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蟻が侵略者達を食らい尽くすまで  作者: 未来
2章 地の神からの罰
9/19

9 動き出す悪意

「地の神よ、私たちをお救いください」


 グリーンにより国に連れて来られた女達が他の奴隷達と一緒の檻の中で横になっていた。


 国に連れて来られてから男達のへの奉仕で働かされていた。中には疲労がたまり熱を出して動けない娘もいた。


「地の神よ、私たちをお救いください…」


 女達は地の神に救いを求めてつぶやき続ける。


 女達は奉仕中に暴力的な男の貴族に手を出されたり、意地悪をする年上の女奴隷に洗礼をうけたが、蟻達が奴らの食事に入りこみ舌を噛みちぎったり報復をして暴力やいじめはなくなった。


 だが、殺虫粉を振りまかれてしまい蟻達は女達を守ることができなくなった。


 国中の者が殺虫粉を買い漁り自分の体に振りまいて蟻から身を守り始めていた。


 このままでは女達を助けることができず死ぬまで奉仕活動をさせられる。


 島に帰りたい、家族に会いたいと女達が願う中怪しい一団が檻の前に立つ。


「へっへへ、だいぶ疲れてやがるなぁ?」


 男の奴隷達が女達の入れられている檻の鍵を開けた。


 本来男女の奴隷は別々の檻に入れられているが、一部の奴隷は見張りの兵と裏でやりとりしており自分達の檻の鍵と女達の檻の鍵を手に入れる事ができた。


「え? きゃぁぁ!!」


 男達が疲れている女達を力強く抱く。


「や、やめ…」


「おらぁ!! 大人しくしろ!!」


 抵抗する女を殴り黙らせた後、男達は女の体を触る。


 疲れてようが、熱を出してようが男達は自分の欲を満たすことしか考えていない。


「こ、このぉ!!」


「へへっ、無駄ぁ、無駄ぁ。抵抗しようが、声をあげようがお前らを助ける奴なんていねぇよ」


 男達の体には殺虫粉がかけられており蟻対策がされていた。


 他の檻の奴隷は関わりたくないと見て見ぬふりをしていた。


「いやぁ、いやだぁ…」


 島に帰ることもできず、こんな汚い男達に好き放題されるなんて。


 助けて、誰か


「地の神様…」


 衣類をはぎとられて涙を流す女、そして男の手が乳房に触れようとした時。


 ブォン


 一匹の羽蟻が高速で男に突っ込み、目に食らいついた。


「いだぁぁぁ!?」


 羽蟻の鋭い牙が目の表面に食いつく。口から強酸が流れて、たった数秒で男の右目が液体になるまで溶かされてしまった。


「うぁぁぁぁぁ!?」


 檻に侵入してきた男達が羽蟻の襲撃を受けた。


 島にいた蟻達よりも体が大きく成長し強酸の威力も桁違いだった。


「くっ、くそぉ!! なんで蟻が襲ってくんだよ!! 殺虫粉を撒いてのにっ!!」


「ま、まさか。この粉、偽物なのか?」


 殺虫粉を塩と言って売りつける者が多くなり、男達は見張りの兵共に騙されたと怒っていた。


 だが、奴隷の男達の体についている殺虫粉は本物だった。


 蟻達は殺虫粉に殺された同族を食らい免疫をつけて克服し進化したのだった。


 何もしらない男達は女達を離し檻から逃げるが羽蟻達はしつこく追いかける。


 走って逃げる男達の両足の腱に向かって羽蟻が突撃すると腱を食い破った。


「うぁぁ、あ、足がぁ!! だ、だれか、たすけでぇ!!」


 両足の腱を切られ立てなくなった所でまだ羽の生えていない黒蟻達が、男達を食い殺す。


 男達の無惨な姿を見て他の奴隷達は恐怖で悲鳴を上げるが、島から連れて来られた女達は涙を流し喜んでいた。


「地の神が助けてくださった」と涙を流しながらつぶやく。


 蟻達は逃げた男達を食い殺した後、国中を飛び回り人々の悲鳴が大きくなっていく。


 他人を支配し命を貪ってきた者達へ地の神の制裁が始まった。



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