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異世界魔王の日常に技術革新を起こしてもよいだろうか  作者: おかゆまさき
第2章 【異世界承認編】 続いて異世界“魔族”の日常に技術革新をおこしてもよいだろうか
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43話 温泉回で筒責めしてもよいだろうか





「フォースタス殿は、やりすぎなのです……っ! この『特都』が、

 『特別聖域監視都市』が、もはや原型をとどめていないではないですか……!」



ぱしゃんっ! と玉璽さまがお湯の表面を叩いて散った飛沫が、空に落ちていって虹を作った。



「……先に見せていただいた、この、新しい『特都』の模型ですけれけど」



一糸まとわぬキグルミ娘が取り出したのは、一見して丸いワンホール、大きなお誕生日ケーキに見える。



しかも、ちょっと豪華で、ウェディングケーキのように、支柱によって支えられた二段重ね構造のケーキ。


飾り付けのイチゴと生クリームの代わりに、中央に宮殿、そのまわりに町並みのようなものが、表面には乗っている。



「俺が見せたら、玉璽さまが、ぜひとも欲しいと言って、あの双子を泣かしながら奪っていったものですね」


「そうではなくてっ!」



たんっ! と、玉璽さまはお湯の上に、こう、暖かいお酒のトックリとお猪口入れる用の手桶のように、

ケーキっぽい街の模型を湯面に浮かべ、



「ここまでする必要が? しかも出来上がったものの形も違うではありませんか」



「も……もちろん、ここまでやる必要ありますし、形が多少違うのにも理由があります!」



俺は強く、確信を持って主張する。



「ですが玉璽さま、実は今、俺、貴重な休憩時間の最中でして、しかも約束がありまして」


「約束……ここで、ですか?」



俺の【情報化視界】に、感あり。



「クラーラ……っ! リーゼルーっ!」



双子の反応!



《# そうです富士雄っ! やっぱり休憩は大事です。これでようやく……》



そうなのだった!



「玉璽さまは、実はちょうどいいところに来たんですよ!」



忙しい時間を縫ってでもやるべきこと。


それはつまり、



温泉!



&!



《# ようやく、クラーラちゃんとリーゼルちゃんに、新作のおもちゃを渡せますね!

   しかも玉璽さままでいらっしゃってて!! これです! これが必要なんです……!!》



「こっちが本業ォォォォッ!!」



そうなのだ!


俺は定期的に子どもにおもちゃを渡さないと死んでしまう魔王なのだ!


そういう制約と誓約があるんだからしかたないよなぁ(ない)。



でもなああっ、

露天風呂で竹とんぼは危ないからな!



こっちはこっちで、とっておきのを用意してあるんだが……っ!



「フォ、フォースタス、さま……」



「おーっ! クラーラ、リーゼル!! フィスト家のかわいらしき双子よ、よ く き た!」



赤髪と青髪、二人の少女が着替え置き場からてってこ近づいてくるのだが、俺の前まで来るなり、



「お、お言いつけ通り、……は、は、はだかで、参りました……」


「もはやいいなりぞ……」



「あれぇっ!? なんでまた正座ァッ!?」



ふたたび態度が変になっちゃってるぅぅっ!! 



「ちょっとやめてふたりともっ! うおおっ! 玉璽さまが今まで見たことない表情で俺を凝視している……!

 裸までは温泉の特質上、玉璽さまにも理解していらっしゃる! 

 でも子どもに裸で土下座されるとかは、やっぱりだめみたいぃぃっっ! 

 誤解です玉璽さま! フィスト家にこんな風習ないです!

 ンモーっ! 今度はなにがあったんだよふたりともーッ!」



俺は慌てて、ははーって生まれたままの姿で三指ついて頭を下げる双子の少女と目線を合わせる。



「で、でも……っ! だって、フォースタスさまは、フォースタス様だからぁ……!」


「どうしたクラーラ!? 頼む! いつもどおりで! 出会った時の、あの頃のように振る舞ってお願いだからっ!」



なんでフィスト家って、いつまでたってもわかってくれないんだろうっ! 


俺はもう、五体投地の腹ばい仰向けになって、逆にクラーラとリーゼルを見上げるのだが、



「で……ですが、きょ、今日は、こ、このような……は、裸庭園に、お招きくださり……」


「裸庭園ってなにッ!? 変なこと言わないで!? こ、ここは『温泉』だからっ! 

 温泉っていうのは、ええっとぉ……、つまり! 玉璽さまはさっきのでわかりましたよね!?

 これは、くつろぎの場っていうか、裸の付き合いで、距離を縮めようっていうっていうか、

 いいからお願いだから、面を上げい……?」



「で、もぉ……っ!」



 クラーラは顔を赤くしながら、なおも姿勢を崩さず、



「私とリーゼルに……いえっ、私たちフィスト家に、『新しい力』までも授けてくださり……っ」



俺の【情報化視界】には、双子の新たな力、新スキルが映しだされていた。




 ■ ■ ■ ■

 名前:  クラーラ・フィスト

 俗称:  火宴かえんのクラーラ

 種族:  魔族

 クラス: 魔術師



 【魔族十二家支配デモンズ・コントロール】:非適用 new!


 フォースタス・フィスト由来スキル:【魔素知覚】new! 【魔素契約樹知覚】new! 【精密魔力感知】new!


 スキル: 【魔術無詠唱】【魔術研究】

 デミスキル:【合同魔法】


 〔戦〕  300


 〔謀〕   50


 〔非〕   13

 ■ ■ ■ ■




 ■ ■ ■ ■

 名前:  リーゼル・フィスト

 俗称:  氷苑ひょうえんのリーゼル

 種族:  魔族

 クラス: 魔術師



 【魔族十二家支配デモンズ・コントロール】:非適用 new!


 フォースタス・フィスト由来スキル:【魔素知覚 new!】【魔素契約樹知覚 new!】 【精密魔力感知】new!



 スキル:【魔術無詠唱】【魔術研究】

 デミスキル:【合同魔法】


 〔戦〕  200


 〔謀〕  100


 〔非〕   13

 ■ ■ ■ ■



そう!


とあることがきっかけで、俺だけじゃなくて、

クラーラとリーゼルも【魔素(プロトマ)】と【魔素契約樹(プロトマ・グラム)】が見えるようになったのだ!!

双子ならいいよー! 大歓迎だよーッ!?


しかも、〔戦〕〔謀〕〔非〕も、すこし上がってます!!


というか俺的にはマジで【魔素(プロトマ)】仲間ができてうれしいぃぃぃ……!!

これでもう、独りじゃない。



「そして魔族十二家のために、このような『巨城』まで生み出してくださった方ですっ!」



「いやぁぁぁっ! そんなことより今は水でっぽううううううっ!!」



 俺は、湯船の中から、円筒形の玩具を取り出した!!



「見て! これみて!! 玉璽さまも! これ……こうやって……お湯を吸い込んで、」



この世界で、俺はまだ『竹』という素材を見つけることができてない!



なので、スプラト◯ーンで言うところの、1○式竹筒銃・乙式型の水鉄砲を、

俺は【玩具創造(トイ・ファクター)】で、普通の木材から作成!



「とりゃーっ!」



 心棒を押し出し、竹筒の先っぽの穴から鋭くお湯を吹き出してクラーラを攻撃。



「んひゃあああぁぁんっ!?」



赤髪の少女が細い水流にのけぞった。


☆スプラトゥー◯、Sから上にいけない……!!☆



勇者救出まで、あと 2時間 40分 04秒


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