勇者との戦い(5)
頭が真っ白になった。
キドリーが致命傷になり私は回復魔法が使えない為、敵である黒いフードで顔中包帯で隠した男に『キドリーを助けて』とお願いした。
すると彼は『いいよ』と言ってくれて私は安心した。
でも彼は“キドリーを踏み殺した”
私は怒り『何故殺した』と問うと…
“彼を苦しまないようにした”と平然と言う。
彼の言葉はまさに“悪魔”のような演説だった。
“自分は間違っていない…君が間違っている”
その言葉で私は全身から力が抜けた。
つい彼を“悪魔”と呼んだが彼は“何処にでもいる人間”だと名乗る……
この世界の人は皆、彼が言う“嘘”と言う仮面を被っているのだろうか…
私はこの世界を救えるの?
『騙されてはいけませんアイ…』
え…誰……?
『私は“光の精霊”
彼は“混沌の使者”です……“人”と偽りあなたを誘惑している“悪魔”です……』
混沌の使者…?
『あなたが召喚された時、“帝国の王”はなんと言いました?』
せ…“世界を救って欲しい”…
『それがこの世界の人達の“願い”です…』
そうだった。
『それに見なさい…“混沌の使者”の後ろにいる男を…』
タクヤ?
『彼は“帝国の王”を暗殺しようとした裏切り者の筈です…つまり、あなたの“敵”である…
なら目の前にいる男は?』
………………敵。
『さぁ、戦いなさい…世界を救う為に……あなたには新たな力を授けましょう。』
そうだ…私は“世界を救うんだ”
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現状を報告するぜ! 何か勇者が光だしてまるでLEDみたいたぜ。
「おい、ジョナ…」
「なんだい、タクヤ」
「今なら隙だらけで勇者殺れるぞ…」
「だよね〜なんでこんなに隙があるのか考えていたんだよ丁度。
逆に罠か?と警戒して手を出さないのだけど…ていうか、最近の勇者は発光機能が付いてるの?」
「さぁ?“覚醒フラグ”の時は特に罠がないから今のうちに攻撃した方がいいぞ。」
「分かったぜよ。」
返事をして僕は勇者の頭を“踏みつけた”……
しかし、
足下には勇者はいなかった。
代わりに、僕のお腹に剣が二本刺さっていた。
なんか最近お腹を怪我するな…
「“こっち”よ。」
僕の後ろから勇者の声がする。
とっさにその場から離れると今度は槍が飛んできて僕がいた場所に突き刺さる。
僕は反撃するために腹から剣を抜き(傷は邪悪なる光で高速回復する)地面を蹴り勇者に一気に近づいた。
そして、剣を振り下ろす。
だが、またそこには勇者はいなかった。
しかし、先程の反撃で分かった…
「“自分を加速して撃ちだした”か…」
僕は勇者に笑顔を向ける。
「よく分かったわね…“混沌の使者”」
“混沌の使者”? 僕は確か“暗黒の使徒”と名乗った筈だけど…何故“僕のスキル”の名前を知っている?
「あはは、何の事かな?」
「惚けても無駄よ“光の精霊”が教えてくれたわ。」
“光の精霊”か…確か“聖光教会”が信仰する奴だっけ?
まぁ、いいや…後で調べてみようか。
彼女は“光の精霊”に何か戦いの知恵か力を貰ったみたいだな…
自分で強くなる事をしないのかい?
せっかく聖弓に選ばれたのに…
他の人達は自分で“努力”して強くなっているのに…
存在が腹立たしい
僕はマーガ達に命令をする…
“突撃しろ”と…
マーガ達が突撃を始めると同時に僕は目的である“実験”を始める。
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“混沌の使者”は“白い悪魔”に命令をして私に突撃させてきた。
なんという無駄な足掻きを…
私は“フェアリー・アロー”でキドリーが作ってくれていた武器を弾にして“白い悪魔”に放った。
一斉放射をした為砂煙がまい、私の視界を遮る。
ブモーーー…
まるで船笛のような音が響き渡り地面が“揺れた”。
新手の魔物か?と思い構える。
徐々に砂煙が晴れてくると揺れと船笛の主が現れる。
全長5mで全身が白く油が塗ってあるのかと思うぐらいテカっており、白い泥でできた“巨人”が私の目の前にいた。




