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RUSH  作者: 或田いち
FILE1.男と女と犬と猫。
15/201

8

 

「わー、昼間からお盛んですこと。その労力他に当てらんねーのかね」

「…理解に苦しむけど一応聞いとく。どゆこと、あいつら何なの、もしやあの博己の隣にいたのが」

「予備校の講師だな」


 物陰に背を預けたままあでがさらりと言った。


「男だったぞ」

「そうだね」

「男同士だったぞっ!?」

「人様の恋愛に立ちいるつもりはさらさらねーけどさ、この広い地球上には色んな人間が根付いてるってことだ、親が心配するのもまた然り」


 呆れてるのか開き直ってんだか、あでの落ち着きようが逆に不安になる。これが普通なの、私がおかしいのかという感覚にも襲われ、いや違うと顔を真横に振ったらぐらりと意識が揺れた。


「有り得ない…ってかどーすんだよ、これじゃあ証拠を抑えられないじゃないか」

「わかってないね、お前ってほんと。

 だからお前を連れて来たんだろ」


 は、と口を半開きにする私の横で、あでは。

 自身の薄い唇の端を、ニタリと引き上げて見せた。



***


 

「おーしナイスアングル。さっすが事前に下調べしといただけあったな」


 矢鱈とピンクめいた落ち着かない部屋の片隅で、あではTVに何やらケーブルを繋げて呟いた。

 画面にはベッドに座る講師が映り、博己の姿が見えない。音量を上げるとシャワー音が聞こえて、私はその生々しさに思わずうめき声をあげた。


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