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“とにかく、相くんは私に任せて。あとは彼の意思を引き継いでなるちゃんが何とかするのよ”
“なんとかったって…”
“大丈夫。だってなるちゃん、探偵さんでしょ?”
「…」
漫画やドラマの主人公じゃあるまいし。そこで奮起して立ち上がれるほど、いっそメリハリあるできた人間なら、よかった。
私がもっと、強くて。探偵仲間の相方を撃たれてスイッチが入るくらい出来た人間、なら。
こんなときですら、私は独りで立ち止まっている。
「(…依存だ)」
…ずっと、疑問だった。
なんでこんな私にあでは近づいて来て。高草木はそばに居続けてくれるのか。彼らがそうしていたんじゃない。
私が無自覚にそうさせていたんだ。
私が弱い、人間だから。
いつまでも弱くて臆病な人間だから、知らず知らずのうちに彼らを自分の傍らに縛り付けていた。
泣き縋って頼るのは楽だろう。人のぬくもりはあたたかい。ずっとそうしていれば傷付かずに生きていられる。
でも答えはきっとそうじゃない。
いずれ独り立ちしなくちゃならない。どんなに弱くて臆病でちっぽけな人間でも。自分の足で踏みしめなければ
答えはずっと出ないままだ。
「ーーー、」
スマホの連絡先一覧を引き出し、そこから田賀谷の名前を割り出す。すかさず電話番号をタップすると、通話が繋がった。
「ーーーもしもし田賀谷さん。成滝です
話したいことがあるんですが、今から会えませんか?」