第2話 今生きてる俺達って、昔のヤツからすれば未来人なんだよな。
結構ギャグ回だったりして・・・
「ホイホイチャーハン!!!!!!!!!!!」
俺達はそう叫んだ
俺達は兄貴の声が聞こえたのだ。
あの独特の「アッー!」は絶対にあの人だ!!
「森の妖精兄貴・・・まさかこんな所で会えるとはな・・・」
「あっにきいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
俺はそう言い 人混みを掻き分け兄貴を捜した。
「うっ・・・どこだ!兄貴ぃ!!!」
「アッー!」
途端、俺の後方から声が聞こえてきたのだ。
「にいさん!?」
俺は咄嗟に振り向いた。
「・・・だれ」
俺が振り向いたときに俺の後ろにいたのは、ガチムチなんかじゃない、やせ細った青年だった。
「僕だよ、さっきからアッー!って声を出してたのは」
「!?・・・俺が・・・俺が兄貴の声を聞き間違える筈がない!」
「聞き間違えたんだよ、あんたは。俺が出した声と・・・兄貴の声を。」
「嘘だ!嘘だ!嘘に決まってるんだ!」
そんな筈はないのだ。史上最強(自称)のニコ厨の俺が・・!?
史上最強のニコ厨がガチムチな兄さんの声を聞き間違える事は万死に値するのだぞ!?
「あんたが何で聞き間違えたか教えてやろうか」
「あんたらがいつも・・・いや、いつもかどうかは分らないが・・・いつも、見ているパンツレスリングの兄貴の声は機械越しなんだよ。だから頭の中にインプットされている声は機械越しの声なんだよ。それと同じようにおれはアッー!と叫んだ時に機械を通したんだ。機械を通したってどういう事かって?すごい商品でな、ドンキ・ホーテで買ったんだが。自分の声を隠すために機械を通して他の人の声に聞こえるものがあるんだよ。いわゆるコナンの蝶ネクタイだな。」
本日二度目の稲妻が俺の体に走った。
「・・・俺は・・・兄貴を愛していなかったのか・・・」
楓がやってきて俺の肩に手を置き
「お前、元々愛してなかっただろ」
カンカンカン!!
頭の中でボクシングの試合が終わるときのラストゴングが鳴り響いた。
「もしも、仮に愛していたとしたら、お前・・・ゲイだぞ」
カーカーカー
ゴングの音が、カラスの輪唱となり俺の頭の中に鳴り響いた。
「悪いな、俺の連れが迷惑かけちまって、ただコイツは本当にパンツレスリングがしたかっただけなんだよ。気にしないでやってくれよ。な」
楓が痛々しい物を見る目で俺を見ながらそう言った
「いや、別に迷惑とか思ってないから。俺は浜田 良介。よろしくな」
「おう、よろしく。一つ疑問に思ったんだけど。何でアッー!って叫ぼうと思ったんだ?」
「ああ・・・俺パンツレスリング習っててさ。今日はコミケの為にここに来たんだけど本当は今日パンツレスリングの練習だった訳よ。それで、休んじゃって悪いなーッて思ってさ。せめて叫ぶ練習だけしようと思ったんだ。
ここだったら周りがうるさいから、それより大きな声で叫ぶことが出来たならば、自慢話になるなーと思って叫んでたんだよ」
「そ・・・そう、クレイジーだね」
楓はパンツレスリングを習うと言う言葉に引いたのか、すこしひきつった顔で言った
「じゃあ、俺達買いに行くから、じゃあなー」
楓は俺の腕を取り同人誌を買いに行列に並んだ。
「何の同人誌買いに来たんだ-?・・・」
「わかんね。てきとーにならんだらここだった」
「なんだと!楓ええええええええええええええええええええ!言ったじゃないか!ちゃんと狙いを定めてからかえと!」
「友達少ないんだな。お前」
「関係ないだろ、つかリア充は爆発すべきなんだよ」
「お前それ嫉妬かよ!」
行列をどんどん前に進み、同人誌を買う時だった。
「お客さん、すごい買ってますね。こっちの同人誌、買ってみませんか?」
と売る側から本を買わせようとしてきた。
勧めてきた本を見たら、こう書いてあった。
『今生きてる俺達って、昔のヤツからすれば未来人なんだよな。』
「未来人・・・」
「買います」
楓はよくわからないまま、ソレを買おうとした。
「買うのか、お前」
「ああ、なんか・・・表紙からして、面白そうだったから」
「そっか」
その表紙は一人の女の子があぐらをかき、手を大きく太陽に向けて開けている絵だった。
「この絵、いったいどういう意味なんだろうな」
俺は楓にそう言ったが、この輩、楓は無反応だった。
そして、コミケも終了した頃、俺達はそれぞれ帰宅した。
同人誌を買おうと行列と闘って流れた汗を流すために俺は風呂に入った。
皆さん、お気づきでしょうか。この作品の主人公は、悟ではなく楓なのですよ!!!
気付くわけないですねwww
何の説明もないし、悟視点だしw