表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界魔王の日常に技術革新を起こしてもよいだろうか  作者: おかゆまさき
第1章 異世界適応編 とりあえず異世界“魔王”の日常に技術革新を起こしてもよいだろうか
25/61

24話 単純に『勝利』がもたらす効果を目の当たりにしてもよいだろうか

通常営業がんばります。






俺が、舞台裏みたいな所から、トコトコと玉座の前に姿を現すと、

ズラーッと膝をついて並んでいた家臣団みたいな、正装でキリっとしたフィスト家の魔族達が



床に片膝、片腕をつき



ははーってしてた。



あれ? 待って?


俺、ベッドにあったシーツを素材として【玩具創造(トイ・ファクター)】で

適当に作ったジャージ姿なんだが……!



「……ヨーハン、どうしたんだ? これ」



「フォースタス様!!」



 声に向けば、一番前で片膝ついてしゃがんでいたのはイケメン将軍!


 フィリップ・フィストがこちらに顔を向けていて、

 


■ ■ ■ ■ ■

 名前:  フィリップ・フィスト

 俗称:  柳技やなぎのフィリップ

 種族:  魔族

 クラス: 魔将軍


 スキル:【柔力】【剣技:長剣】【槍技:長槍】【風属性付与】

デミスキル:【風属性剣術】【風属性槍術】


 〔戦〕 4000


 〔謀〕 1000


 〔非〕    4

■ ■ ■ ■ ■



フィリップのステータスにも、スキルが追加されている。


というか【属性付与】とか、

これ、俺のためにあるスキルだよね。 


絶対にそれ、俺にそういうおもちゃを作れっていってるよね。


竹とんぼに風属性を付与して、もっと飛ぶようにしろって、言ってるよね……!!



「ハァ……ハァ……【属性付与】ォ……どうしたらそれをぉぉ」


「フォースタス様……?」


「はっ! いかんいかん!」



俺は両手で自分の頬をひっぱたき、



「ど、どうしたんだフィリップ。こんな、なんかみんな、改まって……」



「我々の、これまでのご無礼をお許し下さいッ!!」



会話が噛み合ってない!



「え……? な、なに?」



ゴブレイ? ゴブ……レイ? 



「バンベルグ……!」



フィリップが、自分のちょい斜め後ろで膝をついていた、脳筋将軍の名を呼ぶ。



「た、たのんます……! フォースタス……様、……フォースタス様!」



バンベルグ!? そ、そんなすごい形相で、なにを俺に、頼むって!?



 ■ ■ ■ ■

 名前:  バンベルグ・フィスト

 俗称:  樫技かしぎのバンベルグ

 種族:  魔族

 クラス: 魔将軍


 スキル:【剛力】【棍技:重棍棒】【風属性付与】

 デミスキル:【風属性棍棒術】


 〔戦〕 2000


 〔謀〕    0


 〔非〕    3

 ■ ■ ■ ■



あいかわらず【風属性棍棒術】気になるッ!!


いや、昨日試合が終わった時点で、みんなのスキル見えてたんだが、

やっぱりバンベルグのスキル構成、卑怯だよ……!


風のように、殴る!!



「え、ええっと……?」



俺がバンベルグのステータスと剣幕に動揺しながら、

オロオロしていると、



「はい! はい! よろしいでしょうか!!」


「ク、クラーラ……!?」


たくさんいたフィスト家の面々の後ろから、あの双子の魔術師が走ってくる!




 ■ ■ ■ ■

 名前:  クラーラ・フィスト

 俗称:  火宴かえんのクラーラ

 種族:  魔族

 クラス: 魔術師


 スキル: 【魔術無詠唱】【魔術研究】

 デミスキル:【合同魔法】


 〔戦〕  200


 〔謀〕    0


 〔非〕    9

 ■ ■ ■ ■



「リーゼルも……?」



「恐れながらぞ」


 ■ ■ ■ ■

 名前:  リーゼル・フィスト

 俗称:  氷苑ひょうえんのリーゼル

 種族:  魔族

 クラス: 魔術師


 スキル: 【魔術無詠唱】【魔術研究】

 デミスキル:【合同魔法】


 〔戦〕  100


 〔謀〕  100


 〔非〕    9

 ■ ■ ■ ■



 さすが双子、スキルも一緒なんだよね。

 そしてデミスキルの【合同魔法】が、やっぱりおもちゃ的に気になる。



 いったいどういう効果なんだ……!!



 だが、やっぱり【スキル看破】で見ただけじゃなくて、

 実際使ってもらって発動した【スキル構成樹(ストラクチャ)】を直接見ないと、

大百科(エンサイクロペディア)】での説明は発動しないみたい。



 案外不便!



「昨日は、大変失礼な振る舞いをフォースタス様……魔王様に向けてしまい、申し訳ございませんッ!」


「堪忍ぞ」



「え、え……? ちょ、ちょっと……!?」


 

 いったい一晩で、なにがフィスト家に起こったんだ……!?


 あの双子まで、俺に膝を折って頭を下げているんだがッ!



 俺の動揺もどこ吹く風、床に膝をついて完全かしこまりモードの双子は、



「フォースタス様……、ど、どうか、私たちを許してくださいっ! 

 ……そして、なにとぞこのクラーラとリーゼルを、あなた様の弟子に!!」


「嘆願ぞ」



「……は? で、でし?」



 これはもう、なんなんだろう、このヒト達。


 俺は、俺の背後に本物の大魔王でも現れたんじゃないかと、振り向いて確認するが、


 なにもおらず、


 前面には、フィスト家の代表的な面々が微動だにせず、かしこまっている。 



 沈黙を破るように、クラーラが、ひゅひゅひゅっと息を吸い込み、



「理論だけは! 理論だけは学びました! 【融合魔法】については、理論上は可能であると!!

 私とリーゼルは、その研究のために、今まで【合同魔法】を研究し続けてまいりました!

 フォースタス様は、それらを、いともたやすく、しかも無詠唱で……!!」


「融合魔法……って、ああ、あれか」



昨日のアランドラ戦で、アランドラがあんまりにも簡単にリジェクトしてくるから、

調子に乗って、魔術を【融合(ユニティ)】で合成したやつのことだろう。



「あの試合を見ていた観客も、わずかではあるでしょうがフォースタス様が使われた魔法が

 【融合魔法】であると気づいているはずです!」



いや、でもあれ、初見でアランドラにクリアーされてるんだが……。



「ですからどうか、この私たちを一番弟子に! お願いでございます!!」


「直訴ぞ」



 さらに深々と頭を下げる双子魔術師!


ブクマ、評価をぽちぽちしていただけることが、なによりの励みです…!


勇者到着まで あと 49時間49分06秒

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ