタス様の『職人』としての才能があってこそぞ」
「となると、あくまでも仮定の話だけど、強いて言い換えるなら、
『職人直感』+『魔術行使のための【再構成】』=【魔術創造】
っていうデミスキルを使って魔術を使ってるようなものなのよね」
「その流れで言えば、【魔術創造】のデミスキルとして、
魔術の即時発動を可能にする、魔術の果実【封果】を貯蔵しておく【封果チェンバー】、
2つの異なった魔術を融合して発動させる【融合魔術】、
そしてさっきフォースタス様がぶっぱした複数の魔術を重ね合わせる【重合体魔術】、
さらに、そこへ魔術を【魔素】に還元する【魔術分解樹】も
位置づけ可能ぞ」
「もう、わけがわからないんだけど……!」
「まとめることによって、さらに混乱していくスタイルぞ」
「以下にとりあえず今現在のフォースタス様のスキルを記載しておくわ。
さっそく私とリーゼルの分類と違うソートで並んでいるから、その辺はよろしくね」
■ ■ ■ ■
名前: フォースタス・フィスト
真命: 米村 富士雄
種族: 人間
クラス: 魔王
新取得スキル
【魔素契約樹知覚】由来スキル:【魔術分解樹】
■既取得スキル:
『パパ・ママおしえてスカウター』由来スキル:【情報化視界】【強化索敵】【天の声】
『なんでもMYひゃっか』由来スキル: 【大百科】
(【情報化視界】とリンク済み)
『だいまほうつかいステッキ』由来スキル: 【大魔力ブースト】
魔王特性スキル: 【心魂契約】
おもちゃの女神 モモチャ由来スキル: 【玩具創造】
アランドラ・トアロ由来スキル: 【精密魔力知覚】
ヨーハン・フィスト由来スキル: 【本領封印】(未発動)
ユユグロ・カフォン由来スキル: 【次元隙】
ハリビュール・ビート由来スキル: 【破砕蝿雲】
メイ・ファー由来スキル: 【重力強大化】
【溶爆輝光】
十二斂魔王由来スキル: 【魔族十二家支配】(未発動)
【最終迷宮管制】
【思惑看破】
■既取得デミスキル:
【情報化視界】由来デミスキル:【魔族ステータス看破】【視覚化マスコット】
:【魔素知覚】【魔素契約樹知覚】 :【スキル看破】【スキル構成樹知覚】
【精密魔力知覚】由来デミスキル :【未来視:二秒先の世界】
富士雄オリジナルデミスキル:【封果チェンバー】
【玩具創造】由来デミスキル:【再構成】 【復元】
【増産】【融合】
魔族ステータス:
〔戦〕 24500
〔謀〕 13300
〔非〕 175
■ ■ ■ ■
おまけ
以下は、参考資料。
魔術行使の点から見たフォースタス・フィストのステータス。
■ ■ ■ ■
魔術関連スキル
・【魔素知覚】
魔術の源となるエネルギーである【魔素】を知覚することができるスキル。
【魔素】は人族や魔族の体内で生成される不思議エネルギー。
魔族は元々【魔素】の量が多く、魔力変換効率もよいため、魔術行使に適性がある。
・【魔素契約樹知覚】
『呪文を唱える』ことにより唱導される樹形図を知覚することができるスキル。
これにより形成される【魔素契約樹】に【魔素】を吸い上げさせることで、
魔術を生み出す果実を実らせることができる。
通常、【魔素】も【【魔素契約樹】も知覚、認識はできず、
魔術は魔術詠唱を経て行使できるというのが普通の人々の認識であり常識。
・【魔術創造】
富士雄の持つ【再構成】と、【魔素契約樹】を見極める職人的直感により、
【魔素契約樹】に干渉、構成を組み替え、形を変形させ、各種魔術を模倣、
擬似的に魔術を行使するスキル。
富士雄しか使うことが出来ないが、彼はまだこれを具体的に概念化していない。
補足として、
肝心の【魔素契約樹】の素材となる『物質』は、まだ観測されておらず、
これも富士雄の直感で行使されている。
・【封果チェンバー】
富士雄が行使した【魔術創造】によって生まれた【魔素契約樹】から
収穫した魔術の果実である【封果】を体内にストックし、自由に打ち出すことができるスキル。
無詠唱魔術をも上回るスピードで魔術行使を可能とする。
便利。
・【魔術分解樹】
富士雄が試しに【魔素契約樹】を裏返したら出現した【魔素樹形図】の一種。
発生した魔術を再び【魔素】に還元することができる。
どっしりしてる。
魔術の数と同じだけ存在し、例えば《爆焔玉》には、
《反爆焔玉》の【魔術分解樹】が必要。
・【融合魔術】
【魔術創造】によって、異なる2つの魔術を融合させ、一つの魔法とするスキル。
収穫された【封果】は【封果チェンバー】収蔵可。
・【重合体魔術】
同種の魔法を多重に重ねて放つスキル。
双子から学んだ【合体魔術】は、これにドミネートされ、スキルはこれ一つになった。
【封果】状態で安定せず、すぐに使わなくてはならないため【封果チェンバー】収蔵不可。
以下の増産系との組み合わせも不可。
・【魔術創造:増産】
アランドラ戦で最初にプレーンな魔術を【魔素樹形図】をワサワサさせた、
【増産】と【魔術想像】の合わせ技スキル。
・【魔術創造:融合増産】
アランドラ戦後半に、2つの魔術を掛けあわせて作った【融合魔法】を増産させるスキル。




