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RUSH  作者: 或田いち
FILE8.安全装置(ストッパー)と起動装置(スターター)
178/201

4

 

“とにかく、相くんは私に任せて。あとは彼の意思を引き継いでなるちゃんが何とかするのよ”


“なんとかったって…”



“大丈夫。だってなるちゃん、探偵さんでしょ?”





「…」


 漫画やドラマの主人公じゃあるまいし。そこで奮起して立ち上がれるほど、いっそメリハリあるできた人間なら、よかった。

 私がもっと、強くて。探偵仲間の相方を撃たれてスイッチが入るくらい出来た人間、なら。


 こんなときですら、私は独りで立ち止まっている。


「(…依存だ)」




 …ずっと、疑問だった。


 なんでこんな私にあでは近づいて来て。高草木はそばに居続けてくれるのか。彼らがそうしていたんじゃない。


 私が無自覚にそうさせていたんだ。


 私が弱い、人間だから。

 いつまでも弱くて臆病な人間だから、知らず知らずのうちに彼らを自分の傍らに縛り付けていた。


 泣き縋って頼るのは楽だろう。人のぬくもりはあたたかい。ずっとそうしていれば傷付かずに生きていられる。


でも答えはきっとそうじゃない。




 いずれ独り立ちしなくちゃならない。どんなに弱くて臆病でちっぽけな人間でも。自分の足で踏みしめなければ

 答えはずっと出ないままだ。


「ーーー、」



 スマホの連絡先一覧を引き出し、そこから田賀谷の名前を割り出す。すかさず電話番号をタップすると、通話が繋がった。



「ーーーもしもし田賀谷さん。成滝です

 話したいことがあるんですが、今から会えませんか?」

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