操られた裏切り
なんか食べられる前に誰かの名前を呼んでなかった?
まぁ、たぶん勇者だろう。
呼んでも勇者は来ないんだけどね〜
実際に勇者達を見て分かったのは…
“バカ正直”
おそらく、彼らは僕が正面から来ると思っているようだけど…
僕は勇者の思い通りにはならない。
タクヤの世界では正義が勝つというけど、実際にやってみないと分からない。
物語では“運よく”手掛かりが見つかったり、“人間性”で敵が味方になるけど、現実は違う。
人はそれぞれ“個性”を持っているのだから。
実際に僕は狡賢い奴、最強の暴力を持つ奴が勝つと思っている。
他人が“それは人間としておかしい”と言っても、負けたらそいつはただの肉になるだけ。
要は“勝てばいい”
だけど、マリアだっけ?
外に向けて走ったけど…
「終わったぞ。」
「キャハ♪」
タクヤとサリーが外にいるから結果は同じだったんだよ。
「よし、じゃあ“チェック”をかけようか…」
僕とタクヤ、サリーで皇帝をぶち殺そう。
僕は最高の笑顔で皇帝がいる場所に向かった。
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なんという事だ…
勇者を戦争の駒として使う為に、魔王の復活という嘘を言ったが本当に魔王が現れるとは…
「まぁいい…」
儂は皇室の椅子から立ち上がり、後ろにある本棚へ行き目当ての本を探す。
おそらく、この帝国は滅びるだろう。
なら、“逃げればいい”
この本棚には様々な魔術についての本があり、その中の一冊を手に取った。
本には“転移魔術”と書かれている。
「よし、あとは“魔法陣”があれば…」
儂は地下へと向かう為に家宝の剣を片手に部屋を出る。
「あっ、みっけ〜」
廊下へ出ると黒いコートを着た少年と裏切り者の2人がいた。
「久し振りだな…陛下。」
裏切り者の1人、元勇者であったタクヤが黒い炎を手に灯しながら言った。
「ふん、裏切り者め。まさか、アルブベト家の娘までいるとは…」
「家は関係ないわ、私がタクヤに着いていっただけだから。」
アルブベト家の娘は片刃の剣を儂に向ける。
まずい…
こちらが圧倒的に不利だ…
「あっ、皇帝陛下にプレゼントがあります♪」
黒いコートを着た少年が手に持っていた袋を儂の足下に投げつけた。
袋はコロコロと転がりながら封が空き中の物が……………
「マリアっ!!?!?」
何故、マリアの“頭”が!?
そんな…
キドリーに続いてお前まで…
「どうですか? 僕のプレゼントは〜?」
許さん…
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
気づけば儂は剣を抜き走っていた。
すると少年は黒い剣を取り出して…
『ブラック・ウィップ』
黒い鞭が儂に迫ってきた。
ガキッ!!
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「これはどういう事だい? “タクヤ”」
僕がブラック・ウィップを皇帝に振るい鞭が当たりそうになると、タクヤが“白い鎧”を着て鞭を防いだ。
「…………。」
ん? 小声だから聞きとれないぞ。
「君は間違っている!!」
……………………………?
「えっ…何が?」
タクヤが言い出した事に驚きながら聞く。
「“僕”は今まで君を見ていたが、君はやりすぎだ! 正義として見過ごす事はできない!」
おいおい、遂に頭が可笑しくなったか(笑)
「ちょっとタクヤ! 何やってるの!!」
サリーがタクヤに近づく…
ドカン!
「黙れ、“悪”の手下め!」
嘘だろ…昨日まで一緒に寝る恋人関係だったサリーを“本気で殴った。”
「さぁ、陛下!! 今のうちに!」
「ああ…分かった。」
タクヤが皇帝に避難するように誘導し、皇帝は階段を降りていく。
「ねぇ、タクヤ。いくら友達だからといっても、“これ”は許さないよ?」
僕はニッコリと笑顔で言う。
「お前はここで倒す“混沌の使者”!!!」
“混沌の使者”?
おかしいな、タクヤなら僕が“絶望の使者”になった事を知っている筈……
“ああ、あと元勇者でも光の精霊の加護が少しある筈だ、だから”
“気をつけろ”
ああ…そうか
“光の精霊”か…
「そうか、タクヤ。なら僕は僕の夢ために君をこの世界から…
“消してやるよ”
」
僕は悪の遺産から“天地征権”を取り出した。




