第6話 短編:歴史で打倒小谷作戦を遂行するか否か!するに決まっておろうが!! Part3
さて・・・真剣に話を進めるとしよう。
乾ききった大地、まるで水分を全て吸い取ったような大地、干からびた生物が大量に落ちている大地、水を何リットル垂らしても何の変化もない大地
そんな大地を君は想像できるだろうか。
無論、多くの人は想像が可能だと言うだろう。
しかし、君たちが想像したそれは、本当に現実に近しい物か、
今、私が文字で表現したこの大地は私のこの貧相な語彙では表しきれない
精一杯表現した結果があれなんだ。
君たちが今、想像している大地と今私が立っているこの大地、比べてみても絶対に近しい物ではない、確信はある。
私も昔この大地の事を本で読んだことがある。しかしあの本は未来についての予想を書いてあった
その本の説明と、現実のこの大地はあまりに違いすぎるのだ。
それほどまでに乾ききっている。
何故私が今この乾ききった大地にいるか?
信じられないだろうが
私は未来へ飛ぶことが可能だ。
未来へ行けるが、過去に行くことは不可能。という能力だ。
例えば20歳の私が60年後にいくとしよう。
そうした場合60年後の世界へ飛んだ私は60歳年が増していると言うことになり、80歳のしわくちゃのおばあちゃんになる。つまりは寿命が短くなると言うことだ。
おわかり頂けただろうか、私のこの力は夢のようだがそのような欠陥があるのだ。
そして、私が飛んだ60年間の間、私の姿は消える。つまり、誰もが私を忘れ去った60年後へ飛ぶわけだ。
その力を使い、私は今この大地に来ている。
この乾ききった大地は私がもといた世界、2025年から10年後の世界だ。
2035年、この乾ききった大地を人は干乾地と呼ぶ。
私は2025年にこの力を手にしてからドキドキが止まらなくなった。この力を使いしたいことはただ一つだった。
この干乾地を見てみたかった。
10年寿命が短くなっても良い、10年私が失踪してても良い、ただただ、この大地を見ておきたかった。
この大地は、私がもといた2025年には無かったものだ。先ほど、未来についての予想が書いてあったと言った、それはつまり、今後、この干乾地が完成するであろう。という事が書いてあったのだ。
私はこの大地を見て心の高鳴りや動揺を隠し切れなかった。私の心拍数はどんどん多くなってきた。
私はこの乾き切った大地を見て歓喜の声を上げ感激し感動をした。
私の頬をつたう涙がこの乾き切った大地に舞い落ちた。
しかしその水滴は決して大地を潤さなかった。
私は一日中その干乾地に佇んでいた。
テントを張り、事前に準備しておいたパンを糧にして一日耐えしのいだ。
次の日私は小さな町へ向かった。そしてそこでこの干乾地について聞いた。
この干乾地は中国の隣国のゴンルにしかない。
中国の西部の乾いた空気で無ければこの干乾地はできなかった。
タクラマカン砂漠というのがあるけれど、それ以上に乾き切っている。
そのタクラマカン砂漠のさらに西部の土地、中国の西部はゴンルという国に支配された。
日本の移民が中国の西部を乗っ取ったのだ。
そして「ゴンル」という国を作った。
なぜそんな無謀な事ができるかって?そんな事はわからない、そんな無謀な事しかしないのがゴンル人なんだ。
日本の10/1は中国に移動した。
そしてゴンルを作った。
ゴンル人は日本人の誇りを傷つけたとしてひどく批判されていた。
私はそのゴンル人に問うた
何故干乾地ができるか。
その理由は複雑であって簡単だった。
「あんたはこの干乾地を想像できないだろ?しかしな、神でさえもこの干乾地を想像できないんだ、
神はこの干乾地を想像できないけど創造する事は可能だったのだ」
「つまり、この干乾地は神が雨を降らせないようにした結果だった」
「神はこの干乾地をなんとなく造ったんだ」
「口で説明するのは難しいな」
「なんていうんだろ」
「あんたはシャーペンを使ったりするかい?その芯を使い切る事はできないだろ?1cmくらい残ったところで捨てなければならない、つまりあんたがシャーペンを使うときに生み出した必然的な産物が芯の残りだろ?」
「それと同じように神が雨を降らせなかった時に生み出した必然的な産物が干乾地だったのさ」
「想像できなくて創造できるっていっただろ、その言葉の意味をおしえてやろう、
つまりだな、例えばお前は物語を書くとする、完結していないその物語の最初から最後までを想像しろと言われてできるか?できないだろ、書いて行く内にここはこうした方がいいんじゃないか、と思いながら修正しながら書いて行くだろ?
書き終わらないとよくは分らないだろ?お前はその物語を想像する事はできなくても
書いて良く事、つまり創造する事が可能になるということだ」
「まあ、理解しなくて良いよ、実際俺もよくわからないからさ、ハハ」
ゴンルの村人は快く説明してくれた。
が私は理解できなかった。
すこし申し訳なかった。
私は質問に答えてもらったお礼に
私の力を話した。私の2035年に来た理由も話した。
彼はすごく驚いた顔で、そして何か遠くの物を見るような顔で
私の顔をのぞき込み 言った
「今生きてる俺達って、昔のヤツからすれば未来人なんだよな」
え?意味が分らない?
いやでも話は進んでるからいいじゃん!!!!
俺の中では話はどんどん進んでます。