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世界征服を始めました。  作者: 袋烏
第4章 壊れゆくもの編
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虚栄の魔城

「カラスさん! もう止めて下さい!!」


ユウキがカラスに向かって叫んだ。

敵に何を言っているんだ?


「貴女はジョナという“混沌の使者”に操られているんだ! 本当の貴女はこんな事しない筈だ!」


「あんたはうちの何を知ってるんねん…」


カラスは軽蔑の目をユウキに向けながら言った。


今のうちに俺は気づかれない様にカラスの死角へと移動する。


「うちはうちの意志でジョナはんに着いてるねん。あんたが勝手にうちを決めんといて〜。」


「だけど…僕は可愛い女の子を傷つけたくないんだ!」


おいおい、カラスフラグを立てようとしているのか?


「うわ〜キモいわ〜。」


「キモい!? 酷い…」


カラスに指摘されて四つん這いになって落ち込むユウキ。


今だ!


俺は聖槍“セロ”を構える。


「ところで…うちの後ろにいるアンタ、まる分かりやで?」


!!? バレたか!


しかし、俺はそのまま聖槍“セロ”を投擲した。


セロは高い所にいるカラスを、目に見えない速さで貫いた。



「外れ〜」



かに見えた。


いつの間にかカラスは先程の所から居なくなり俺の目の前に現れた。


「女の子に刃物を投げつけるなんで嫌われるで〜、お返しや。」


そう言ってカラスは息を大きく吸い込み。



『炎術“ドラゴン・ブレス(炎竜の息)”』


炎をブレスして俺は炎に包まれた。


「……っ!!!!!?」


叫んだが声がでず。

俺は体に纏わりつく炎を消す為に転がった。


糞っ! 熱い!!



「リュウ、大丈夫!?」


「ありゃ、強すぎたみたいやな(笑)」


カラスは笑いながら俺を見ていた。



糞ムカつくな! 決めた、犯して性奴隷にしてやる…


俺は炎を消すと手を伸ばした。



「戻って来い!!」


俺が叫ぶと聖槍セロが飛んでいった方から、聖槍セロが戻って来た。


「およ?」


セロは俺の手に戻ったので俺はそのまま再び投擲の構えをする。


「おらっ!!」


掛け声と共にカラスに向けて投擲する。


「そんな見え見えの攻撃、簡単に避けれるわ!!」


カラスはその場から動かず、体を捻り俺の聖槍セロを避ける。


だが、“避ける事は分かっている。”


聖槍セロが突然グニャリと変形しロープみたいになりカラスを縛り付けた。


「なんやって!?」


カラスは突然起きた事に驚き、さらに体を縛られてバランスを崩し倒れる。



「ふっ、驚いたか! 俺の聖槍セロは“俺の意志で動いたり、形状を変えたりできる”能力だ!」


俺は誇らしげに語りながらカラスに近づいていく。


「言っておくが逃げる事は出来ないようにきつめに締めつけているから無駄だぞ。」


俺の説明を聞いたカラスは…


「いやぁ〜 離して〜」


ジタバタしてカラスは逃げようとする。


さて、可愛がってやろう…









『カラス、“ソコ”でいいわ。』


「ん?もうええの?」


突然、カラスが誰かと会話を始めた。


そして、


「そんじゃあ、“遊び”はここまでやな。」


『体術“蛇”』


ゴキっゴキっ!!


カラスの体から骨が外れる音が生じ、同時にカラスはまるで蛇が細い管を通るように、聖槍セロから抜け出した。


コイツ、関節を外しやがった。


ゴキ、コキ!!


「あ〜解放されたわ〜」


抜け出したカラスは再び音を発し関節を戻した。


「ほな、サイナラ〜」


そう言ってカラスは手を振りながら船の扉に向かって走っていく。


「逃がさない!」


すると空気だったユウキが聖剣を構えて



『聖光斬っ!!』


光の斬撃を放った。


光の斬撃はそのままカラスへと飛んでいき船の1部と共に吹き飛ばした。



!!!?



「どうなってるんだ?」


俺は崩壊した船の部分を見て驚いた。


ユウキが吹き飛ばした所にはカラスの姿が無く、壊れた船の一部がまるで“霧”のように霧散していた。



「“虚栄の魔城(パンタシア・テッラ)”解除」


カラスの声と共に俺達が乗っていた船が一瞬にして霧になり、俺達は地上に向かって落ちていった。








[][][]








「おい、“魔物の群”はどこに行った?」


儂は突然消えた魔物についてセイヤに訪ねる。


「レオさん、魔物の群なんて“始めからいなかった”んですよ…」


セイヤも混乱しているが分かった事だけを言う。


「“いなかった”だと?」


「はい、僕のフォルテが地割れを発生させたのですが、魔物の群は“足場がない空中を走って来た”のです。さらに魔物の群に触れるとまるで煙のように僕達を通り抜けたのです。」


つまり、“囮”か…


儂は帝都の方へ顔を向けると“嵌められた”と分かった。


「あれが“本物”か…」


帝都の真上には“巨大な卵みたいな物体”が浮かんでいた。


卵は羽みたいな装飾が所々にあり空中に存在していた。



「おい! あの船が消えたぞ!?」


兵士が見ている方角へ顔を戻すと、“偽物”の船は煙のように霧になっていた。



ドンっ!! ヒュ〜〜〜〜〜……‥


突然、卵から爆発音と共に光が飛んで来た。



カッ!!!!!



儂らは全員、眩しい光に呑み込まれた。




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