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世界征服を始めました。  作者: 袋烏
第3章 真の悪編
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祭りの始まり

俺は勇者(アイ)中2病患者(ジョナ)の戦いを見ていた。


アイがキドリーの力を手に入れてもジョナは冷静に観察し対象した。

マーガの山では表面にいるマーガしか倒せなかった。つまりアイの聖弓“フェアリー・アロー”には貫通力がない、そこでジョナはスライムを大量生産し巨人を作りアイと戦わせている。


巨人は勇者(アイ)を無視してただ“帝都がある方角”へ歩いていく。

アイは巨人が真っ直ぐ帝都へ向かっていると気づき、全力で巨人を攻撃して倒そうとする。

しかし、攻撃をしてもアイが放った武器は表面に刺さるだけで、すぐに抜けて傷後は再生する。始めは5mぐらいの大きさが今では10m近くにまでなっている。


アイが巨人と戦っている時にジョナが近づいてきた。


「帰ろうか。」


「いいのか勇者(アイ)は?」


「別に大丈夫だよ。今でなくても殺せるしね〜。」


ジョナはヘラヘラしながらルアーノ街へ向かって歩いていく。


「それに…今晩から“忙しいよ”。」


やれやれ…どうやらまた何かをやるつもりだ。

まぁ、検討はつくが…


「サリーちゃんを招待しないとね〜」


子供が遠足に行くのを楽しみにする様にジョナは笑っている。












聖光教会 ルアーノ支部 司祭室


私は11年前、選ばれた者にしかなれない司祭になり、ルアーノ支部へ配属になった。

ルアーノ支部へ配属になってから運が良かった。当時は孤児の寄せ集めの聖歌少女隊だったが今ではDr.ルーナの錬金術の“ホムンクルス(人造人間)”により美しく強い“可憐聖歌隊”ができた。


今日の初活動で信者が増え寄付金が増えた。今までは聖歌少女隊の奉仕活動で一部の貴族からしか寄付金が集まらなかったが“可憐聖歌隊”のおかげで“聖光国”への“(賄賂)”の献上が増えた。

私の出世は間違いないだろう…くくく。



司祭しか座れない椅子に座り喜びを噛みしめながら今後について考える。


「“教皇”になるのも夢じゃないな…」


おっと、つい口にだしてしまった…いかんいかん。


私は机の上の書類を見る。


書類には“例の物”が手には入ったと記されていた。


「そうか…見つかったか……」


ルアーノ支部へ来てから本当に運がいい…




そういえば、先程から外が騒がしいな…


夜なのに哀れな羊、いや金になる羊か…フフフ…祭りでもやっているのか?

しかし、“聖光祭”はまだ先の筈だ。



そう思い私は窓からルアーノの街をみる。


夜のルアーノ街は魔道具の光によって美しく照らされている…



しかし、今私が見ているルアーノの夜は“真っ黒に燃える炎”が照らしていた。






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