絶望の始まり
目を覚ますと儂は地面にうつ伏せに倒れていた。
どうやら、意識を失っていたらしい。
周りを見ると儂に着いてきた兵士達も倒れており。ちょうど儂らがいる所を何かが守ったのか、ここ以外は大地が黒く染まっていて、地面が熱い。
あの光が儂らを呑み込んだ時何があった?
「レオ伯爵!」
部下の1人が誰かを抱えてやってくる。
部下の背中で弱々しく虫の息状態の“セイヤ”だった。
「大丈夫か!?」
「レオ…さん…」
セイヤは力いっぱい声を出して儂の名を呼ぶが、その声はとても小さかった。
「喋るな…お主が儂らを守ったのか?」
儂が問うとセイヤはコクりと頷いて儂を見る。
「……セイヤを連れて逃げろ。」
「!!!? しかし!?」
「頼む…」
儂はセイヤを抱えた兵士に言うと、私も残ると言いたげだったが最後は了承してくれた。
『ピーガー!! え〜テステス、レオさんと部下の皆さん生きてますか〜?』
上空の卵からジョナの声が響き渡ってきた。
『悪いけど、その勇者を逃がす訳にはいかないので、死んでください。』
ジョナがそう言うと卵から砲門が開き、砲台が此方を向く。
まずいな…
「来て…“みんな”。」
セイヤが振り絞った声で言うと、魔法陣が4つ現れてそこから、虎と鳥、亀、龍 が現れた。
『東よりフォルテ』
『南よりグローリ』
『北よりフィード』
『西よりアルドル』
それぞれ名乗り儂らの前に立つ。
『まったく、ピンチになったら全員召喚が出来るって…いいだろう“極獄弾”は無しでやろうか…“絶望”を教えてあげよう。』
帝都アルカイダの前に巨大な亀裂が空間にできて、亀裂が広がり裂けた。
中から……
儂は中から現れた“軍”を見て言葉を失った。
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さて、人が絶望を感じるのはどんな時?
エロ本を親に見つけられた時?
信じていた友人に裏切られた時?
確かにこれらも絶望だ。
だけど、僕が彼らに与える絶望は…
“圧倒的な暴力”
【生命受肉に7,800pt使いました。】
【大地を憎む者に100,000pt使いました。】
【残り300,139,000ptです。】
僕は怪物780種類、悪獣1000種類を作り出す。
他の世界の魔物とか悪獣を全部出すとポイントが足りないから“3分で終わる”数にする。
名付けて…
『“必要悪”』
裂け目からドラゴンやらゴブリン、オーク、スライム、フェンリル、オーガ、メデューサ、セイレーン、ハーピィ、リザードマン、サラマンダー、マガスライム、ケンタロス、リッチ、クラーケン、クリスタルドラゴン、リヴァイアサン、ミノタウロス、マーガ、グリフォン、ラエティティア、スケルトン、ゴーレム、トロール、スフィンクス、カオスドラゴンなど他にも様々な怪物達がいるが、それらが出てくる。
「コイツらと戦わせるのですか?」
カナリアが魔物の群を指差すが僕は首を横に振る。
「違うよ…戦うのは僕と“クリーチャ”だよ。 カラス、僕をあそこに送って。」
「了解やで。」
カラスが言うと同時に景色が変わり魔物の群の前に立っている。
作られた魔物達はじっと僕を見る。
『小僧が私を召喚したのか?』
ドラゴンの一匹が聞いてくる。
「そうだよ、僕が君達を作ったんだ!」
両手を広げ叫ぶが、ドラゴンが鼻を鳴らして僕に向けて吠えた。
『黙れ小僧! 貴様のような下等生物が我を作っただと、冗談を言うな喰うぞ?』
プライド高いなこのトカゲ野郎…
まぁ、いいか。僕は笑顔のまま口を開いた。
「黙れよ…生まれたての羽付トカゲが。」
僕がそう言うとドラゴンは口に火を…ブレスするつもりか?
『死ね、猿が…』
ドラゴンは炎の息を吐いた。
しかし、次の瞬間ドラゴンの頭が無くなった。
ガリ!ボリボリ!
噛み砕く音が僕のコートから聞こえる。
ドラゴンの頭が無くなった所を見て他の魔物達は目を点にして見ていた。
「君が喰われたね…。 クリーチャ、“搾取”を始めなさい。」
大量の口、歯が魔物達を襲い始めた。




