ジョナvs ヴィクトリア
[][][]
…―私は“自由”の為に戦っている。ヴィクトリア、お前は僕に力をくれた事に感謝する。
[][][]
私は我が君との記憶を思い出していた。
ああ、我が君よ…偉大なる王よ…
この時代には貴方はいませんが必ず“蘇らせます。”待っていてください。
まずは我が君と同じ力を持つ目の前にいる“屑”を血祭りにします。
「そうかヴィクトリアさんっていうのか…ちなみに僕の名前は…「いらん。」え?」
目の前にいる“屑”が名乗ろうとしたので、私はそれを止める。
何故聞かないのか?それは
「すぐに死ぬ奴の名前を何故聞かなければならない?」
「あははは、酷いや。」
屑は陽気に笑いながら右人差し指を私に向ける。
『閃黒切断』
黒いレーザーが放たれ私の体に触れようとする。
私は脚部に力を込めて屑の背後に移動した。
おそらく屑は私の残像を貫いて喜ぶだろう。
そこに私は手刀で奴の首を切り落とすつもりだ……
黒いレーザーが私の残像を貫くと同時に右手に力を込める。
「死ね…」
そして屑の首を私の手刀が刈った。
「残像だ。」
っ!?
首を刈った筈の屑の声が後ろからして私は目の前を確認する。
そこには奴は居なかった。
とっさに背後へ手刀を振るう。
しかし、
『暗黒玉』
黒い球体のエネルギーが私の脇腹へと当たり、私は“吹き飛ばされる”
「いや〜『残像だ』合戦が出来るなんて。漫画だけだと思っていたよ〜。」
屑はヘラヘラとしながら言葉を言う。
「でもさ、思うんだよ…」
突然、奴は真剣な顔になり腕を組む。
「後ろにまわるよりもさ…」
そう言った時、奴は私の“目の前”に現れる。
「な!?」
「こうやって背後にまわる前に攻撃をするのが一番手っ取り早くない?」
『斥っ!!』
私はスキル『引斥』を使い奴を吹き飛ばす。
『閃黒切断』
吹き飛ばされる中、奴はまた黒いレーザーを撃ってきやがった。
私はそれを避ける。
屑は壁に激突し落ち、衝撃で壁が崩れ瓦礫の下敷きとなった。
「いや〜参った参った。あっはは。」
まだ生きているのか。
不愉快にさせる笑い声が私の耳に入る。それと同時に
ブモーー…
建物の外から船笛のような音が響き渡る。
「そろそろかな?」
地面が揺れる。
コイツ…何をしたんだ?
「疫病泥巨人。」
私の足下から振動が大きくなり床が抜けて“巨大な白い手”が現れて私を捕まえようとする。
「私に触れるな塵…『斥』」
斥力で白い手を吹き飛ばそうとする。
しかし、ベチャという音と共に白い手が破裂した。
「白いスライムだと!?」
かつて我が君も魔物を作ることができだが“白いスライム”など見たことがなく“私が渡したスキルで作れる魔物のリストには存在していなかった”。
プシュー
突然、白いスライムが霧を吹き出してきて、それを私は直接浴びてしまった。
「糞っ!!」
私は再び『斥』で霧を吹き飛ばす。
すると異変が起きた。
私の視界が歪み体が重く感じだした。
毒か!?
「こんなものすぐに解毒を…」
「おいおい…」
私が毒に混乱していると突然声がした。
誰だ?いや…それより何故私は“ここ”にいる。
「隙だらけだ。」
次の瞬間、私の左肩から激痛が走った。
痛い…何をされた?
左腕は…ない、無くなった。
奴が持っている黒い光の剣はなんだ?
「あはは〜まだまだいくよ!!」
混乱と斬撃の中、私は冷静になろうと気持ちを落ち着かせる。
よし…すぐに解毒し冷静を取り戻した私は『引斥』を使い奴を吹き飛ばす。
どうやら、白いスライムの霧は私を混乱させる効果があるらしい。
左腕はおそらく奴が今持っている黒い光を剣状にしたものに切り落とされた。
左腕は再生可能だ…
「ありゃ、生えちゃうの?」
笑顔で奴は言う。
よくも私に傷をつけたな許さない…
壊してやる…
殺してやる…
犯してやる…
潰してやる…
苦しめてやる…
死んだ方がましだと、『殺してくれ』と懇願したくなるようにしてやろう…
私はヘラヘラと笑っている屑にスキル『嘘の果実』を発動させた。




