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雨宿り

作者: 尚文産商堂
掲載日:2012/10/31

「なんなのよ、もー!」

私は、急に振りだした雨に向かって悪態をつきながら、運良く見つけた駄菓子屋へ入った。

「いらっしゃい」

そこにいたのは、同級生の男子だ。

「あんた、そこでなにしてるの」

私がハンカチで濡れたところを簡単に拭きながら聞くと、困った顔して答えてくれる。

「まあ、店番かな。親が買い物から帰ってくるまでの間は、ずっとここで店番さ」

パイプ椅子に座った彼は、近くに漫画の雑誌を置いて、私をじっと見つめていた。

「そこにいても、また雨にぬれるだろうし、中入れよ」

そういうと、私を中へと引き込んで、それから白いタオルを投げてきた。

「ほら、これで髪拭けよ。それに、ついでに何か買っていって」

「…それが狙いか」

「もちろん」

私は彼の目的を聞いて、すこしほっとしてしまった。


買ってと言われても、何も買いたくはなかった。

「雨あがるまではさ、店の中好きに見て回ってて。どうせこの雨だから近所の小学生も来ないだろうし」

「ん、わかった」

私は彼の提案に素直に従うことにした。

適当にぶらぶらと店の中を歩いていると、昔よく食べた駄菓子を見つけた。

「これいくら?」

「それは10円」

つまみ上げたものを彼に見せてみると、すぐに答えてくれる。

「じゃあ、これもらうね」

「10円な」

手が出てきたから、そこに10円玉を一枚置く。

「ありがとうございます」

外は相変わらずの大雨だから、店の中で食べる。


「…いつになったら止むのかなぁ」

外の大雨を見ながら、私はつぶやいていた。

「今日はずっと振り続けるんじゃなかったかな」

「マジで」

携帯を取り出し、彼が確認をしてくれる。

「そうそう、午後6時ぐらいまでは降る予定だね。あと1時間ぐらい」

「そっかぁ…」

1時間ほど店中を見ていてもいいが、もう見飽きるほど見てしまったため、暇になっていた。

「まあ、なんだ。もうちょっと見て行けよ」

彼に言われたから、私は雨が上がるまで、店の中にずっとい続けた。


「上がった?」

「そうみたい」

6時少し前、きれいな夕焼けを目にすると、私は店をやっと後にすることができた。

「また明日」

手を振ってくれている彼に、私は手を振りかえす。

「また明日ね」

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