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蟻が侵略者達を食らい尽くすまで  作者: 未来
2章 地の神からの罰
15/19

15 蘇る記憶

 蟻達は国の悪しき者を食らい奴らの記憶や意思が自分の中に流れこんでくる。


 奴隷や身分の低い者を虐げてきた醜い記憶。


 自分の欲を満たすために汚いことを平然とやる悪意。


 この国の大半の人間は腐りきっており、殺さねばまた新しい差別や争いを生んでしまう。


 島から連れてこられて奴隷にされた女達を救い、悪意ある者をほとんど殺した。


 だが、何かが足りない。


 胸のあたりが何か大きな穴があって欠落している。


 だが、思い出せない。


「…っ」


 頭の中で聞き覚えのある声が聞こえた。


 女の声だ、黒髪に端整な顔をした少女。


「ユート…」


 声が聞こえ彼女の笑顔がはっきりと思い出し黒い意思はつぶやいた。


「リア」


 黒い意思は蟻達の目を使って国中を探すがリアは見つからない。


 ふと、蟻に食われた老年の執事の記憶が見えた。


 馬車に乗せられるリア。


 馬車の中には、小島で食らったレッドとブルーの記憶にあったグリーンがいた。


 記憶の中のグリーンは痩せていたが、贅沢な暮らしで太っておりこの男から邪悪な気配を感じた。


 馬車の行方を追うために国外に通じる道に羽蟻は飛んだ。


 国外に通ずる道にいた者も食らい記憶を辿っていく。


 食らった者も欲にまみれた者で、これまで非力な者から金品と命を奪ってきた外道だった。


 外道どもの記憶にグリーンの姿があった。


 グリーンから金をもらい、疲れ切った馬車の馬を交換する姿があった。


 馬を交換した後、馬車は北に向け進んでいき羽蟻達は北を目指し飛んでいく。


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