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蟻が侵略者達を食らい尽くすまで  作者: 未来
2章 地の神からの罰
12/19

12 見捨てられた王妃

 蟻達による制裁は城の中でも行われていた。


「きゃぁぁ!! た、たすけぇ!!」


 デブ体系の王妃が全身汗だくになりながら城の廊下を走って逃げていた。


 突然、メイドや執事達が白目になり武器を持って襲いかかってきた。


 王妃である自分に手をかければ処刑だぞと、わめくも従者達は白目を向き王妃を殺そうと追いかける。


 王妃の向かった先は城の中に作られた避難所だった。


 王族の身を守るために用意された避難所は内側からしか開けることができず壁も分厚い鉄制で大砲を打たれようが破壊されない作りだった。さらに、中には水や食料も完備され何日も籠城できる物だった。


「お、お前!? ひぃ!?」


 避難所の中には既に臣下の貴族や護衛騎士らと一緒に王がいた。


 王妃の背後に武器を持った従者達が見え、王は急いで扉を閉めろと貴族と護衛に告げた。


 命令を受けた臣下達は王妃を見捨てて急いで鉄製の扉を閉め始める。


「ぜぇ、ぜぇ!! ま、まっでぇ!! 閉めないでぇ!!」


 避難所に向け突進してくる王妃。


 扉に向け手を伸ばしそのまま部屋に飛び込むが鉄の扉は閉じられた。


「ぶへぇ!!」


 勢い余って鉄の扉に顔をぶつける王妃。


「ぜぇ、げぼぉ、げほぉ…あ、あげろぉ!! この、クソ男がぁ!! 何で閉じんだよぉ!? 」


 鉄扉に顔を打ち付けて鼻血を出したまま王妃は怒りに任せて鉄扉を叩く。


「この、役立たず、クズどもがぁ!! さっさと、たす…げ、で…」


 王妃の言葉は続かなかった。


 王妃の背中に向け従者達がケーキを食べる時に使うナイフやフォークを深く刺した。


「いだぁぁぁ!! あっ、ぁぁぁ!」


 背中に手を回すが普段から甘いケーキばかり食べてブタ体系のせいで背中に手が届かない。仰向けになり必死に背中に手を伸ばす王妃に向け白目をむいたメイドや執事らが斧を持ち話しかける。


「王妃様…いや、愚かで醜悪なメスブタ」


「ケーキを食べるため、欲しい宝石を手に入れるために国民に重税を課し自分だけ甘い物を啜ってきた罪と罰を受けろ」


 武器を握りしめて王妃を囲む従者達。


「ふ、ふざけんじゃないわよ!! 私は知ってるんだからね!! あんた達、城の金目の物盗んだんでしょ!! 後、税金にも手を出して、この泥棒どもがぁ!!」


 蟻に支配された従者達もまた甘い物を啜る蟻のように不正をしていた。


 メイドは貴族の部屋掃除をするフリをして飾り物や宝石をポケットに入れたり、税金の管理をしている者の帳簿をごまかし国民の血税で遊ぶ執事もいた。


「王や他の奴らには黙ってやるから、私をたすけぇ…ぎぃぃぃ!!」


 王女の右足の足首に斧が食い込んで大量の血が流れた。


「ぎやぁぁ!! あ、足がぁ!! いだぃ、いだぃ!!」


 そこから従者達による王妃への処刑が始まった。


 メイドが右足の足首に食い込んだ斧を一度引き抜き、再度同じ個所に斧を振り落として右足首が床に落ちた。


「ぎゃぁぁぁぁぁ!! いだぃ、足が、私の足!! いやぁぁぁ!!」


 反対側の左足首も同様に斧で切り落とされて王妃はもう立つ事ができなくなった。


「だ、だずげ…あな、だぁ…こ、ここを、あけでぇ…」


 死にかけた蟻のように這いずって閉ざされた鉄の扉を力なく王妃は叩くが返事がない。


 今まで散々コキ使ってきた夫である王は妻である王妃が惨い目にあっているのに助けようとしなかった。


「だ、だずげ、でぇ。お、お金でも、なんでも、あげるから…」


 王妃はお気に入りだった小島の鉱石で作られた宝石の指輪を従者達に見せるが、蟻に支配された従者達は王妃の処刑の手を止めない。


 王妃は抵抗して暴れるが、背中に刺してあるフォークやナイフを踏みつけられ鉄の先端が皮膚の奥まで食い込み王妃は動かなくなった。


「や、やめでぇ…いだぃ、もう、やだぁ…」


 背中からさらに血が流れ王妃は苦しんでいるが、まだ処刑は終わらない。


 若くて力のある執事は巨大な大木を伐採するのに使う巨大なノコギリを持っていた。


 執事達は王妃の左右隣に立ち二人一組で使う大きなノコギリの刃を王妃の腰に当てると執事たちは巨大なノコギリの柄を握って引く。


 ギィィゴ、ギィィゴ!!


「ぎゃぁぁぁ!! あっ、ぁぁぁぁ!!」


 ノコギリの刃がゆっくりと分厚い腰の皮膚と肉を切り裂き王妃の苦痛の声が城中に響いた。


「いだぁぁぁ!! やめでぇ!! あっ、がぁぁぁ!!」


 ノコギリの刃が腰の半分まで入り込み、切り口から大量の血や背骨の欠片が地面に落ちる。


 自分の体を切り裂かれる痛みに王妃は暴れるが従者達により体を抑えられる。


「いやだぁぁ!! あなだぁ!! たすげでぇえ!! いだいぃ!! いだぃぃ!! あなだぁ、あなだぁ!!」


 鉄の扉を必死に叩き、夫に助けを呼ぶが返事がない。


 下半身を失い苦痛の声をあげる王妃。残った上半身に従者達は次々と斧やノコギリの刃を入れる。


「ぎゃぁぁぁぁ!!」


 より苦痛を与えるために両手の指先から二の腕までを斧を何度も振り落として切断し小さな肉の塊が床や壁に付着する。


 両手を失いだんだん声も上げなくなった王妃の首にノコギリを当てられる。


 ギコギコ


 ノコギリの刃が首の皮を切り、肉と骨を切断していき大量の血が流れる。


 グチュ、グチャ


 おぞましい音を立てながらノコギリの刃が進み、王女の頭が床に落ちた。


「まだだ、まだ小さくしなくては」


 従者達は死んだ王妃の体をさらに一口サイズまで切る。


 斧で骨を細かく砕き、かつて王妃だった物は骨と肉の塊と化した。


 従者達の体は血と肉にまみれながら、解体を続けていき太い指についた宝石付きの指輪が床に転がる。


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