タイトル未定2026/05/19 18:19
あなたに一目会えた。それだけで、心の引っかかりが取れた。
ずっと会えていたら良かったのだが、世の中はわたしが思うよりずっと複雑で、あなたとわたしは距離がとても遠い。
それで諦めてしまっていた。
わたしの世界は輝いていない。けれどあなたの世界は少し輝いている。
そんなわたしとあなたは、縁がないように見えていた。
「よその人?」
「そうよそ者。なんでこんな辺鄙な所に。」
そう言って、口をとがらす。
確かによその人だが、どこか子供っぽい顔をしている。
「どうも、今晩は。」
そう声をかけた。
よその人は今、友達と一緒で、三人は家に上がり込んでいる。
何も言わない。そんなかわり者の人は、そわそわしている。
「どうした?」
言うと、
「お腹減った」
そう言うので、三人は外でご飯を食べに行くことになった。
「お好み焼き、焼きそば?」
「僕はお好み焼きかな。」
「焼きそば。」
そうして店に上がり込んで、数分がたつ。3人とも口を利かない。
ふと、そいつが謂う。
「Hって、観光だったら何が目玉なの?」
「そうだねえ。」
「やっぱり野球かな」
そう言って時が過ぎる。
「もう明日には帰らないと」
そう、彼は謂う。
名残惜しいが旅人は去っていくのだ。
「じゃあねまた来るよ。」
そう言って、その約束が、交わされた。
彼はまた来る。春が来るように。
旅は、続きます。永遠に。




