Dr.ルーナ
“Dr.ルーナ”
魔物生物学の研究者
彼女は様々な魔物についての生態を研究し、魔物の特性や生息地などをまとめた“魔物図鑑”が発表された。
図鑑は冒険者や兵士など様々な人達に魔物に対する知恵を与える。その成績を認められて一時期は“帝国博士号”の称号を与えられたが“聖光教会”により剥奪され“危険指定人物”とされた。
彼女はめったに他人と会わない為、彼女の顔は一部の人間しか知らない。
“危険指定人物”になった彼女は“とある場所”に誰も知らない個人研究所に隠れていると噂だ。
そんな貴女がまさか“聖光教会”で働いているなんて…」
ヤッホー、お酒って種類がいっぱいあるけどカクテルが好きなジョナだよ〜。
現在、ルーナさんと近くの酒場でお酒飲んでまーす。
「“我々の為に魔物を研究するなら殺さない”って言われたからだよ。命あってなんぼだからさ…」
ルーナさんはそう言ってビールを飲む。
「それにしてもジョナ君は何故、私がこの街にいると思ったのだい?」
「貴女の性格なら“聖光教会の地下で研究している”だろうと思いましたから〜」
「くっくっく…確かに“危険指定人物”になった時に真っ先に研究所を地下に作ったさ…」
“指定危険人物”とは教会が“邪教の類”又は“教会にとって脅威”になる人物の事で、“指定危険人物”にはリスクに応じた“賞金”がかけられる。
ルーナさんの場合は顔が知られていない為、Aランクの“7,800,000M”だ。
「何で“指定危険人物”になったのですか?」
「あ〜“聖光教会”に『貴女は魔王の手下である可能性があります。何故なら手下でなければ魔物の生態が分かる筈がない』って言われてね…」
なんじゃそりゃ…
「人が努力をして手に入れた物を否定したんだよアイツ等…」
ルーナは暗い表情をしてビールをまた飲みおかわりを注文する。
「まぁ…暗い話をしてると酒が不味くなるから話題を本題に変えよう。」
そう言ってルーナは真剣な顔をして僕を見る。
「“ラエティティアの卵”を手に入れる事が出来るのかい?」
「さぁ?」
「えっ?」
即答で不定した。
だって、“ラエティティア”は“指定危険生物”に指定されているから絶滅したとはいえ、“指定危険生物”の卵を持っているだけで“極刑”だもん…
ましてや“聖光教会”と行動している人なんて。
「ああ…“聖光教会”か……確かに私は今“聖光教会”に加担しているしな…」
「“聖光教会”と縁を切ればいいのに。」
「それが出来ないんだよ。」
そう言ってルーナは白衣を捲り右腕を見せる。
右腕には“聖光教会”のシンボルである光をイメージした刻印があった。
「私は今、“あの神官”と契約しているからさ。」
ルーナは嫌な顔を作りながら言った。