光の騎手がやって来た
やっほ〜ジョナだよ〜。
只今タクヤを魔人にしてこれからについて考えてまーす。
「さてとどうするんだ?」
タクヤが話をふってくる。ちなみにタクヤは魔人になっても魔人化しないと見た目は人間と同じ姿です。
「とりあえず、村を襲ってマーガを増やそう。」
戦いは数だからね〜
「ジョナの“怪物工場”で魔物を作らないのか?」
「いや、余りポイントを使いたくないし、今作れる魔物でゴブリン、スライムぐらいしか軍を作れないし。」
「国を攻めるにしては兵力がないな…」
そうなんだよな〜と呟きながら僕は考える。
「失礼しギ…ます…」
マーガが一匹やってきた。
「どうしたの?」
「こノ…城に……ギ…向カってギ……来る…団体が……いまギす。」
「数は?」
「10人…で…す。」
この城を攻めて来たにしては少ないな…
「なんでやって来るんだ?」
首を傾げて考える。それを聞いたタクヤは
「この城にいた奴隷達はどうしたんだ?」
「えーとエルフ3人を殺して2人はマーガにした。」
「ダークエルフは?」
「へっ?」
「ダークエルフの娘が1人いたはずだぞ、たしかお前が城を襲った時は男爵の寝室にいたはずだ。」
それを聞いた僕は立ち上がり全力で走り寝室に向かう。
寝室の扉を蹴破り中に入る。
誰もいない……でも空気が僕が入った扉“以外”から出入りするのを感じる。
その空気が出入りしていたのは“壁”からだった。
チッ……
僕は舌打ちをしてタクヤがいる部屋に戻った。
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私達、ギルドチームAランクである“光の騎士”はビッグ・レッド男爵の城に向かって進行している。
“光の騎士”のメンバーは全員が騎士の鎧や魔導剣、魔導盾、魔導ランスという最高級の装備をしている。
このチームには“光の騎士”を創立した1人“ミカエル”さんだ。彼はキラキラしたオーラを発してみんなを魅力する(女性が特に)
ミカエルさんは聖なる光の加護を受けた1人でもあり、凄く強い。
私は“光の騎士”に憧れて獣人族でありながら実力が認められて入隊する事ができた。
何故、私達が城に向かっているのかというと近くで依頼である『ゴブリン討伐、巣の破壊』を終わらせて村で休憩をしていると、ダークエルフの女の子がやって来て男爵の城が化け物に襲われていると知らせてくれたからだ。
その子によれば化け物に噛まれると化け物になってしまうらしい、そこで私達は調査をする為に城に向かっている。
女の子はそのまま帝都に知らせる為にギルドメンバー2人が護衛で送る事にした。
「ミーシャ君大丈夫かい?」
ミカエルさんが心配そうにして話し掛けてくれた。
「はい…ちょっと怖くて…」
私は正直に言った。するとミカエルさんは、
「大丈夫だっ!! 君達は私の大事な仲間だから絶対に守ってみせるよ!」
笑顔で私達を励ましてくれた。
そうだ、ミカエルさんがいるから何も心配する事はないんだ。
私はその時はそう信じていた。
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…何あの臭いセリフを言う奴は?
僕は遠くから城にやってくる団体を観察していた。
団体は全員騎士みたいで装備も充実していた。
男8人女2人の割合だな。
男は臭いセリフを言う奴いがい兜で顔は見えない、女の方は1人が獣人の特徴である猫耳がある美人、もう一人は金髪でショートボブの髪型をしている美人だ
それにしても、あの臭いセリフを言う奴は何か見ているだけで“イライラして殺したくなる”感情がこみ上げてくる。
何が「大丈夫だっ!! 君達は私の大事な仲間だから絶対に守ってみせるよ!」だ。
よし、じゃあ本当に守れるか試してみるか…
僕は笑顔でマーガ数体に突撃の合図をした。
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私サリー・アルブベトは目の前で獣人族ウリルとミカエルがイチャイチャしているのを見ている。
私はアルブベト家という貴族の長女で小さい頃から英才教育を受けてきた。
政略結婚をさせられそうになり家を飛び出しギルドで“アイツ”と出会い共に行動した。
しかし“アイツ”は急に姿を消した。
私は“アイツ”を見つける為に“光の騎士”に入隊した。
入隊して始めての“新人教育”として私と同じ新人のウリルと一緒にミカエルの部隊に参加した。
ダークエルフの女の子が来て城が怪物に襲われたと聞くとミカエルは「大変だっ!!すぐに助けないとっ!!」と言って部隊を引き連れて行こうとした。
私はすぐに、
「未知の魔物に噛まれると奴らの仲間になるんですよ。ここは軍に要請をした方が…」
と言ったが
「だけど今行けば助かる人がいるかもしれないっ!!」
そんな憶測で私は化け物の仲間入りになりたくない。そう思い反論しようとするが。
「これは、隊長命令だ君達新人は“教育”として来て貰う。断ればギルド追放だっ!!」
と…権力を使ってきた。彼程の地位なら私なんかをギルド追放するのは簡単だ。しかたなく私は城に向かうはめになった。ウリルは喜んでいたけど…
で、今にいたる。まったく緊張感がないまるで遠足に行くのかと思える空気だ。
『ゴブリン討伐。巣の破壊』の依頼でもこんな空気でミカエルが魔法を使って終わっただけだ。
こんなのが“教育”になるのか?ただ自分の凄い所を見せたいだけだ。
私はそう思いながら進んでいく。
ギャハハハハハハっ!!
突然、不気味な笑い声が聞こえる。
「みんなっ!!私に集まれっ!!」
ミカエルが指示を出し私達は集まる。
するとミカエルは
『光よ、邪悪なる者から我等を守りたまえ…』
守りの魔法の詠唱をする。すると私達を包むように光がドーム状になる。この魔法は外からの攻撃を一定のダメージまで防ぎ中からの攻撃は通す反則レベルの魔法だ。確かにこれがあれば安全だ。
前方から白い何かが走ってきた。
視認できる距離までそれが来る。
それは女の子が言っていた通りの外見をした化け物だった。
「なんだあれは…」
仲間の1人が呟いた。
化け物は私達に襲いかかった。
しかし、化け物は私達に触れる事はなかった。
光の壁がそれを許さなかったからだ。
化け物は光の壁を壊そうと殴ったり蹴ったりする。
「今だっ!! 魔導ランスを使えっ!!」
ミカエルに指示され魔導ランスを持つ仲間が化け物にランスを刺す。
化け物は悲鳴をあげる。
追い討ちをかけるように魔導ランスが発動する起動音が鳴る。
ボンッ!
突如、化け物に刺さっていた部分が爆発した。
魔導回路を組み込んだ魔導武器は回路によって様々な効果を生む、先程のランスだと“爆発”だ。
魔導武器は高いが最高の攻撃力を持っている。
何だかこのままなら大丈夫な気がしてきた。
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