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【ずんだもん寸劇】PFAS【台本】

作者: 三木香泣

ず=ずんだもん


四=四国めたん


その他・「」=ナレーション・演出

「人体への有害性も指摘されている化学物質のPFAS。PFASは有機フッ素化合物の総称で各地の井戸水などから検出されています。把握が進まない中住民の不安が広がっています。」


ず「ふーん、大変そうなのだ。でも、井戸水なんて使うのは田舎の人だけなのだ。僕には関係ないのだ。」


四「ずんだもん、お水飲む?」


ず「サンキューなのだ。ごくごく……」


四「ただの水道水なんだけど、これが有害物質に汚染されていたらショックよね。」


ず「ぐへーっ」


四「どうしたの、ずんだもん?マーライオンみたいよ?」


ず「めたんが急に変なことを言い出すからなのだ。」


四「ただの例え話よ。でも関係ないって言ったんじゃなかったの?」


ず「なんとなく、心の底で引っかかる所があったのかもしれないのだ。」


四「水って生活のあらゆるところで必須な資源だからね。そう認識するのは間違いじゃないかもね。」


ず「特に飲み水は大切だと思うのだ。もし毒を飲んでたらと思うと不安で夜しか眠れないのだ。」


四「寝付きが良くて羨ましいわ。」


ず「めたん、ぶっちゃけPFASで水道水に混じっているのかどうか、そこが聞きたいのだ。」


四「報道によると一部地域の浄水場で高濃度でPFASが検出されていたみたい。だから話題になっているのよ。」


ず「浄水場でアウトってことは、水道水もヤバいのか?」


四「そこから配水管を通じて、家庭やビル、工場などに供給されるからね。」


ず「うーん、何だか気分が悪くなってきた気がするのだ……。さっき飲んだPFASが僕を蝕んでいるのだ……。」


四「それは気の所為の可能性が高いと思うけど……一応、病院行く?」


ず「どうして、気の所為のだと言えるのだ?めたんは楽観的すぎるのだ!」


四「(さっきまで関係ないーとか言ってのに。)」


四「日本の水道水で検出されたPFAS濃度について、京都大学の原田浩二准教授は「ただちに健康被害が出る濃度ではない」と述べているわ。」


ず「それなのだ。日本の偉い人の「ただちに影響ない」理論は東日本大震災で聞き飽きたのだ!何か隠しているに違いないのだ!」


四「PFASって、炭素とフッ素の原子を持つ化学物質の総称だから色々種類があって、全部が人体に悪いと確定してるわけではないの。」


ず「どういうことなのだ?」


四「PFASの中でPFOSやPFOAは、有害性がほぼ確定していて、国際的に規制されているわ。がんのリスクが増加したりね。」


ず「それ以外は有害じゃないのか?」


四「正直、まだ分かっていないわ。だってPFASって数千種類以上あるらしいもの。全部について人体への影響を調査するのには時間がかかるんじゃない?」


ず「うーん、数千種類か。じゃあ、いっその事まとめて規制してしまえばいいのだ。」


四「PFASって包装、衣類、PCパーツ等様々なところで活用されている有用な物質でもあるのよね。だから、即時に全部規制してしまうと私達の生活に確実に影響が出るわ。」


ず「それは困るのだ。元を断てないなら、別の対策をするしかないのだ。」


四「受け身だけど、現状では有害性がほぼ確定できるPFAS以外は、調査を待って対策することになりそうね。」


ず「とにかく、飲み水だけは有害物質を含まないようにしてほしいのだ。ただちに影響がないとしてもみんな不安で困ってるはずなのだ。」


四「そうね。今は大丈夫でも、将来的に健康被害を出せば国の医療費を圧迫するし、現状で応急処置的対策に予算を掛けることになってもその価値はあると思うわ。」


ず「とりあえず、PFOSとかPFOA?っていうやつは禁止するのだ。」


四「その方向性はいいけど、基準値とか決めることも色々あって簡単じゃ無さそうなのよね。」


ず「基準値って、水に含まれているPFASの量のことか?」


四「日本だと一応50ng/Lに設定されているけど、別の国だとこれより緩かったり、あるいは厳しかったりするわ。ということは、つまり国際的な枠組みが現状まったくないという問題があるのよ。」


ず「それでも、僕らの日本では厳しい基準にするべきだと思うのだ。」


四「不要に厳しい基準を設定して処理施設にコストが掛かって、日本の輸出品目が競争力を失ったり、私達の払う税金に転嫁される可能性があってもそう言える?」


ず「ぐぬぬ……そうか、その視点はなかったのだ。これ以上、増税されても困るのだ……!」


四「なので、まずは健康への影響に関する調査と並行して、国際的枠組みを早急に制定して全世界でPFASについて包括的に議論する場所が必要だと思うわ。」


ず「なんだか、PFASは放射性物質とかみたいに有害物質だけど、それと違って今のところフワッとした決まりしかないみたいなのだ。」


四「確かにPFASは永遠の化学物質と言われていて分解しにくい性質を持っているし、少量だと問題ない議論だとか、確かに放射性物質とどことなく扱われるジャンルが似ている気もするわね。」


四「最近ニュースに取り上げられてきた影響もあって、各自治体ではPFASの調査結果がどんどん明らかになってきているわ。近いうちに住民の健康状態と対照して有害性の高いPFASの特定とその対策も数年のうちに進んでいくんじゃないかしら。」


ず「それはいいことなのだ。けどすぐに対策されないなら、僕らで個別に対策していく必要がありそうなのだ。」


四「うーん、無理もないことだけど、不安になりすぎるのもね。一応、ただちには影響がないという話ではあるし……。」


ず「だから、偉い人の「ただちに影響ない」は信用ゼロなのだ!」


四「あはは……まあ、気持ちはわかるけど。」


ず「僕が言いたいのは、偉い人の意見じゃなくて、自分の頭で判断して行動することが大事だということなのだ。」


四「うん、その意見には私も同意できるかな。」


ず「とりあえず……シャワーは仕方ないとして、飲み水はミネラルウォーターにしてみるのだ!」


四「(ずんだもんのことだから、3日位で危機感なんて忘れてそうだけど……どうかしらね。)」


四・ず「ご視聴ありがとうございました。」


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