戦闘をしよう
城門が開き彼等が入って来る。
初めは10人だったが今は3人(男と女性2人)に減っていた。
彼等を見て僕は笑顔を作り、
「ようこそ、僕の城へ…」
彼等に歓迎の言葉を贈る。
[][][]
ミカエルが走ったせいで仲間が次々といなくなりミカエルとウリルと私しか残らなかった。
ようやく、城門にたどり着き門を開ける。
「ようこそ、僕の城へ…」
先程の少年…ジョナが笑顔で出迎える。
おそらく城にいた人達は全員死んだか化け物になったのだろう。
ふとジョナの背後にいる人物が見える。
その人物を見て私は思わず声が出た。
「タクヤ…?」
タクヤは気まずそうな顔をして私を見ている。
「ねぇ!!タクヤよねっ!!」
もう一度彼の名前を呼ぶ。
「成る程、君がタクヤか…」
ミカエルが私の前に立ちタクヤを睨みつける。
「どうやら、本当に魔王側に寝返ったようだな…“裏切りの勇者”」
魔王? 裏切り?何のこと…?
「サリー君、騙されてはいけないよ、奴は魔王の仲間になって皇帝陛下を暗殺しようとした“裏切り者”だ」
「そんな…」
私の知っているタクヤはそんな事をしないイメージがあり…私の頭の中が真っ白になっていく。
「捕まった時は『魔王なんていない』と言っていたのに。隣の奴が魔王か、やはり嘘だったな…」
「確かに俺が言ったのは間違いだったよ。」
「おいおい、僕は“人間”だぜ?」
最後にジョナが自分は人間だと言い張るとタクヤはジィーとジョナを睨みつける。
「……たぶん。」
どうやら自分でも分からないらしい。
「さてと、タクヤの知り合い以外には悪いけど死んで貰うよ?」
ジョナは笑顔のままそう言う。ウリルは怯え、私はその笑顔に恐怖を感じた。
まるで…“彼自身が悪”その物に思える。
「待ちたまえ。」
ミカエルが言う。
「私は君に一騎打ちを申し込むっ!!」
「一騎打ち?」
「そうだっ!! だからこの2人には手を出すなっ!!」
ミカエルはジョナに一騎打ちの決闘を申し込んだ。
ジョナは少し悩みウリルを見てニヤリと顔を歪め
「いいよ。じゃあ僕と君はそこの2人とタクヤに手を出さないルールね。」
ルールを決めてジョナとミカエルが向き合った。
[][][]
「じゃあ、合図は俺がしよう。」
タクヤはそう言って僕と隊長の間に立つ。
「ギルドAランク“光の騎士”創立者の1人、“閃光の剣”ミカエル・マッケネンっ!!」
えっ? 名乗らないといけないの?
「え〜と、“現在世界征服中”のジョナです。好きな食べ物はチョコレート…」
僕がそう名乗るとタクヤが笑いをかみ殺していた。
後で覚えてろよ…
「よし、じゃあこのコインが落ちたら始めろ。」
そう言ってタクヤはコインをはじいた。
さてとミカエルだっけ?まずは挨拶代わりに…
そう考えているとコインが地面に着く。
それと同時に僕は彼の“頭部”を踏むように足を振り下ろす。
ドコッ!
地面が割れる音と共に地面が陥没する。
僕の足元にはミカエルは“いなかった”。
「流石、魔王だな…」
背後でミカエルの声がする。
「凄いね〜、避けれたんだ。」
「油断さえしなければ簡単だ。」
「ねぇ、“コレ”どうやったの?」
そう言って僕は自分の腹部に“刺さっている”光の剣を指差した。
「何、挨拶代わりだ。」
ミカエルがそう言い背後に光の剣を6本作る。
挨拶代わりって…
「死ねっ!! 魔王っ!!」
光の剣が僕に向けて飛んできたので、まず腹に刺さっている剣を抜き、飛んでくる一本目を体を捻り回避する。
次にその一本目を掴み次の剣をはじきその次もはじく。
五本目をはじいたら持っていた一本をミカエルに投げ返す。
それらを一瞬にしてやりミカエルの腹部に光の剣が刺さる。
反応が出来なかったみたいだ。
「ぐはッ!」
「その剣は君のだから返すよ。」
ちゃっかり一本は貰ってるけど…
あっ、消えた。
「フフフ…、私が『聖光の加護』で光を操る事ができる、つまり消すこともできるのだ。」
えっ、何こいつ何で自分の手を明かすの? 馬鹿?
『光よ、邪悪なる者から我等を守りたまえ…』
ミカエルを光のドームが包む。
あっ、ヤバいあの時の魔法だ…
「先に言っておこう、この『聖なる領域』は君が例え私が作った剣を投げ返してもこの壁はそれを通さないっ!!」
いや、それを始めからしろよ…ていうか、また手の内を明かしたよ。
ミカエルは光の剣を作り飛ばしてくる。
始めの一本を掴み防ぐが一本をはじくと掴んだ剣が消える。
だんだん分かったてきた。
コイツは自分の才能を過信し過ぎているんだ…だから、自分の手を明かしても“自分には才能があるから勝つ”と無意識で決めつけている。
何だかイライラする、確かに僕もスキルを得て強くなった。けど、戦う前からなんの“作戦”もなく勝つと決めていない。
見せてやるよ“絶対悪”の戦い方を……
僕は飛んでくる剣を掴み次の剣をはじいた。
ただし、その剣がある“所”に飛んでいくように計算して…
「キャアアアアっ!!」
「なっ!?」
飛んでいく剣の先にミカエルの部下である獣人がいるのにミカエルは気づく、とっさにその剣を消す。
「おいっ!!卑怯……」
ミカエルは視線を僕に戻すがそこには僕はいない。
僕はミカエルが仲間に気を取られている内に彼の背後に移動し全力で彼の結界を殴った。
僕はなんの考えもなくマーガやゾンビ達に襲わせたのではなく、彼の魔法の弱点を知るために襲わせた。
まず一つの考えはもし結界が完全に彼の意思でしか消えないなら彼等は城まで“走ってこない”
次に時間制限なら最初の結界を作った時に“走ってくる”のにマーガ達と長期戦をする連携だった。
確信だったのは結界の光の濃さで、最初の結界はマーガの攻撃を受けると薄くなっていき、僕との戦いでは攻撃を受けてないから光の濃さは変わっていない…
それらの情報を元に考えると“この結界は一定のダメージまでを防ぐ”という特性だと分かる。
僕が全力で殴ると光の壁が消える。
それを見たミカエルは再び結界を作るべく詠唱を始める。
だが僕はそれを許さない。
彼の喉に一撃をいれ声帯を麻痺させる。そして…
「チェックメイトだね。」
そう言ってミカエルの胸を僕の右手が貫いた。