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世界征服を始めました。  作者: 袋烏
第2章 勇者編(ユウキ)
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勇者ユウキの大冒険(3)

“災厄の歌姫”

正式名称“ラエティティア”


上半身が人間の美しい女性で下半身が虫の姿をした魔虫である。

あまりにも危険な魔虫なので大量に討伐され絶滅したと記録にはある。

ラエティティアが一匹でも現れると一つの国が滅んだと伝えられている。

何より恐ろしいのは“歌姫”と呼ばれる言葉通り“歌”が強力な兵器である。

“歌”を聞いた生物はラエティティアに魅了され“考えるのを止めてしまう力”を持っている。

さらに“歌”によっては自然を操ると記録にはある。


私はこの“歌”を…(略)


何故、ラエティティアが歌で生物を魅了するのかというと“卵”を産みつける為である。

ラエティティアは卵の状態で生物に寄生させ母体に歌を聞かせる。

そうしてラエティティアは増えていく魔虫だ。


さらに“卵”にも恐ろしい特性がある。

それは寄生した母体が死ぬと“卵”は“大爆発”を起こすからだ。その範囲は広く半径5メートルである

過去の記録によればとある国が戦争の中、兵士にラエティティアの卵を寄生させ特攻させたとある。


ラエティティアの詳しい生態は分かっていない。


【Dr.ルーナ筆“ラエティティアの歌”より一部抜粋】





僕はマオさんからラエティティアについて簡単な説明を受ける。


「…だから“歌”には気をつけろ……」


「それにしても、何でラエティティアが…」


「恐らく私のせいだ…」


マオさんが険しい表情をする。


「たぶん、男爵の体内にラエティティアの卵があり、私が放った『空龍拳』の“気”…“エネルギー”か? それが“孵化の条件”を満たしたのだろう…」


「ていうことは…貴方の責任じゃあないですかっ!!」


「マリア、今はそれどころじゃあ…」



〜♪ 〜〜♪


歌が…聞こえる……



何だろ…何か…‥どうでもいいや……


ずーっと………このまま………………歌を聞いて……いたい…や……………












『“それで、いいのですか?”』


えっ? 誰?


『今ここで貴方は自分が決めた事を諦めるのですか?』


そうだ…僕は…皆を…


『ならば、足掻きなさい。貴方は“混沌の使者”を倒す義務がある。』


“混沌の使者”? “魔王”じゃなく?


『“混沌の使者”は目覚めました。さぁ、行きなさい。貴方に新たな力を授けましょう。』



そうだ…僕は…皆を…『守るんだっ!!』







はっと我に戻り僕は周りを見る。

すると目の前でラエティティアがお尻から管を出しマリアに刺そうとしている所だった。


やらせないっ!!


僕は聖剣を握り締めラエティティアに斬りかかる。


「ピィィッ!!」


管を斬られたラエティティアは悲鳴をあげる。


『聖剣よ、人々の苦しみから救いたまえっ!!“ジャスティス・ヒール”』


聖剣から光が放たれ皆を光が包む。


「う…」

「なっ!?」

「………」

「やっと、解放されたか!」


皆が正気に戻る。


「皆っ!! 大丈夫か?」


皆に声をかけて僕はラエティティアと対峙する。


ラエティティアは僕を睨みつけ再び歌い始める。


〜♪〜〜♪


しかし


『ジャスティス・サイレンスっ!!』


聖剣が光を発する。


「ピィ!?」


「無駄だ『ジャスティス・サイレンス』は一定時間の間、お前の“魅了の歌”を封じる。

もうお前はただ歌う虫だっ!!」


それを聞いたラエティティアは諦めずに再び歌う。


ー♪〜ー♪


ん? 何か少しさっきと違う歌の気がする…


ラエティティアの背後に丸い魔力の塊ができる。

何だあれ?

するとその塊がこっちに飛んでくる。


「…『ロック・ウォール』」


ルナの声が聞こえると僕の前に岩でできた壁が地面から生える。


ぱんっ!


壁の向こうから何かが破裂する音がすると、壁が崩れ落ちる。


「むっ……あれ…くらうと…体が破裂する…」


ルナが壁の残骸をみて言う。

そんなにヤバいのあれ?


「早めに倒したほうがいいな…よし皆っ!! 少しの間だけ僕を守ってくれっ!! 一撃で仕留める。」


「分かりましたわっ!!」

「了解です」

「ん…」

「(最初からやれよ…)ボソッ」


ん? マオさんが何か言ったみたいだけどよく聞こえなかったや。


マリア、リンさんとマオさんが魔力の塊を避けながら戦い、僕の方に飛んでくるのをルナが壁を作って守ってくれる。


僕は集中して剣を両手にもち上段に構える。


『聖なる精霊よ、邪悪なる者を討つ為に力をお貸し下さい。 聖剣よ目覚めろ、お前の一振りは邪悪なる軍勢を裁き、邪悪なる王を討つ為にある。今こそ邪悪なる者を裁く時だっ!!』



僕が言うと聖剣がどんどん光を増していく、


「皆っ!!いくぞっ!!」


皆がラエティティアから離れる。


ラエティティアも僕の攻撃に対抗するべく歌い始める。


『“聖・剣・ジャスティス”っ!!』


聖剣を振り下ろすと光がラエティティアへ向かっていく。


ラエティティアも歌い終わったようで魔法陣が浮かび上がり


『“滅びの歌”』


そう言ったように聞こえた。


魔法陣から黒い光がレーザーのように放たれ僕の光とぶつかる。


黒と白がぶつかり合い押し合いをしている。

力は互角だ…あとは持久戦だ。


『空龍砲』


マオさんが僕の横でラエティティアに向け空手の上段突きをする。

すると、ラエティティアが見えない攻撃を受けたらしく黒い光が少し弱まる。


そして、聖剣ジャスティスの放った光はラエティティアを飲み込んだ。







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