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異世界魔王の日常に技術革新を起こしてもよいだろうか  作者: おかゆまさき
第1章 異世界適応編 とりあえず異世界“魔王”の日常に技術革新を起こしてもよいだろうか
29/61

28話 Cブロック決勝で起こったことはこんな感じと認識してもよいだろうか(1)





『よって勝者! フォースタス・フィストーッ!! これにて、Cブロック代表は、

 フィスト家代表、フォースタス・フィストに決定ディェエースッ!!』



俺の目の前では、体中をギッチギチの革ベルトで縛り上げた、ビザール魔王が床に伏せって

ぴくぴくしてた。





「か、勝ったんだが……ッ!!」





とりあえず、一言。

【未来視:2秒先の世界】とリンクさせた【強化索敵】、想像以上にやばい!



最初から説明する!



俺、やっぱり魔術を【魔素契約樹(プロトマ・グラム)】で再現することで、いきなり使えたみたいに、


相手が持っているスキルも、【スキル構成樹(ストラクチャ)】を【玩具創造(トイ・ファクター)】で

再現することで使えるようになるみたい!



『十二斂魔王トーナメント』Cブロック決勝。



『十二斂魔王トーナメント』は、その名の通り、

十二家の魔王を収斂させ魔王の中の魔王を決めて、統一的な対勇者戦線を作り上げるために行われているもの。


ABCの3ブロックに別れ、まずはそれぞれのブロックで一人づつの代表魔王を決定する。



Aブロックは魔王4人にが一斉に戦うバトルロイヤル形式だったらしい。



そしてBブロックは魔王4人による総当り戦で、これで時間が掛かったらしく、

その間に俺は双子に魔術を習うことができた。



そして俺の属するCブロックは魔王4人によるトーナメント方式で代表を決めようとしている。

4人でトーナメント戦だから、3回戦は実質的には決勝だ。


早ぇえ……。


ともかく、この戦いに勝った魔王が、Cブロックの覇者となる。



考えるともなく、そんなことを思いつつ、俺はスタジアムの床を、踏んでいた。



観客席は、二回戦、昨日のvsアランドラ戦の倍以上に膨れ上がっていた。



「フォースタス様~!!」


「師匠! 必勝ぞーッ!」



クラーラとリーゼル、双子の声がかろうじて俺に届く。

師匠と呼ばれているが、実際には二人が俺の魔術の師のようなものだ。


というか、あの二人、俺の情報をダダ漏れさせたの、ぜんぜん悪びれてないのな!!



「よし! 子どもはそうでなくちゃな……っ!!」



俺は腕を上げて応えた。


今回は、フィスト家のみなさんも、俺を一生懸命応援してくださっている。

……なんだ、あの「フォースタスLOVE」っていうでかい旗……。


恥ずかしい。



「お、おーう! がんばるぞー……!」



「あ……ぁ……ア……」



千と◯尋に出てくるカオ◯シみたいな、でもアレよりは野太いうめき声で、俺はそいつの登場に気づく。



「ん……?」



ユユグロ・カフォンは今まで見た魔王の中で、一番魔王っぽかった。


背は2メートルを有に超えている。


というか、骨格とか体格が、普通の人間の倍くらいにいびつなサイズで、

手足が長く太く、背中を大きく曲げて這うようにスタジアムに出てくる。


巨人族というか、そんなにでかくはないんだが、全体的に太く、イビツで威容なシルエットを描いていた。



 ■ ■ ■ ■

 名前: ユユグロ・カフォン

 俗称: 透刃のユユグロ

 種族: 魔族

クラス: 魔王(カフォン家魔王)


スキル:【次元隙ポスタル】【剣術:大剣】【伸縮体技】【お菓子作り】


デミスキル:【次元刀】


 〔戦〕  13000


 〔謀〕   4000


 〔非〕     15


 ■ ■ ■ ■



【お菓子作り】て!!


もう【情報化視界】に映る情報と、やつの姿形、どっちを見ればいいか迷う!



なにしろ、そんな威容な巨体を、ユユグロは紫色のスキンスーツとベルトでぎっちぎちに締めあげているのだ。



「へ、変態だーッ!」


《# …………っ!!》



純情なモッチーなどは、ユユグロの股間に釘付けになっている。



しかもユユグロは自分自身で、すごい角度でそそり立ったそれを、指差し、



「ぼくの……ぼくの……」



こっちにアピールしてくるのだ。



「お、おい! や、やめろ! モッチーの教育に……、……って、

 え、あ……あれェっ!?」



俺は気づく。


よく見れば、黒くて太いそれは彼のイチモツではない。



彼は股間に、巨大な剣だ!


巨剣を股に、挟んでいる! 



なんで……?



腰脇に差しているのではなく、掃除の時間にホウキにまたがった魔女ごっこをする子供のように、

剣にまたがる感じで、股に大剣を差している。



ふざけてるんじゃなくて、本気で!



その剣を、指差して、俺に、アピールしてる!!



「ぼくの……ぼくの……!」


「わかったから! わかったから!!」


「ぼくのぉ……っ」



ユユグロが、その大剣をズラリと抜いた。



「!?!?」



俺の【情報化視界】が発動した。


俺に見せびらかすようにひるがえした刀身が、異様だった。


あ、あれは! あの形は!!



■ ■ ■ ■

 名前: アリス・ニージュレード

 俗称: 魔剣アリスたんペロペロ

 種族: 魔剣

クラス: S級インテリジェンス・ソード


デミスキル:【次元刀】


 〔戦〕  2000


 〔謀〕   600


 〔非〕     8


 ■ ■ ■ ■



「い、痛剣!?」

《# 痛剣です!》


剣が、女の子の形になっていた。



「す、すごい……!!」

《# すごい……!!》



俺とモッチーがハモるくらい、それは素晴らしい剣だった。


巨大なひらべったい青龍刀の刀身が、巨大で平たいまま、

女神の形をしていて、そこに精緻な絵画のように少女が彫り込まれているのだ。



その銘は、そう! 『魔剣! アリスたんペロペロ』!!



なにこれ、超怖い。



確かにユユグロ・カフォンは二回戦のアランドラ・トアロより、ステータスは低い。


だが、やばい。


もう全体的にやばさがにじみ出ている!



現に、



『この奇抜なダークホース、ユユグロ・カフォンに、

 ルーキー魔王、「魔術狂フォースタス」はどのように立ち向かうのか! 

 これは見ものディェース!!』



とか、実況のフランが魔王紹介をしている最中だっていうのに、

ユユグロからこっちに、どんどんスキル構成樹(ストラクチャ)が伸びて来てる!!



■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


スキル構成樹(ストラクチャ)


スキル名:   【次元隙(ポスタル)

デミスキル名称 :【次元刀】

属性   : 空間系

等級   : SS級(伝承級)

効果   : 生み出した【次元隙(ポスタル)】を切り裂くことで、刀身を別の【次元隙】先へ空間転移させる。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■



こいつの中では、もう試合始まっちゃってるーっ!!


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