友達を作ろう
【男爵の城を制覇しました2500pt加算されます。】
【“悪の書”が解放されました。】
【スキル“一匹いたら百はいると思え”を獲得しました。】
【現在3450pt】
頭の中で新しいメッセージを聞き、男爵の右足を掴み引きずりながら城へ向かう。
男爵はうるさかったから喉を潰し声が出ないようにした。
とりあえず新しいメッセージについて見てみよう…
【“悪の書”100pt
人間を魔人に変える。使用者の同意が必要。魔人時のステータスはランダム。魔人はジョナに絶対服従です。】
【スキル“一匹いたら百はいると思え”
増えます。(注意)モンスターにしか使えません。】
う〜ん“悪の書”は仲間になった人間にしか使えないな…
スキルはモンスターにしか使えないかマーガに使わせるか?
色々考えながら僕は城の門をくぐる。
ギヒヒヒンっ!!
動物か分からない声が背後からして振り返ると、そこにはマーガに襲われ感染凶化した馬(?)がいた。
馬(?)は全身が白く、目がなくなり口からは犬歯が見えて涎をたらしていた。
簡単にいうとマーガの馬verだ。
【マーガ(馬)200pt
スキル“感染”
馬が凶化した物、噛みついた生物を凶化する。乗馬ができる。】
なるほど、人間以外でもマーガが襲うと凶化するのか。そのうちドラゴンも凶化するか。
とりあえず、城を調べてみようか。
まず豚をマーガに渡し地下牢に入れるように指示を出す。
するとマーガは笑いながら豚を引きずりながら地下牢へ向かう。
「ねぇ、生存者っている?」
つい近くにいたマーガに聞いてしまった。
コイツら笑い声した出さないのに…
「地下牢ノ…ギ奥以外…半分殺しギ…半分仲間に……しましギた。」
………………喋れるじゃん。
えっ?コイツら知識あるの?人間だった時の記憶があるのかな?
不気味に思いながら僕は報告にあった地下牢の奥に向かう。
奥に行くとマーガ2体が扉を開けようと殴ったり蹴ったりしている。
扉には“拷問部屋”と書かれていた。
とりあえずマーガを下がらせ扉の取っ手を掴み押す…
バキッ!!
そんな音と共に扉は外れた。
「あんた…人間か?」
中から弱々しい声がした。
中を見ると様々な豚の悪趣味な道具が置いてあり壁に手錠をされた黒髪の少年がいた。
先程の声の主だろう。
「一応、人間だよ。 僕はジョナだ君は?」
僕はそう答えると
「俺はタクヤ…一年前にこの世界に“勇者”の一人として召喚された異世界人だ。」
少年…タクヤは勇者と名乗った。
うーん、なんで勇者がいるの?
タクヤの自己紹介を聞いてまずそれが疑問になった。
勇者っていう事は僕の敵である可能性が高い、彼は今“動けない”なら“殺すか?”
そう考えたけど…
「勇者である君は何故ここにいるの? 実はそういう…「いや違うから」」
まず彼の趣味かを確認したけど、どうやらマゾではないらしい…
とりあえず彼は『勇者の一人』って言っていたから仲間はいるかを聞くべく会話をしよう。
「ねぇ、君の他に勇者はいるの? 何故君がこんな所にいるかも教えてくれると助かる。」
「いいぜ別に…」
いいんだ…この子は本当に勇者か?と疑問に思いながら僕は彼の話に耳を向けた。
要約すると、
一年前に…
いきなり召喚される
↓
勇者が5人(男4人女1人で男にタクヤの知り合いがいる。)
↓
セプンテント皇帝に会う
↓
魔王が現れるという予言があったから君達を召喚したんだと説明を受ける
↓
聖なる武器を渡される(タクヤは鎧だった。聖なる武器は勇者召喚で召喚された者にしか扱えない)
↓
タクヤは不信に思い独自で調査(タクヤの知り合いはハーレムを作る)
↓
実は魔王はいなくて他国の戦争の駒として召喚されたと分かる。
↓
バレる
↓
捕まり反乱を起こそうとしたという冤罪を被る
↓
「そんなっ!! タクヤ見損なったぞっ!!」と他の勇者達に言われて信用されない
↓
豚が拷問する為にここに連れてこられた。
↓
ナウ
…ってわけ?」
僕は全裸にした豚男爵の背中に羽ペンで書いていく。書くたび豚が動くから所々文字が潰れているし、血まみれになった。
「だめだなこれ凄く書きづらい。」
「ああ…人の背中に羽ペンで書くという邪道を始めてみた。」
「やだな…褒めても何もでないよ?」
「いや、褒めてない」
えっ…そうなの?
「まぁ、これを聞いて僕は君を解放する条件を付けようと思う。」
「あいつらを殺せるならどんな条件でも呑む。でも怪物になるなら理性ぐらい残してくれよ。」
「いや怪物にはなるけど少し違う。僕と“友達”になって“世界征服”をしようっ!!」
あれ?何この空気?
沈黙した空気をまず消したのはタクヤの笑い声だった。
「アッはハハハはっ!! いいぜっ!! 一緒に“世界征服”をしようぜっ!!」
タクヤは笑いなが僕を見る。
「じゃあ、“悪の書”をあげよう。」
そう言って僕はポイントを使い真っ黒な本を作り彼に渡した。