蹂躙しよう
やっほ〜ジョナだよ〜。
今、領主であるピッグ・レッド男爵がいる城が一望できる所にいまーす。
いや〜さすがに小さい城だね〜所々に男爵の銅像があるし、あれは僕達の税金で出来てるのかな?
そうだとしたら、凄く腹がたつ。
あの城を攻めるにはまず城を囲む高い石壁を攻略しないといけないしどうやって蹂躙しようか?
〈戦力〉
ピッグ・レッド城
ピッグ・レッド男爵1名
兵士50人
?? ??人
ジョナと愉快な仲間達
ジョナ1名(490pt所持)
マーガ18体
??? ??体
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「えーいっ兵士長はまだ戻らないのかっ!!」
吾が輩は食事をしながらそばにいた兵士 に文句を言う。
「はい…兵士長達からの連絡すらありません。」
兵士は何かに怯えるように返事をする。
まったく、腹が立つ
「明日の朝になっても戻らないなら捜索しろ。」
「はっ!」
兵士は敬礼をして部屋を出る。
まったく、あの虫けら共しかいない村に何をてこずっているんだっ!!
「おい! そこのお前達っ!!」
吾が輩はすぐそばにいたエルフの女奴隷に指示を出す。
「今日、入った新しい奴隷のダークエルフは吾が輩のベッドに来るようにして、黒髪の男は拷問部屋に入れておけっ!!」
そう言うと奴隷は慌てて部屋をでる。
まったく、不愉快だ。
その時だった。
「襲撃だっ!!」
外から兵士の声が聞こえた。
吾が輩は慌てて様子を見る為に外にでる。
正面城門の辺りに兵士達が集まっていた。
「何事だ!」
吾が輩は近くにいた兵士に問いかける。
すると兵士は顔を真っ青にして言った。
「コト村の…連中が“ゾンビ”になってやって来ました…」
それを聞いた吾が輩は背筋が冷たくなる感覚を覚えた。
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【“ゾンビ” 1pt
死者が動きだした者、作成には死体が必要。】
今、城門にはかつて僕と一緒に過ごしていた人達だった“物”が城を攻めていた。
数は30体で動きは遅いが確実に城門に集まっている。
城門の上から矢を放ち矢は死者に当たるが彼等には“痛み”がない。彼等はただ“僕の命令通り”に行動しているだけだ。
死者の集まりは城門という“壁”で止まり一列目の死者を二列目が乗り越えようとする、するとさらに三列目がまた乗り越えようよする……
「コイツら山を作ってやがるっ!!」
兵士の一人が正解の声をあげる。
すると兵士達は必死に山を崩そうと槍や弓で攻撃する。
しかし、生物だったなら山は簡単に崩れただろう。山は少し崩れても落ちた死者はまた登り。死者の山は完成していく。
一定の高さになった時、僕はマーガ9体を突撃させた。
“死体の山”を登らせる為に……
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ギャハハハハっ!!
ゾンビ達の山を作るのを邪魔していると、森から不気味な声で笑いながら白い怪物が9体走ってきた。
怪物はゾンビの山を全力で登り城へ侵入して来た。
怪物は怪力で次々と兵士を襲う。
怪物に噛まれた兵士は怪物に変貌しまた襲う。
おそらくここは全滅するだろう。
吾が輩は逃げるべく数人の部下を連れて馬車に乗る。
怪物とゾンビは正面の門にいる為この馬車で反対側の門へ向かう。
何人かの兵士が助かろうと馬車にしがみつくが、吾が輩は部下にそいつらを落とすように指示する。
あの怪物が兵士に集中している間に吾が輩は逃げなければならない。
帝都に行き怪物について言えば逃げた事は見逃してくれる筈だ。
吾が輩は今後について考えながら馬車の中から自分の城を見る。
聞こえるのは兵士の悲鳴と怪物の笑い声。
「何故、吾が輩がこんな目に遭わなければならないのだ?」
そう、自分は悪くない全部あのマオが悪いのだ。
反対側の門を開け馬車を全力で走らせる。
ドシン…
突然馬車が何かにぶつかったような振動を受けた。
吾が輩は恐る恐る馬車から顔を出し前方を見る。
そこには、“白く”なっていく馬と“怪物”がいた。
「ブヒィィッ!!」
吾が輩は死にたくないという一心で馬車から飛び出し全力で走る。
後ろでは部下達の悲鳴が聞こえるが振り返りもせずに吾が輩は走った。
しかし、右足に何かが引っかかり吾が輩は転ぶことになった。
何に躓いたのかと振り返るとそこにはコト村の村長の家にいた餓鬼が黒い服を着て立っていた。
「やっほ〜男爵、元気かい?」
そいつは後ろに怪物を引き連れて笑顔で吾が輩に言った。
「チェックメイトだね。」
狂気に満ちた顔が恐ろしく感じた…
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