YANKEE
レビュー執筆日:2018/5/23
●曲そのものは良いものの、アルバム全体で見ると疑問が残る。
【収録曲】
1.リビングデッド・ユース
2.MAD HEAD LOVE
3.WOODEN DOLL
4.アイネクライネ
5.メランコリーキッチン
6.サンタマリア(ALBUM VER.)
7.花に嵐
8.海と山椒魚
9.しとど晴天大迷惑
10.眼福
11.ホラ吹き猫野郎
12.TOXIC BOY
13.百鬼夜行
14.KARMA CITY
15.ドーナツホール(cover)
前作から約二年ぶりに発売された米津玄師の2ndアルバム。今作は多くの楽曲で生楽器が導入されており、また、歌詞に関しては明るいものが随所で見られるようになり、前作のようなくすんだ雰囲気はあまり見られません。例えば、『花に嵐』は迫力あるバンドサウンドにドラマチックな曲展開、やや抽象的ながらも切実さが感じされる歌詞が特徴的な楽曲になっており、CMタイアップがついた『アイネクライネ』は少しの憂いを残しながらも非常に爽やかなポップナンバーになっています。
このように楽曲単位で見れば良い曲はあるのですが、アルバム全体で見るとちぐはぐな雰囲気があるという点は否めません。曲のバリエーションという点においては前作を上回っていると思いますが、その分統一感はかなり薄れてしまいました。それでも曲順を工夫すればまとまりができたかもませんが、それに関しても何だか適当な面が見受けられます。『ホラ吹き猫野郎』『TOXIC BOY』『百鬼夜行』『KARMA CITY』といったひねくれた感じの楽曲が後半に続いている理由もよく分かりませんし、ハイテンポで暗い歌詞の『ドーナツホール』で締めるという終わり方も何だか不自然です。個人的には『サンタマリア』で終わった方が良かったと思いますが。
もしかしたら、ある種のコンセプトアルバムだった前作とは違う感じにするために、わざとちぐはぐな雰囲気にしたのかもしれません。しかし、個人的にはどこか疑問が残るアルバムでした。
評価:★★★
一部に脱字があり、最後に余分な空白行が入っていたので、修正いたしました。(2022/10/10)