勇者との戦い(2)
俺が先程まで立っていた所には大量の聖剣が突き刺さっている。
「外したね。アイ、次はこれを…」
そう言ってキドリーは槍をアイに渡す。
『火銃』
俺は指を銃みたいにして黒炎弾をアイに向けて撃った。
“黒炎”は魔人化しなくても使える、しかし威力は半分になる。
爆音と共にアイが爆発した。
黒炎弾は接触した時に爆発を起こす性質を設定した為である。
放った黒炎弾はアイに当たったように見えた。
しかし、煙が晴れるとそこには大きな盾があった。
ちっ、面倒な…
「ケガはないかいアイ?」
「ええ、大丈夫よ。」
盾を持っているのはキドリーだった。
キドリーは盾を造り黒炎弾を防ぎやがった。
すぐに俺は『黒拳』を放つべく右腕に黒炎を纏う。
「アイっ!! 奴はどうやら魔王に邪悪な力を貰ったようだ気をつけてっ!!」
アイはキドリーから受け取った槍を宙に浮かせる。
すると今度は槍に光が集まっていく。
『黒拳』
『勝利の矢』
黒と光がぶつかる。
結果は引き分けだった。
『黒拳』と『勝利の矢』はぶつかると衝撃波を発生させて俺とアイ、キドリーや兵士達を巻き込み飛ばされた。
俺はとっさに魔人化をしてダメージを軽減したがアイ達はどうなった?
ていうか“魔人化したら楽に勝てたのでは?”
ちょっと後悔したが俺は魔人化を解除して周りを見る。
木は全て倒され浅いがクレータが出来ていた。
ちらほらと兵士達が倒れていたがアイとキドリーの姿はなかった……いや、いた。
上空に大きな光の玉があり、玉の中にキドリーとアイがいる。
キドリーがキッと睨みつけきて。
「元落ちこぼれにしてはやるじゃないか。」
「兵士達は守らないのか?」
「はっ!? アイツ等は“兵士”として連れて来たんだ。兵士なら自分の身は自分で守るべきだ。」
駄目だなコイツは、こんな奴が次期皇帝になる器か?
「キドリーそれは流石に言い過ぎよ。」
「アイ…ゴメンね僕の力では“君しか守れなかったんだ。”」
「そうなの…ごめんなさいキドリー。」
アイもアイでおかしくなってやがる。
キドリーの“聖具生成”なら兵士達に達を持たせばいいだけの筈だぞ。
まぁ、「僕の聖具は平民なんかに触れて欲しくない。汚れる。」って、昔言っていたな確か…
「さぁ、アイっ!! アイツ1人なんかに僕達の“力”は負けないっ!! さぁ、兵士達よかかれっ!!」
キドリーが指示を出すと立ち上がった兵士達は槍を構え俺目掛けてやってくる。
「死ねぇぇェェっ!!」
兵士の1人が先頭を切って突撃してくる。
兵士達の後ろではアイが大量の聖具を浮かせて待機している。
アイの奴、本気で“兵士ごと”撃つ気だ。
「ウォォォォ…グシャっ!!」
先頭の兵士が突然、“空から降って来た奴に踏まれたて絶命した。”
空から降って来た奴は黒いフードをかぶり顔やら手を包帯で巻いている男だった。
「あり? なんか踏んだ?」
“空気を読まない男”がやって来た。




