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旅情  作者: 小池竜太
1/1

タイトル未定2026/05/19 18:19

 あなたに一目会えた。それだけで、心の引っかかりが取れた。



ずっと会えていたら良かったのだが、世の中はわたしが思うよりずっと複雑で、あなたとわたしは距離がとても遠い。



 それで諦めてしまっていた。



 わたしの世界は輝いていない。けれどあなたの世界は少し輝いている。




 そんなわたしとあなたは、縁がないように見えていた。




「よその人?」

「そうよそ者。なんでこんな辺鄙(へんぴ)な所に。」




そう言って、口をとがらす。



 確かによその人だが、どこか子供っぽい顔をしている。




「どうも、今晩は。」

そう声をかけた。



 よその人は今、友達と一緒で、三人は家に上がり込んでいる。




何も言わない。そんなかわり者の人は、そわそわしている。



「どうした?」

言うと、



「お腹減った」

そう言うので、三人は外でご飯を食べに行くことになった。





「お好み焼き、焼きそば?」

「僕はお好み焼きかな。」

「焼きそば。」



そうして店に上がり込んで、数分がたつ。3人とも口を利かない。




ふと、そいつが謂う。


「Hって、観光だったら何が目玉なの?」

「そうだねえ。」

「やっぱり野球かな」



そう言って時が過ぎる。




「もう明日には帰らないと」

そう、彼は謂う。



名残惜しいが旅人は去っていくのだ。




「じゃあねまた来るよ。」

そう言って、その約束が、交わされた。



 彼はまた来る。春が来るように。


旅は、続きます。永遠に。

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