森にて
今回は二章のエピローグです。故に、果てしなく短いです。
「美味あああい!!!」
歓喜の声が深い森に響いた。その声に驚いた小鳥たちが近辺から飛び去って行く。
「何だこれ!?こんなに美味い物が森の材料だけで作れるなんて!!」
「美味しい…美味しい!!野営でこんな料理が食べられるとは、ぐすっ…思わなかった!!」
二人は一心不乱に肉を貪り食った。レインは感動で目を輝かし、カリンに至っては涙を流して喜ぶ始末だった。
「そんな大袈裟な。肉に塩振って焼いただけの料理でも何でも無い代物だよ。料理擬きだこんなもの。」
ライガは笑ってそれを受け流した。きっと二人が冗談を言っていると思っているのだろう。
「塩と肉!焼いただけ!料理擬き!全部レインと一緒なのに何でこんなにも違うの!!」
カリンは更に大声を出して泣き始めた。以前のレインならそんな事は無いだろと一蹴する所だったが、ライガの飯を食べてしまってはそんな事はもう言えなかった。
「そうか…取り合えず後でレインからは話を聞くとして、二人ともその皿食べ終わっただろ?片付けるからこっちにくれよ。」
二人は綺麗に平らげた皿をライガに渡した。すると、レインは下腹部に違和感を覚えた。
「すまん、ちょっと用を足して来る。」
「分かった。気を付けてね。」
レインは草むらに入って行き、野営地点から少し離れた手頃な木に近づいて行った。辺りに何も無いか見渡すと、その場でズボンを下ろした。
「ふう…。」
足元の野草に雫が落ちて行く。レインは何から解き放たれたような清々しい晴れやかな気分となった。
「さてと、戻るかな。」
レインは下したズボンを上げると、
「お前がレイン・マスべだな。」
レインの首に漆黒の槍が突き立てられていた。
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次回の更新は……未定です。すみません!!恐らく5月中には投稿します!!
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