突撃させよう
僕は彼等にマーガを仕向け様子を見ていたが…
何あれ反則じゃない?
確かに僕も反則レベルだけどさ〜
彼等は光のドームからランスやら剣を使いマーガを倒していく。
面倒だ…
僕はマーガを下がらせ。“奴等”に突撃の準備をするように指示をした。
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「見ろ! 化け物達が逃げていくぞ!」
部下の1人が声をあげる。
確かに化け物達がどんどん下がっていく。私は『聖なる領域』を解除する。
「隊長、ここは一旦戻って体制を立て直すべきです。」
新人であるサリーが私に助言をしてくる。しかし、
「今行かないともしかしたら、私達の助けを求めている人がいるかもしれない。」
私は彼女に言う。
そして、私は部下達に向けて口を開いた。
「私達、“光の騎士”は“弱い人”の“盾であり、剣でもある”が存在意義だ。仲間がやられたら“仇”を討つ。僅かな可能性であろうが、“私が”その可能性を切り開いてみせる。」
私は剣を抜き剣先を天にむける。
すると部下達が拍手をしてくれた。
サリーだけは複雑な顔をして拍手はしなかった。
私は拍手をしてくれた9人をみる。
“9人”…?
確か私を含め“10人”の筈…
部下達も気づいたようで、部下達は拍手を止める。
だが拍手は止まらなかった。
“拍手を続ける彼”は黒い服を着てた若い少年だった。
「あれ? 拍手止めちゃうの?」
拍手を止め少年は笑顔で言う。
「君は誰だ?」
私は彼に剣を向ける。
「僕かい? 僕の名前はジョナ…君達の“敵”だよ?」
そう言って彼はすぐ近くにいた私の部下を見えない速さで頭を掴み。
ゴキっ…
首をへし折った。
私はとっさに剣を彼の頭に向けて振り下ろした。
しかし…剣は空をきるだけだった。
「あはははっ!! 仲間の仇を討ちたければ城においでよっ!! まぁ…“来れたら”だけど。」
ジョナは私の背後からそう言うと再び姿を消した。
ウ〜
ジョナがいなくなると近くで呻き声がしだした。
周りを見ると。
「ゾンビだ…」
大量のゾンビを見て部下が真っ青な顔をして言った。
「みんな集まれっ!!」
私は部下を集めて『聖なる領域』を発動させる。
「進むぞっ!!」
部下達は『聖なる領域』からランスや剣でゾンビを攻撃しながら城に進む。
「うわっ!!」
部下の1人が躓いた。どうやらゾンビを貫いたランスが抜けずバランスを崩したらしい。
彼の足が結界から出た。
するとゾンビ達の隙間から“白い手”が伸びその足を“掴む”。
「うわああああああっ!!」
彼はその“白い手”にゾンビの波に引きずり込まれていった。
あとから彼の悲鳴と助けを呼ぶ声…そして“化け物”に変わっていく声が聞こえてきた。
おそらく、このゾンビと化け物はあのジョナという少年が操っているのだろう。
「隊長っ!! 退却しましょうっ!!」
退却? 駄目だそれだと部下の仇がとれない。
「みんなっ!!このまま突っ切るぞっ!! 離れるなよっ!!」
そう言って私は自分を中心に動く『聖なる領域』と共に走りだした。
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今現在、城から僕は彼等を観察していた。
感想としては…
う〜ん、馬鹿だろアイツ…
ゾンビ達に“奴等を襲え”“もし、自分の体に何かの攻撃を受けたらそれを掴かんで転べ”と命令しておいた。
で、結界から出た奴をマーガに襲わせて仲間にするという流れ作業。
普通なら退却して軍を連れてくるんだけど特攻には正直びびった。
どんどん結界から出てくる奴がマーガになっていく…
笑えるな〜
何が「大丈夫だっ!! 君達は私の大事な仲間だから絶対に守ってみせるよ!」だ。
嘘じゃん。
ああいう奴を見ているとムカムカする。
「おいジョナ…」
タクヤが話し掛けてきた。
「何だい?」
「金髪の女騎士には手を出さないでほしい。」
「ふ〜ん、知り合い?」
「ああ…」
「いいよ、別に〜だけど彼女が僕に敵対するなら“殺すよ”?」
「分かった。」
そう言ってタクヤは戻って行った。
おや?どうやら彼等は城門まで来たみたいだな…
よし、歓迎するか…
僕は鼻歌を歌いながら彼等を迎え撃つ為に城門に向かった。