五人揃うと、
外へ出ると街の人達は“それ”から逃げるように走りまわる。
“それ”は皮膚が岩みたいにゴツゴツしたゴリラだった。
岩ゴリラは全長2メートルで先程までボロボロだが人の服を着ている。
種明かしをすると、彼は先程まで“人間だった”のだ。
僕は資金を得る為に“欲望の書”を裏ルートに流していた。
その内の一冊が先程あの岩ゴリラを作ったのだ。
“暴れろ。”
僕は岩ゴリラに誰にも聞かれないように注意しながら命令する。
すると岩ゴリラは命令通りに暴れ始めて周りの建物などを破壊する。
しばらくすると兵士達がやってくる。
兵士達は岩ゴリラを取り囲むように陣形を作り槍を構える。
「やー」やら「とりゃー」と声を出して槍で突くが岩ゴリラの肌に傷一つついていない。
あっ…兵士の1人が岩ゴリラに捕まった…
どうするんだ?
あ〜“武器”にするんだ…
現在、岩ゴリラは兵士の1人を“武器”として扱い振り回している。
その光景を見ていると頭の中で“オーガ”“ドレス”という単語が思いつく。
岩ゴリラはあっという間に兵士達を撃退する。(“武器”はまだ持ったまま)
岩ゴリラが何かに気づいたらしくその方向に顔を向ける。
見るとそこには“聖歌少女隊”の一組が建物の屋根に立っている。
彼女達は剣、盾、槍、弓、籠手を装備しており、それぞれ見たところ同じ素材でできている。
さらに驚いたのは彼女達は銀色の髪をしていて髪型以外が全て“同じ”だった。
「いくよっ!!」
リーダーであろうロングヘヤーの子が言う。
「ロングっ!!」
「ツインテールっ!!」
「ポニーテールっ!!」
「ショートっ!!」
「サイドテールっ!!」
「「「「「5人揃って、“可憐聖歌隊”っ!!」」」」」
5人はそれぞれポーズを決める。
何これ…?
「ツインっ!!」
ロングが指示をする。
彼女は籠手を装備しており、手を岩ゴリラにむけ歌いだす。
籠手なら接近戦じゃないのか?と疑問を持つが弓を持つツインテールが歌い矢を放った。
矢は凄いスピードで放たれたが、岩ゴリラはそれを避ける。
ツインテールは次の矢をまた放つがまた避けられる。
だが、岩ゴリラは驚いていた。少女が放った矢は地面に深く刺さっていた為である。
今度は槍を持つサイドテールがツインテールの矢を交わしながら岩ゴリラへ突く。
岩ゴリラは兵士達の槍は自分には効かないのを知っおり、サイドテールの槍ましてや、兵士より力がないように見える少女の槍は自分には傷一つつかないと思っている。
その為、岩ゴリラは避ける事すらしなかった。
しかし“その槍は岩ゴリラを貫いた”
岩ゴリラは悲鳴をあげ槍を抜こうとするが、今度はショートの少女が持つ剣により右腕を“切り落とされた”
おそらく、岩ゴリラは混乱しているだろう。唸り声をあげ切り落とされた右腕をつかみロングヘヤーへ投げつける。
しかしその右腕は“届かなかった”
右腕はまるで“見えない壁”に阻まれたのようにぶつかり落ちる。
見るとロングヘヤーのよこに盾を持ったポニーテールの少女がいる。
どうやって防いだかは分からないが彼女のせいだろう。
あっ、岩ゴリラが逃げ出した。
岩ゴリラは勝てないと思ったのか方向を変え走りだす。
しかし、次の瞬間“岩ゴリラはバラバラになった”
うわ〜岩ゴリラ可哀想〜。